スポンサーリンク
スポンサーリンク

走る発電所|新型プリウスPHV(DLA-ZVW52)試乗

プリウス
この記事は約10分で読めます。

新型プリウスPHVの試乗に来ませんか、とディーラーの営業マンから電話があったので、のこのこと出かけていきました。

私のプリウス(ZVW30)は5月に車検で、すでに車検予約を入れてあるのはもちろん承知しているはずだけど、もしかしたらPHVに乗り換えてくれるかも?と微かな期待が受話器の向こうからうかがえました。
買いませんよ(笑)
でも、今度のプリウスPHVはとても注目に値する車なのです。


PHVとはプラグイン・ハイブリッド・ヴィークルの略で、外部電源から充電できるタイプのハイブリッド車のことです。

先代プリウスPHV(ZVW35)から大幅なる進化!

大幅に向上したEV走行距離。

先代のプリウスPHV(ZVW35)は電池だけで走れる電動走行距離がカタログ値で26.4kmでした。今回は大容量リチウムイオン電池のおかげで、68.2kmと大幅に向上(実走行では50kmほどだと思われる)。
通勤や近くの買い物などの日常利用は電気だけで走れます。家に200Vの充電器を設置しても良いし、既存の100Vのコンセントからも時間はかかるけど充電はできます。仮に私みたいに賃貸住まいで充電器設置が難しい場合は、近隣の急速充電器や普通充電器の利用でも十分実用に耐えます。
ちなみにうちの近くの公共施設には急速充電器があってしかも充電無料! 帰りに30分ほど立ち寄れば80%までは充電できちゃうんです。
ここ最近、電気自動車用の充電器は驚くほど普及しています。
ちなみに、ウチの周辺だとこんな感じ。
EV充電ステーションマップ

高速道路のサービスエリアや道の駅には必ず設置されているし、トヨタ、日産、三菱のディーラーにも設置されているので、それだけでも十分だけど、最近ではショッピングセンターやコンビニ、宿泊施設でも設置しているところがずいぶん増えました。

完全電気自動車の日産リーフを買って遠出したとしても、すでに電池切れを全く心配しなくても良いレベルになっています。
プリウスPHVの場合は、基本はガソリン自動車なのでさらに何の心配もないです。
ガソリンで走った場合も37.2km/Lとトップクラスの低燃費。50/55に比べて車両重量は150kgほど重くなっているのに、50/55と変わらない燃費。
すばらしい!

バッテリーチャージモードを使えば、ハイブリッド走行中に電力を使い切ってしまい外部充電ができないできない場合でも、EV走行(電池走行)が必要な場所まで事前に充電して、再びEV走行ができるようになります。

ソーラーパネルからも走行電池に充電。電源の外部供給もできる。

 
メーカーオプションでルーフにソーラーパネルを取り付けることができます。
先代のPHVにもオプションでソーラーパネルは付けられましたが、遠隔でエアコンを動かすくらいしか出来ませんでした。

今回はパネル面積が2倍になり、走行用電池に充電できるようになりました。最大充電量は6.1km/日、平均では2.9km/日となっています。一日ひなたに駐車しておいた場合の充電量です。微々たるもののような気がしますが、青空駐車ならば年間で1,000km走れるくらいの電力が充電できちゃいます。
これって凄くないですか? 実益はともかくとして、ただ停めておくだけで1,000kmも走れるだけのエネルギーが蓄えられるってなんか夢がありますよね。
万が一ガス欠&電池ゼロになったとしても、2日くらい日なたに放置しておけば、ガソリンスタンドまたは電気スタンドくらいまでは自走できるようになります。
ガソリンも電池もゼロになるなんて事態にはまずならないだろうけど、それでも安心感はありますよね。

このプリウスPHVは大容量電池を積んでいるので、車内で100V家電を使えるし、ヴィークルパワーコネクターというのを接続すると写真2枚目のように車外でも100V電源として使えます。最大電力は1500Wです。
外部給電モードにはエンジンをかけずに電池だけで給電するEV給電モードと、初めは電池のみで給電して電気残量が規定値を下回るとエンジンがかかって給電を継続するHV給電モードがの二つがあります。
HV給電モードは停電や災害時にも威力を発揮しますね。ガソリン満タン状態から1500W継続使用で2日間程度の電気を供給できます。
まさに『走る発電所』なのです!

