スポンサーリンク
スポンサーリンク

ランディングネットを編む|その4…ネットを編む

ランディングネット作り
この記事は約18分で読めます。

前回網を編み始めるのかと思ったらなんとアバリを作り始めてしまったという、少しアホかもしれない私(笑)
やっとのことでネット編み編に入ることができました。めでたし、めでたし。
などとのんきなことを言っている場合ではなく、正直とても苦労しました。そして、途中で大きなミスを犯しました。が、なんとか実用になるものはできたし、ネット編みの全貌は掴めたので書きたいと思います。
クレモナ糸を染めるところからの経緯はこちらですよ。

ランディングネットを編む|その2…ネット編みテスト
以前に書いた通りランディングネットが一箇所破れてしまったので自分で編んでみようと思い、まずクレモナ糸を買って染めてみました。 クレモナ糸の染色は想像よりもうまくいったので喜んでいたんですが、一箇所破れたネットも使用上は特に問題ないので、それ...
ランディングネットを編む|その3…アバリを作る
ランディングネットの糸が一箇所切れてしまったことから始まり、ランディングネットを自分で編もうと考え、それならクレモナ糸を自分で好きな色に染めてみようということになり、そこから編むのは教書に従おうとは思ったけれど、それがなんだかわかりにくくて...

 


フライフィッシングギアのハンドクラフト教書アマゾンで見る
この教本とAkasaka Woodworksさんのサイト、両方を参考にさせてもらって進めることにします。両者には相違点がいくつかあります。

ランディングネットを編む|その4…ネットを編む

写真は全てクリックすると拡大表示されるので、適宜拡大して見て下さい。

 
当初はこの市販の樹脂製アバリで編もうと思ったけど、糸を巻いたらぶくぶく太ってとてもこれじゃ無理だろうということで、先日竹のものさしから自作したアバリ。
これにクレモナ糸を巻き直します。

自作アバリにクレモナ糸を巻き直してスタート。

 
一旦ほどいたクレモナ糸。絡まらないように重ねておかないと後で大変なことになります。
自作アバリに巻き直したところ。これならいける?

 
コマ板は角を丸くして置いた方が良いとkuniさんが教えてくれたので、素直に従います。
こんな感じに角をとってみました。30mm幅と14mm幅です。
それから、Akasakaさんがタイイングバイスの脚にフライラインの輪を掛けて編んでいくのを紹介されていたので、そんな感じでやってみます。

 
ダイナキングのバイスを分解しようと思ったら、六角レンチが2.5mmでも3mmでも合わない微妙なサイズだった。なんだよ、このサイズ。アメリカ独自規格?
今まで分解したことなかったけど、これも一度メンテナンスしておいた方がいいな。
まぁ、今回はフライラインの輪が通せれば良いので、このまま進めます。

 
最初は染めてないクレモナ糸で本目結びで結んでいきます。これは後で切ってしまうことになります。糸量少ないので、アバリは樹脂のものでもOK。

 
本目結びと蛙又結びの手順を再度掲載しておきます。

いきなり蛙又結びでつまづく。

 
30mmのコマ板を使って本目結びでどんどん編みます。
ここはアバリは太いものでも大丈夫。19個結び目を作ります。網目は18個になりますね。

 
コマ板を外すとこんな感じ。
ここから自作アバリと染めたクレモナ糸で進めます。

 
14mmのコマ板でここも本目結びで編んでいきます。

 
ずれちゃったら、この目打ちというやつを結び目に差し込んで結びを緩めてやり直し。
目打ちは百均で売っていますよ。

 
こんな感じに一通り編むと17個の目ができます。

 
初めは左側に両方あったアバリが一通り編むと一つは右に移動しますね。当然だけど。
ここからフライラインの取り付け部を裏返して、さっき編んだアバリでまた左から右に編みます。つまりしばらくは一つのアバリだけを使うことになります。
テスト編みの時は裏返さずに右側から折り返して編みました。もちろんそれでも構わないですが、結び方の手順が逆になると間違いやすくなるので、左から右へ一方向で行編んだ方が良いと思います。
ここからは蛙又結びで進めます。コマ板を当てて、下から糸を掬って・・・

 
ここで、早くも問題発生!
この二本を裏側から拾わなきゃいけないんですよね。
つまりここにアバリが通らなきゃいけない。14mmしか幅がないところに、15mmのアバリを通す。どう考えても無理だよね、これ。


コマ板が14mmなので、網目はその倍寸の28mmになる予定。
Aの箇所を左手の親指で押さえて網目のサイズを合わせて、右から左へとBとCの糸の裏側を通さなくちゃいけない。Cの左の隙間は14mmしかないんだから、やっぱり15mmのアバリで厚みや糸を含めたらもっと太いし、これは絶対無理。だよね?

