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素材によるクッカー選び、再び|アルミとチタン

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この記事は約7分で読めます。

自分にとって最高のクッカー選びはまだ続く。

あれ、この話題、この前終わったんじゃないの? ふふふ、しつこくまだ続くのです(笑)

160905クッカーイメージ
野外調理は楽しいし、同じものでも外で食べるだけでひと味違いますね。
少し慣れてきて、調理器具の特徴なんかについてもある程度わかってきました。

以前に素材によるクッカー選びについては書きました。その後、アルミクッカーの問題点である金属臭(金属味)の防止策についても書きました。

金属臭(金属味)の予防策|アルミクッカーの問題点
先日、素材によるクッカー(コッヘル)選びについて書きました。 軽くて安価だしサイズや組み合わせが使いやすそうな、snow peak アルミパーソナルクッカー(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)を選んだわけですが、実は先日の1泊釣行の...

アルミクッカーの金属味は頻繁に防止対策をしなければいけない。

牛乳や米のとぎ汁で酸化皮膜を作ってしばらくは金属味(アルミ味)がしないのですが、何回か使うとまた金属味を感じるようになってきます。
結構頻繁に処理しないとダメなようですね。
同じアルマイト加工のクッカーを使っている人はたくさんいるので、気にしない人は全く気にしないんだと思いますが、料理の味にこだわりたい私にはあまり向いていないかも。
熱伝導率が良いので調理には向いているんですけどねー。

調理には熱伝導率だけではなく、比熱と比重も関係してくる。

チタンマグカップの記事にも登場した、熱伝導率、比熱、比重の表。

熱伝導率
(W/m/℃)
比熱
(J/kg/℃)
比重
(g/cm³)
418 234 10.49
372 419 8.9
295 130 19.32
アルミニウム 204 900 2.70
マグネシウム 159 1030 1.74
64 226 7.29
48 461 7.28
チタン 17 528 4.54
SUS304 16 502 7.82

※外部条件にもよるので、参考値。

フライパンや鍋の性能を考えると、
(1)均一に加熱される(熱伝導率が高く、底が厚いほど均一になる)。
(2)温度変化が少なく安定した温度で調理できる(熱容量が大きく、厚い)のが重要。
(3)さらに軽くて扱いやすい(比重が小さい)方が実用的ということになります。

表を見るとわかりますが、上記3点でアルミニウムがずば抜けた性能を持っていますね。
クッカーとしても人気があり、アルマイト(陽極酸化皮膜)加工の中でもさらに硬度と耐久性を高める「ハードアノダイズド加工(硬質アルマイト処理加工)」を施した製品が増えていて、焦げ付きや金属臭(金属味)防止のために内側をフッ素樹脂加工したものも人気です。
金、銀、銅は熱伝導率はもの凄く良いのですが、比熱は小さいし比重がとんでもない数値。まず重くて使えないし、そもそも材料が高価すぎる。

次に、熱伝導率の隣にある比熱という項目。
単位質量(表では1kg)の物質を1℃上げるのに必要な熱量。
この数値が高ければ温まりにくいけど、冷めにくい。つまり熱をたくさん蓄えることができて、調理器具としては均一に材料を熱することができるというわけです。

そうなってくると、チタンは温まりやすいけどすぐ冷めるってことになるよね。
チタンが調理に向かないというのは、火が当たる部分だけはもの凄く熱くなるけど、周辺に熱が伝わって行かず、鍋やフライパン全体に熱が均一に伝わらないからだ。
でも、それって水を沸かす時には燃費が良いってことじゃないのかな?だって周りに熱が逃げていかないんだもん。
その辺りのチタンの特性については、名取製作所のホームページにも記載がありました。

チタンは冷たくない,チタンの熱伝導率は低い|名取製作所
チタンは熱伝導率が小さい

チタンの比熱は鉄やステンレス鋼とあまり変わりません。 ただ、チタンは比重が小さいので、単位体積あたりの1度上昇に必要な熱量(=「熱容量」)ということにして見てみると、同じ大きさ(=体積)の鉄やステンレス鋼の約6割の熱量で同じ温度だけ上昇させることができます。

なるほど、調理器具として考える時には熱伝導率だけじゃなく比熱や比重も重要になってくるんだ。

チタンの調理器具やカトラリーなんかもそうだけど、持ってみるともの凄く軽く感じるんで、アルミより比重が小さいんだと勘違いしていた。実際には、アルミの方が比重が小さい。
チタンは強度があるので、もの凄く薄くできるんですよね。アルミは柔らかいのでそれほど薄くできない。
だから、例えば同じ大きさのsnow peakのパーソナルクッカー。

アルミ製は485gなのに、チタン製は330gしかない。これは材料を薄くしているから。
薄くすることによって焦げ付きやすさはアップしちゃってるわけですけども(^_^;)

今現在気になっているクッカーは。

材料について詳しく調べると、クッカーについては各メーカーとも頭を悩ませている理由がよくわかった。
上にも書いた通り、アルミの金属臭(金属味)の一応の防止策はわかったけど、ある程度頻繁にやらないとまた金属味がしてくるので、この辺で以下のいずれかを試してみたくなってきました。

(1)イワタニプリムスのイージークックNS(ノンスティック)・ソロセットM
(2)mont-bellのアルパインクッカー ディープ13。
(3)snow peakのチタンパーソナルクッカー
(4)EPIのATSチタンクッカー

