チタンの弱点を克服|EPIgas ATSチタンクッカーTYPE-2M

先日のウルイ川釣行の時に新しく登場したクッカーがありました。
アルミクッカーの金属臭(金属味)問題から始まったクッカー選びの長い旅(笑)
いよいよ最終章に近づいてきました。
イオン溶出しにくいというチタンの長所と、熱伝導率が低いという欠点を底面にアルミを溶射して改善した注目の製品。

チタンの弱点を改善した軽量高耐久クッカー

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ATSチタンクッカーTYPE-2M

  • サイズ:本体/H80×Φ150mm 1350ml フタ/H30×Φ160mm 550ml
  • 重量:本体/122g フタ/80g
  • 付属品:ナイロンケース
  • 希望小売価格:5,900円(税別)

ATSチタンクッカーTYPE-2S

  • サイズ:本体/H70×Φ130mm 800ml フタ/H28×Φ138mm 380ml
  • 重量:本体/90g フタ/62g
  • 付属品 ナイロンケース
  • 希望小売価格:5,100円(税別)

ATSシリーズにはこれらの他にも深型のTYPE-3のMとLがあります。

 
EPI gas ATSチタンクッカーTYPE-2M。ヤフオクで未使用品をお安く購入。
パッケージの上にでかでかと印刷されている不思議な模様は、熱伝導の良さをアピールした赤外線写真。
鍋とフライパン兼用の蓋、ナイロンの収納袋のセットです。

このクッカーの肝、ATS加工の威力とは

金属臭問題とおすすめクッカーの記事にも詳しく書きましたが、ATSについてもう一度。

チタンクッカーの欠点は熱伝導率の低さです。それはつまり焦げ付きやすいということです。
その欠点は補うために鍋底にアルミを吹き付けたのがこのATSシリーズ。
(画像はEPIサイトより)
右のチタンクッカーの画像を見ればわかる通り、火が当たっている部分しか熱くなっていません。チタンクッカーで米をうまく炊くのは難しいと言われるのがわかりますね。
米は、鍋全体が過熱されて米が踊るように対流しないとうまく炊くことはできません。
左画像はATS仕様。熱の広がり方が明らかに違いますね。

EPIgasというメーカーは、REVO-3700 STOVEガスストーブ選びの記事参照)の安定した炎を実現する独自のS.F.P.M.ヘッドやマイクロアジャスト機構など、独自の技術を持っていますね。このアルミ溶射のチタンクッカーも独自のものですね。

 
目盛りが打刻されています。これは内側からも見えるところは良いのですが、内側から読める向きに打刻されてた方がいいんじゃないの?(snow peak パーソナルクッカーはちゃんとそうなってます)。まぁ大きな問題じゃないけど。

 
そしてこの製品の肝、鍋底面のATS加工。触ってみるとかなりザラザラしてます。これがアルミニウムを溶射してある部分ですね。
写真2枚目はフタ。フタの方はATS加工がされていません。

そのサイズが、スタッキングにやや難ありか。

 
取っ手はパーソナルクッカーと同じ作りで、鍋の側面にぴったり折りたためるタイプ。
フタも同じタイプのハンドルです。
パーソナルクッカーのフタは縦に折りたたむタイプ(写真2枚目)なんですが、それよりも強度はありますね。サイズもパーソナルクッカーの大フライパンよりも一回り大きくて、これなら山フライパンがなくても、炒め物がしやすそうなサイズ。
熱伝導率の低いチタンクッカー(ATS加工なし)で、炒め物がちゃんとできるかどうかは別問題だけど。

 
モンベルのアルパインクッカー 16より少し小さいの中に入れてみました。
鍋はピタッと入るんですが、ATSクッカーのフタができません。
写真2枚目はフタを載せてみたところ。この形でなんらかの収納袋に入れれば持ち歩けないこともないけど、このフタはなしで、アルパインクッカーのフタをして持っていくのが現実的。
ところで、ここで一つ重要な注意が。
ATS加工はザラザラしているので、この状態だとアルパインクッカーの鍋底内側を傷つけて、ハードアノダイズド加工が台無しになってしまいます。
他のクッカーに入れる場合は、キッチンペーパーなどを必ず挟むようにする必要があります。