 
無理だとわかったら、さっさとやり直し。白い糸を切って引っぱって外します。

 
外しにくかったら目打ちを差し込んで緩めます。
染めた糸は結び目だったところに癖は付いてるけど、問題なく再利用できます。

 
いったんアバリからクレモナ糸を外し、アバリの側面を削ってさらに細くします。
そしてふんわり巻いてあったクレモナ糸を今度はきっちり巻き直して、さらに今回は網目を少し広くすべくコマ板を16mmに変更。これならイケるか?

あれ、でもテスト編みをした時は、樹脂製の15mm幅のアバリで問題なく編み進めそうだったぞ。
どういうことだろう??

 
そうか、まず目を拾って位置合わせした後のアバリを通す位置が、蛙又結びと本目結びでは違うからだ。
写真一枚目が蛙又結び。写真2枚目が本目結び。本目結びはコマ板の倍寸の目にそのまま通せば良いから余裕があるんだ。


蛙又結びの場合は、狭いAの部分を通さなきゃだけど、本目結びは広いBの部分を通せるということ。

例の教本では、全部本目結びでいくように書かれていたのはそのせいだな。
ところで、Akasakaさんが書かれているように本当に蛙又結びでいけるんだろうか。仮に14mmのコマ板を使うとしたら、アバリは10〜11mmくらいじゃないと無理じゃないだろうか。

Akasakaさんから購入するものがあったのでそのついでに、Akasakaさんで売っているステンレスアバリのサイズを聞いてみたら、1.5×11.5×400mmとのこと。やはりかなり細くて薄いアバリ。このサイズなら確かにいけると思う。
が、しかし、私のアバリ記事を見ていただいて「作成された15mm幅の網針なら15mmのコマでも問題なくいけると思いますという返答ももらってしまいました。

え!?
15mmのコマ板で15mm幅のアバリを使って蛙又結びできます??
いや、強引にやろうと思えば、最初にコマ板をしっかり押さえずに、裏側を一回りさせてから、位置合わせして締め込んでいけば可能は可能だけど、恐ろしく作業効率が落ちると思うし・・・??

コマ板幅と同じ幅のアバリで蛙又結びで編んでいけるという人がいたら、ぜひ、やり方を教えて下さい。
ともかく今回は教本に従って本目結びで全部やることにします。その方が悩まなくて良いので。

★2018.2.10追記:
北のヒデさんからコメントいただいて、同じ幅のコマ板とアバリで蛙又結びをするにはやはり上記した通り、最初にコマ板をしっかり押さえずに裏側を一回りさせ、それから位置合わせして締め込んでいくらしい。これは、相当の根気と忍耐力がないと無理かも。

全体を本目結びで編んでいく方針に変更。


フライラインをループにしたところを引っぱりながら結んでいくと、なんか端の方の白い糸が長くなって揃わなくなっているような・・・このままいくとどんどんずれてこない?
コマ板が直線的なだけに、真っ直ぐな棒みたいなものに結び目を作って行った方が良くないかな?

 
いいものがあった。タイイングバイスのボビンハンガー(赤矢印)。
これ、ちょうど良いじゃないの。
よし、これにさっきと同様に白いクレモナ糸を本目結びで結んでいきます。

 
できたけど、これちょっと引っぱると結び目がずれちゃうよ。
金属棒の滑りが良過ぎて結び目がずれちゃうんだ(>_<)
だめだな、これも。

やっぱりフライラインを張って編むのが良いか。

 
結局、テスト編みの時に使ったボックスにフライラインを張る方式で。
真ん中に穴を開け直して、ラインを貼りました。この位置がやりやすいです。
まぁ、このボックスは応急的に使っているので、次回までには木材をU字型にしてもっと省スペースで使い勝手の良いものを作ろう。