これらを使っている方がいたら使用感を教えていただけるとうれしいです。
特に以下の点について。

(2)を使っている方。
ハードアノダイズド加工は金属臭(金属味)がしないのか。ラーメンなどの麺類を作って鍋から直接食べてみるとよくわかります。
★2017.8.26追記:
アルパインクッカーは自分で購入して使ってみました。詳しくはこちら

(3)を使っている方。
ご飯が焦げ付かずに炊くことは可能か。フタ兼フライパンで目玉焼きを作るのは可能か。
★2017.8.26追記:
チタンパーソナルクッカーも自分で購入して使ってみました。詳しくはこちら
ATSチタンクッカーも自分で購入して使ってみました。詳しくはこちら

マグネシウム合金は夢の素材なのか。

上記表でマグネシウムも太赤字にしてあるのは、比熱、比重ともアルミニウムを上回っているからです。
そして、シーサーメット楽天で見るアマゾンで見る)という名で売り出されているマグネシウム12%含有の合金は熱伝導率がアルミの1.5倍だと注目されていますが、高価なためかあまり普及していないようですね。
これからも、まだまだ驚くべき新素材が出てくるのかもしれませんね。

素材を選ばず後からフッ素樹脂加工をしてくれる業者さん。

以前の記事にも追記したんですが、既存のクッカーに後処理でフッ素樹脂加工をしてくれる業者さんがあることがわかりました。1,200円/1面〜と価格もお手頃。

素材を選ばずアルミでもチタンでも加工可能です。素晴らしい!
以下2つの注意点が書かれています。
(1)アルミの場合は、焼き鈍しによりクッカーがやわらかくなる。
(2)チタンの場合は、フッ素樹脂加工をしても熱伝導率が改善されるわけではない。

それでも、自分の持っているクッカーに焦げ付きにくい加工ができるのは魅力的ですね。

調理器具に使われる材質の特徴。

こちらのサイトに調理器具に使われる材質の特徴が書かれています。
読んでみるとおもしろいです。

一時期アルミニウムとアルツハイマー病の関連が疑われましたが、これまでアルミ製品で健康被害があったという報告は一例もなく、規制している国もないそうです。
WHO(世界保健機構)等も否定する見解を出しています。

前にも書きましたが、クッカー(キャンプ道具全般についても言える)は誰にでも適した最高の製品というのは存在しません。
使う人の環境や使い方によって、最適なものは変わってきます。
私は主にザックを背負ってのソロキャンプを前提にしています。
私にとっての最高のクッカーが見つかるのにはもう少し時間がかかりそうです(^_^)

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コメント

  1. ボクは今はプリムスのアルミ(テフロン加工)のものですが、そこまで深く考えて使ったことはなかったですね。^^;
    ただ、これの前のスノーピークのアルミ製クッカーは、かなりアルミ臭が酷かった記憶はあります。

    • kuniさん、こんばんは。
      プリムスのテフロン加工は今のところかなり有力候補なんですよね(^_^)
      アルミのテフロンが一番無難かなと思っているところですが、ハードアノダイズド加工のモンベルのヤツがアルミ臭がするのかしないのか、そこも気になっているんです。
      単なるアルマイト加工のものはかなりアルミ臭が気になるので、私には向いていないようです。

  2. 現場で早くお湯を沸かしたり料理したりする気持ち良く分ります
    ただのフライパンですがイライラ病も有りました
    やはりそこまで気を使って購入して居なく、流石は貴殿
    頭が下がります、此れも経験の成せる結果でしょう。

    • 釣りお爺さん、こんばんは。
      野外だと火器も家庭とは違うので、調理器具の方も独特の難しさがありますね。持って行くとなると軽さも重要になってきますし。
      持ち運びを気にしなきゃ、ダッチオーブンみたいな厚い鉄製が最高なんですけども。
      私は妙なところにこだわりがあるので、それが仇になることも結構あったりして(笑)

  3. クッカーの記事、わりと好きなんですよ。
    他の調理器具にも使えそうなところがたくさんありますからね。
    値段を除いても熱伝導率が良く、丈夫で、軽いという素材はなかなか難しいようです。
    マグネシウム合金、安くなってきたら買いたいですね。

    • akiさん、こんばんは。
      ありがとうございます。なんだかクッカーオタクみたいになってきちゃいました(笑)
      今はソロキャンプに絞って選定してますが、オートキャンプだったりすると全然話が変わってきますね。今流行のダッチオーブンやスキレットのような分厚い鉄製はおいしい料理ができると思いますよ(^_^)
      『軽量化』という点が加わったとたんに難しくなってきますね。

  4. おはようございます。

    いいですね~、男の拘り。
    アルマイト鍋なんてのは昔から台所で重宝していますが、一番簡単なのはシッカリしたアルマイト加工が出来れば良いんですが。
    伊那周辺は昔から精密部品含め金属加工も盛んですから、潜りこませれたらですね。
    宮田アルマイトや伊那金さん当たりが上手いですが、一般人のはやってくれないので“コソットやってくれる”伝手があるとよいですね。

    • マンボウさん、こんばんは。
      こだわりを捨てた方が楽に生きられるとも思うのですが(笑)
      しっかりしたアルマイト加工・・・これがハードアノダイズド加工に当たると思いますが、これの金属味(金属臭)がどの程度なのかを知りたいところです。
      私より伊那の企業について詳しいですね!
      地元で最強の軽量クッカーを作ってくれればうれしいのですが(^_^)