 
今度はATSクッカーの中にsnow peakのアルミパーソナルクッカーを入れてみました。
大小セットでピッタリと収まるんですが、大のフタをすると少し浮きます。
写真1枚目は小のフタだけした状態です。これにATSクッカーのフタができれば良いんだけど、フタの高さがちょっと足りなくてフタが浮きます。
こちらもパーソナルクッカーのフタを外してスタッキングか。

写真2枚目は、パーソナルクッカーの小鍋を入れてその中に250サイズガス缶を入れた状態。これでも残念ながらATSクッカーのフタが浮いちゃいます。ガス缶だけ入れても同様。
他メーカーとのスタッキングは考えていないだろうからそれは仕方ないとして、ガス缶が入る高さに設計して欲しかった。そこがちょっと残念。

 
基本的にはもう一回り小さいTYPE-2Sをスタッキングするのが良さそうですね。そして、その中にはガス缶じゃなくて食材を入れるとか。
鮮度を保ちたい食材を熱伝導率の低いチタンクッカーの中に入れるというのは理に適っていそう。
チタンクッカーは持ってみるとホントに軽いです。以前にも書いた通り(詳しくはこちら)、実はチタンはアルミより比重は大きいのですが、強度があってとても薄く加工できるので、同じサイズの製品ならアルミより軽いのです。

ハンドルは、後端部が少し下に曲げられていて(写真2枚目)重くても握りやすくなっています。この辺りには細かい気遣いがありますね。


収納袋に入れた状態。前述の通り、鍋底がザラザラしているので収納袋は必須です。
何回も使っていると、この袋自体がボロボロになりそうな気もする。
ATS加工のザラザラ、あれって滑らかな状態にできないのかな。できるならすでにやってるか。溶射という加工法だとザラザラになるのかな。
あのザラザラは大根やわさびをおろすのに使えそう。それはいいかも(笑)

炊飯は及第点。メンテナンスが簡単なチタン。


先日のランチクッキングの時に炊きこみご飯を炊いたのが今回のATSクッカー。
隣の味噌汁はアルミクッカー。
この写真でも、クッカーの薄さが全然違うのがわかりますね。

 
先日炊きこみご飯を炊いてみたんですが(調理の様子はこちら)、少し底が焦げました。
アルミクッカーだと炊きあがり直前になると少し焦げるような匂いがして、そこで火を止めればオコゲができて良い感じに仕上がるんですが、ATS加工とは言えチタンクッカーの場合はやはり火の当たっている部分のみ焦げ付きが強くなるような感じです。
底面の熱伝導率は改善されていても、側面の熱の伝わり方が悪いから炊きあがりに時間がかかるからかもしれません。

まぁ大きな問題はないレベルですが、このクッカーでの炊飯については、今後もいろいろ試してみます。

持ち帰ったクッカー、焦げ問題より大きな問題が一つ。
釣行記にも書きましたが、落ち葉が重なる大岩の上で両足がズルッとすべって、ズダーンっと派手に尻もちついたんですよね。
背中に30Lザックを背負っていたんで、それがクッションになって尻もちという状態になりましたが、ザックがなかったら背中を強打、最悪は頭を打っていたかもしれません。
滑りやすい場所で両足揃えて立つのは危険ですね。今後気を付けます。


背中に入っていたATSクッカーは初使用でこんな姿に(>_<)
使用上は問題ないけど、チタンクッカーがこんなにへこむとは、ほんとに危なかった。
このクッカーを見る度に自戒することにします。おーコワ。
アルミ溶射は橋桁や船底のコーティングにも使われる技術らしく、強度抜群で剥がれたりはしないようですね。

チタンクッカーの焦げ付きは簡単に落とせる。


本題に戻って焦げ付き部分、キッチン用スポンジでいくらこすっても焦げ付きが残っているので、アルミクッカーの煤落としと同じように酢を使ってみようか。チタンは腐食に強いから重曹もいけるだろうけど。
調べてみると、メラミンスポンジを使っても全く問題ないそうなので、それほどひどい焦げ付きじゃないので、まずメラミンスポンジだけでやってみよう。