今や普通に搭載されるようになってきた安全性能。

衝突回避や、車線維持、車間維持など各種センサーによる安全サポート機能ももちろん搭載されています。
他メーカーでも力を入れていて標準装備されるようになってきているので、詳細は割愛しますがその辺りも万全です。

プリウスPHV(DLA-ZVW52)に試乗してみた。

と、まぁ、トヨタのサイトを見ればわかることも多いのですが、試乗してみないとわからないこともあります。
今回の試乗の目的は、トヨタのサイトを見ただけではわからない乗り心地と走行性能を確認するということです。

外装、内装ともノーマルのプリウス(ZVW-50/55)とは全然違う。

外観も実物を見ると印象が違ったりしますよね。
まず、写真を撮らせてもらいました。メンドクサイお客でごめんなさい(笑)
3代目プリウスでは、PHVも全く同じ外観でしたが、4代目はPHVは全く違うデザインになっています。
試乗車のグレードは「Sナビパッケージ」。ホワイトパールクリスタルシャインというカラーです。まぁ、簡単に言うと“白”です(笑)
実はもう一つ白いカラーが用意されていてそちらは、スーパーホワイトII。そちらの方が普通の真っ白といった色です。

160730プリウス代車01 
4代目プリウス(左のシルバー)と比べてみましょう。4代目プリウスの試乗記はこちら
まずはフロントから。ライトやエアインテーク、フォグライト周りが全然違いますね。

160730プリウス代車02 
斜め前から。
50/55は不思議な多面体のような面を組み合わせた印象のボディーでしたが、PHVの方は全体に滑らかな丸みのあるデザインです。30に近い印象に戻りました。

160730プリウス代車03 
サイドから。
50/55はサイドから見るとイマイチな感じでしたが、PHVの方はそれほど違和感なし。

160730プリウス代車05 
斜め後ろから。写真を逆側から撮っちゃったけど。
このアングルからもPHVの方がかっこいい!
50/55のデザインはフロントもリアもやはりライト周りがちょっとヘンテコなんですよね。そういうこと書くとまた怒られそうだな(笑) あくまでも私見です。

160730プリウス代車04 
後ろの印象も変わりましたね。
バックドアガラスの黄色矢印部分が膨らんでいるおもしろい形。ダブルバブルウィンドウと名付けられていて、真ん中の窪んだ部分が空気の通り道となって空力性能をアップしているらしい。

160114四代目プリウス05 
内装に関しては50/55で違和感を持った、シフトパネルとステアリングパネルの白いパーツ(黄色矢印)。これがそのまま踏襲されているという不思議。
写真ではわかりにくいですが、試乗車はダッシュボードが白っぽい内装(緑矢印)のタイプだったので多少違和感が緩和されてましたが、全体が黒の内装車でもこの白いパーツはそのまま。
なぜ、トヨタはこの白いパーツにこだわるのか謎。
黒とかグレーのパーツにした方が良いと思う。

タブレットを埋め込んだような大きな縦型ナビ。


内装で目を引くのは、11.6インチの縦型ナビゲーションシステム。
これは横型のナビよりも地図がとても見やすく使い勝手は最高でしょう。
大型タブレットが埋め込まれているような感じで、操作感も正にタブレット。
ナビとしてだけでなく、オーディオやエアコンなどの操作、車の各種情報表示など機能は多彩です。