30mmコマ板を使い、白いクレモナ糸で19個の結び目(18個の網目)を作ったところ。本目結びね。ここまで何回同じ事を繰り返しているんでしょう(苦笑)

 
染めた糸で左から右へ一通り編んだところ。17目できているはずです。
一通り編んだら、写真2枚目の赤矢印のようにボックスごと左右を回転させて、また同じアバリで左から右へと編んでいきます。

 
16mmのコマ板で進めちゃったけど、本目結びなら14mmでも余裕だったな。
二通り目を編み終わると、両方のアバリが右側にきます(黄色矢印)。
また箱をひっくり返して同じアバリで左から右に編みます。これを繰り返していきます。


一番端の目はこんな感じに直線的になっていて大丈夫ですよ。

 
ちょっと広げてみると網らしくなってきてるじゃない。
良く見ると網目が歪んでるところがあるけど、今回はまぁ大目に見て下さい(笑)
最初、フライラインに結んだ白い糸の結び目は少しずつ間隔開けた方が良いかと思ったけど、くっつけた状態にした方が誤差が少なくなりそう。

とんでもない凡ミスに気づかずにそのまま作業を続行。

 
私のネットフレームには34個の穴があるので、17目×17段編むことになります。
この状態でとりあえず約半分の9段まで編みます。

ここで、私は最大の失敗をしました!
ボックスを左右ひっくり返しながら、左から右に9通り編めば9段だと思っていたら、なんと1往復してやっと1段という数え方が正解だった。つまり9往復しなきゃいけなかったのです(T_T)

これはまずい、現在17目×4.5段しか無い状態。
でも、私はそのことにこの時点では気づいていないので、ここで半分が終わったと思い込んで次の工程へ移ってしまったのです。

ただ、ここから最終的には実用的には問題ないネットになったので、とりあえずここはスルーしてこのまま進めます。皆さんがやる場合は、ちゃんと9往復編んで下さい。

 
最初の白い糸をはさみでザクザク切っちゃいます。
そして、白い糸を引っぱって外します。外しにくかったら目打ちを差し込んで緩めます。
この作業もデジャブのように繰り返してますが(^_^;)

 
今度はさっき編み終わった段をフライラインに掛けて、今まで休んでいた方のアバリで右から左に編んでいきます。
右まで編んだら先ほどと同様に箱を左右ひっくり返して、また左から右に編むのを繰り返します。

 
両方のアバリ合わせて17通り編んだのでこれで17段できていると勘違いしている状態(笑)
実はこれは9段しかない状態。あと8段足りませんが、ここでもまだ気づかず次の工程へ移ってしまう私。なんか写真見ても、このくらいでランディングネットの底の大きさになりそうじゃない。そう見えない?
ともかく、9段の場合も正しい17段の場合も底面を編み終わると同じ側からアバリが出ている状態になります(写真2枚目)。

ここで17目17段編んだと仮定して、底面は完成!

私はどうして底面の段数を間違えたのか。


段をどうして間違えたかというと、目は左から右にちゃんと17数えたんだけど、そこから段を編んで行くのに、左から右へ1通り編んだら「1段」だと思い込んでいたから。
結果、上図の赤数字のように数えて17段ってね(笑)


実際には縦に数える時はこういう風に数えなくちゃいけない。
17段編んだつもりでも、実際にはこの通り9段なのです。


ちゃんと全部を編んだ状態はこうなるはずです。
画面の関係で90度回転させてありますが、実際には左端を上にした状態で編み上がっていることになります。

まぁ、私は9段しかないものを17目17段だと信じ込んでいるのでこのまま作業を続行。
大丈夫かね?

ここからは、バイスの脚に編んだ目の適当な場所をかけて移動させながら編むので、やはり邪魔な部分を外さないと。
あ、そう言えば、このバイス買った時に六角レンチ付いてような気がする・・・
押し入れの中から箱発見!