 
メラミンスポンジって茶渋とか落とせるこんな感じのやつね。
これで少し力を入れて擦ってみよう。


簡単にピカピカになりました!
仮にもっと強烈に焦げ付いた場合も、酢や重曹が使えるので心配なさそう。

チタンという金属はとても個性的で魅力的。

チタンクッカーは確かに焦げ付きやすいけど、その強度のおかげで焦げ付きを落としやすいという面もありますね。
そして、チタンは金属臭(金属味)が全くしないのは私としてはとてもうれしい点。

フッ素樹脂加工製品の場合は、焦げ付きにくいけど、焦げ付いちゃったら終わり。
それと、家庭用のフッ素樹脂加工フライパンを使っているとわかると思いますが、丁寧に扱っていても繰り返し使っているとどうしても徐々に焦げ付くようになってきちゃうんですよね。
私は割と使用頻度が高いので、フッ素樹脂加工製品をメインクッカーにしない理由は耐久性に対する不安からです。
フッ素樹脂加工の山フライパンはとても重宝していますが、使用頻度は高くないのである程度長く使えると思いますが、そちらで耐久性を検証したいと思います。

ATS加工をされたこのクッカーでもアルミクッカーに比べるとご飯を炊くにはちょっと気を遣う必要があるので、これが普通のチタンクッカーだとかなり工夫をしなければいけないことは想像できます。

チタンという金属は良くも悪くもとても個性的な特徴を持っていますね。
お気に入りのガスストーブマイクロマックスウルトラライトの五徳部分にも使われていますが、焼けた時のあのブルーがかった玉虫色。
バイクに乗っていた頃にチタンマフラーの焼き色に憧れていたせいもあるかもしれませんが、その色がカッコ良くて好きです。

『チタンの弱点を克服|EPIgas ATSチタンクッカーTYPE-2M』へのコメント

  1. 名前:幻の渓流師 投稿日:2017/05/11(木) 20:06:30 ID:bdf2d5125 返信

    クッカーの損傷で事なきを得て怪我の軽減は良かったですね。
    自分も登山靴で苔むした川際の岩に立ち水に落ちたことが有り以来渓流シューズでしか近寄りません。(笑)
    分かっている人ほど危ない場合もありますのでお互いに気を付けましょう。
    チタンが一番いいと自分も一つあります。

    • 名前:リコプテラ 投稿日:2017/05/11(木) 23:33:20 ID:76f8b5dc6 返信

      幻の渓流師さん、こんばんは。
      背中のザックに入れたクッカーが衝撃を吸収してくれたようで、尻もちはつきましたが、幸運にも全く怪我をしませんでした。
      ザックなしでこの転び方だと危なかったと思います。ありがとうございます、本当に気を付けなければと思いました。
      チタンは軽くて丈夫なところが良いですよね(^_^)

  2. 名前:マンボウ 投稿日:2017/05/11(木) 23:00:12 ID:6084f704e 返信

    こんばんは。
    チタンと言えばスペースチタニューム。
    スペースチタニュームと言えば、ネモ船長のノーチラス号。
    幼い娘と観ていた「ふしぎの海のナディア」は楽しい思い出です。
    宇宙戦艦を護るスペースチタニュウムならぬ、チタニュウムクッカーが転んだ衝撃を変形して吸収してくれたんですね。

    • 名前:リコプテラ 投稿日:2017/05/11(木) 23:39:00 ID:76f8b5dc6 返信

      マンボウさん、こんばんは。
      以前にも確か「ふしぎの海のナディア」のスペースチタニュームのお話を伺いましたね。やはりTSUTAYAで借りて観てみよう(笑)
      チタンは丈夫ですね。両足とも一気にズルッと滑ったので、全体重が背中にかかりましたが、少しへこんだだけで衝撃を吸収してくれて、おかげで怪我をしませんでした。
      背中にザックがなかったらと思うとゾッとします。
      枯葉の上は気を付けなければ、と改めて思いました。