遠出する時に威力を発揮するT-Connect。防犯対策も万全。

便利なこのナビはSグレード以外には標準装備で、T-Connectというネットワークサービスが付帯されています。常にネットワークと繋がっていて、スマートフォンを通して充電給電情報を見たり、エアコンの操作もできます。
遠隔で車の状態を確認できるので、車上荒らしや車両盗難などに対して強力な防犯性能を発揮します。
さらに24時間、ボタン一つでオペレーターに電話が繋がるので運転しながら、レストランや駐車場などを探してもらって、目的地セットまで遠隔でやってもらえます。これは便利でしょう。もちろん、緊急時にも威力を発揮します。

T-Connectは3年間は無料で、その後は12,960円/年となります。

こんな大きなナビはいらないって人は、Sグレードを選んで普通の横型のナビ(9インチまたは7インチ)を付けて、必要に応じてT-Connectの契約をすることもできます。

心地よい静粛性と、安定感と爽快感のある走り。

さて、走り始めよう。
隣に営業マンが乗り込んでいろいろ話しかけてくるので、イマイチ運転に集中できないけど。
まず、車体自体の重さもあってどっしりと重厚感があります。
走り出すとモーター走行ならではの静かさと、加速が快感。
EV走行時は、走行モーターの他にジェネレーターもモーターとして稼働させるデュアルモータードライブシステムを採用しているので、加速はほんとに凄いです。アクセル開度に対する反応も良くスイスイと意のままに走れる感じです。
そして50/55より静粛性がアップしていますね。EV走行時のロードノイズもかなり遮断されているし、風切り音がかなり低減されているように思います。私の30とは全然違います。
エンジンがほとんど稼働しない通常の街乗りでは、並の高級車以上の静粛性ではないでしょうか。
試乗車は15インチのタイヤですが、オプションで17インチも選べます。17インチの方がカッコイイかもしれませんが、燃費やロードノイズを考えると15インチの方が有利です


サスペンション(リアはダブルウィッシュボーン)、ハンドリングは50/55と同じだと思いますが、独自のチューニングがなされてるのかもしれません。低重心化がなされているのと相まって50/55よりコーナーでのローリングが抑えられ、より安定感がある感じです。

試乗コースにはR153から伊那インターに向かう急坂が含まれているので、そこでアクセルを踏み込みました。エンジンがかかって回転数が上がり、途端にうるさくなりました。
速度は80〜90km/h付近。ほんとはこの道でそんなにスピード出しちゃいけないんだけど(^_^;)
普段の60km以下の走行ではエンジン回転数も低いし、そもそもエンジンがかからない状況の方が多いからほんとに静かです。高速走行の場合はスピードが出ていて仮にエンジンがかかったとしても、低回転なので静粛さは保たれるでしょう。
うるさくなるのはエンジン回転数の上がる峠道やパワーモードを使う時かな。
普段が静かなだけに、エンジン回転数が上がるとうるさく感じちゃうのかも。

全体的には、50/55に比べて高級車のような静粛性があり、どっしりとした安定感と乗り心地も良いです。そして、デュアルモーターの加速は圧倒的でスイスイ走れて爽快。
50/55の進化版と言っても良い車だと思います。

トヨタが18年間開発し続けてきた成果。

このプリウスPHV、価格は税抜で3020,000円〜です。
高いことは高いですが、それだけの価値はある車だと思います。トヨタのフラッグシップカーだけのことはあります。
以前はメーカーのフラッグシップカーは、大排気量の高級車でしたが(今でもそういうメーカーはありますが)トヨタはエコカーにシフトしました。
そして単に低燃費だというだけでなく、製造工程も含めた環境負荷まで考えているところが、すばらしい。もちろん商売上のイメージ戦略ということもあるでしょうが、実際にメーカーとしての姿勢を打ち出して実戦しているのがすごい。

トヨタが初代プリウス発売から18年。
着実に、いや劇的に進化をしていますね。トヨタが手がけてきたハイブリッド車の方向性は間違っていませんでした。そしてすでに販売されている燃料電池車MIRAIの進化にも期待したいと思います。

あれ、またトヨタの回し者みたいな感じになってるな(笑)
私はトヨタの単なる1ユーザーで、それ以上の利害関係はありませんよ、念のため。
トヨタの技術は凄いと思うけど、実のところデザイン面ではあんまり好きじゃないです。もっとかっこいい車を作って欲しいとエールを送っておきます。
ホンダも同様、技術は凄いと思うけど、デザインにもっと力を入れて欲しい。

敢えて言うと、このところ私はマツダ贔屓かな。
デザインも良いけど、技術的にもデミオに積んでる1.5Lのディーゼルエンジンは凄いと思うし、RX-9でロータリーエンジン復活の噂もあるし、熱いメーカーだと思います。
あ、ジムニーを作っているスズキも応援していますよ、もちろん(^_^)

スポンサーリンク
リコプテラをフォローする
魚ココロあれば水ココロあり

コメント

  1. おはようございます。
    そうなんだ、遂にプリウスが旗艦車になったんですね。
    トヨタが未来に描く車の集大成なんでしょう。
    外部エネルギーに頼り切るんじゃなくて、自力になるエンジンも積んでいる所がトヨタらしくていいですね。
    燃料電池も良いですが、自動運転の深化を高齢化社会に大いに期待しています。

    • マンボウさん、こんばんは。
      プリウスPHVは、これからの進化は電池の性能アップとソーラーパネルの効率アップが鍵になると思いますが、夢のある車だと思います(^_^)
      そうなんですよね、完全電気自動車じゃなくて、ガソリンエンジンも積んでいるところにトヨタ流の安心感があります。
      自動運転は技術的にはいい線まで来ていると思いますが、法的な問題も含めて早期に実用化され、事故減少になるといいですよね。ほんとにこれからの社会に求められる課題ですね。

  2. 日進月歩で車社会も随分進歩しましたね
    老人の車事故が多発し社会問題に成ってますが
    自動運転できる車も出来て素晴らしい技術には頭が下がります
    とても乗り換えは出来ませんがどこまで便利に成るか注目してます。

    • 釣お爺さん、こんにちは。
      燃費ひとつとってみても、ここ20年くらいでかなり進歩しましたね。
      このところエコカーの開発と並行して、安全性能についても各メーカーとも力を入れていますね。
      いろんなセンサーを付けて、自動運転もそろそろ実用化レベルまできているようですし、ロボットのような車が誕生するかもしれませんね。

  3. おはようございます。
    トヨタのフラッグシップは今やプリウスになりましたか!そう言えば高級車はレクサスですし、クラウンやマークXは影が薄くなりましたね。初代PHVはノーマルそっくりの外観と値段の高さで売れなかったようですが、今度のはカッコイイですし売れそうですね!
    買わないんですか?(笑)

    • 七流釣師さん、こんにちは。
      トヨタ自動車が販売している車の半分はハイブリッドになりましたね。その開発の先頭を走っているのがプリウスPHVだと思います。
      新型は、ノーマルのプリウスとの価格差に見合うだけの乗り心地や走行性能のアップをして、さらに内外装も専用のものになりましたね。トヨタの本気度がうかがえます。
      お金がないので買えませんが(笑)注目の車です。

  4. ボクは新しいものが現れると、まず眉に唾を付ける頑固者なので振り向かないタイプの車なのですが、メーカーの姿勢には素直に凄いなと感嘆します。
    実際にボクもトヨタ車に乗ってますしね。(笑)

    • kuniさん、こんばんは。
      あれ、kuniさんそんな頑固者でしたっけ(笑)
      トヨタの描いている自動車の未来像、そして技術は凄いなと思います。
      家電は最近怪しくなってきましたが、トヨタだけでなく他のメーカーも含めて、日本の自動車メーカーは今でも世界に誇れる物作りをしていると思います。
      20年後の自動車がどうなっているのか楽しみです(^_^)