 
あった!
これは普通の六角レンチだと思っていたけど、特殊サイズだったとは。
とっておいて良かった。

 
無事に分解。

三角目が鍵となる側面編み。

 
こんな感じにテンションがうまくかかる位置に差し替えながら、編んでいきます。
写真2枚目の赤矢印は、センター位置の目印に白い糸を結んだところです。

ここから下図のような手順で編んでいきます。スマホだとちょっと見にくいかも。
PCで下図をクリックすると別ウインドウが開いて鮮明な状態で見られます。

  ↑側面編み手順解説図↑

編み始めは下辺の両端に三角目を作るところから始めて、2本のアバリで内側に編んでぶつかるところで折り返し外側へ編んでいき、上端の両隅(1と17のところ)に三角目を作ってアバリがぶつかるところまで編みます。三角目はこの4つ作るだけです。以降の編みは普通に菱形の頂点を拾いながらぐるぐる編んでいくだけです。
9の位置がセンターですが、左か右に一つずらして、8と9の間、または9と10の間で両方の糸を結びます。
あとは、そこからまた折り返し反対側でぶつかるところまで編み、また折り返し、というのを繰り返して必要な深さになるまで側面を編みます。
折り返す位置はどこでも問題ないですが、最初に白い糸を目印に結んだ辺りで折り返します。

 
底面から立体的に側面を立ち上げるのに必要なのが三角目です。
ここを三角にすることで立体的に立ち上がって側面を円筒状に編んでいけるようになります。コマ板を使わずにまず左隅に三角の目を作って結びます。ここも結び方は本目結びOK。
そして同様に右隅にも三角目を作ります(写真2枚目)。A=B=Cとなる正三角形に作れば良いです。
ここから内側へ隣の菱形の目の頂点を拾ってセンター付近まで編んでいくだけです。
実際に編む時は、底編みと同様に左から右に編んで裏返し、また左端に三角目を作ってアバリがぶつかる手前まで編むという手順です。

 
両側の三角目のところからセンターへ編んでくるとアバリがぶつかり、写真2枚目の状態になります。

 
アバリがぶつかったところは、写真1枚目のように糸を絡めて隣の目と大きさを合わせ、写真2枚目のように右側の糸で蛙又結びの要領で裏側を通してから締め込みます。
ここはコマ板を使わないので、15mm幅のアバリで蛙又結びが可能です。


こんな感じになりますね。

 
あとは菱形の頂点を拾いながら本目結びでどんどん進めます。三角目も普通に頂点を拾って編みます。あとは、上記「側面編み手順解説図」の通り、上端にも三角目を作りその先でアバリがぶつかったらまた折り返し、を繰り返します。

 
ぐるっと8周編んだ状態。底面の段数の数え方で言うと4段ってことかな。
写真1枚目の赤矢印のところに三角目があります。
写真2枚目は三角目付近のアップ。ぽっこり膨らんだ状態になります。
この三角目のおかげで網が立体的に立ち上がり、側面部が底と一繋がりで編めます。

深さを確認して、必要なだけ側面(周囲)を編む。

 
カラー針金をランディングネットの形に曲げて、ちょっとネットを取り付けて深さ確認してみよう。

 
そんなに深くする必要ないから、このくらいでいいんじゃないの。これにまだフレーム取り付け部の二重編みがつくことだし。
写真2枚目は、いままで付いていた網。クレモナ糸自体が劣化してきていて縮れてるので水に浸けて広がればもっと深くなるけど。この穴の開いた網も補修して、このまま染め直そうと思ったけど、どうしようかな。
底面の段数が少ないことを考慮して、少し深めにあと2周編んで10周にしよう。底面の段数の数え方で言うと5段ってことかな。


一応これで、サイズ的には完了。
底面の四隅に三角目を作るだけで、あとは自然にこんな丸い形の網になります。

 
二つ折りにするとランディングネットっぽい形にになるね。
例の針金をもう一度通してみてチェック。結構深くなったよ。まぁ、普通のランディングネットくらいの感じ。

ここから二つの目を一つに合わせて目の数を減らし、網取り付け部分を二重編みにしたら完成です。あと少し。がんばれ。

二つの目を一つに合わせて68目を34目に。二重糸で編む。

 
アバリがぶつかる最後の部分は、ここに目を作るのと同時に右隣の目と一つに合わせます。
右隣の目を上から下に掬います。

 
コマ板は使わず、右隣の目と大きさを合わせて押さえます。

 
そして今度は下から上に拾ってしめます。
つまり、横向きに本目結びを作るってことですね。

 
アバリを2本合わせて持ち、右に一つと飛ばした目を上から下に拾い、続けてさっき一つ飛ばした目を同様に拾います。
あ、そうそう、写真2枚目のように2本の糸を最初にコマ板の下をくぐらせておいて下さい。
ここは30mmのコマ板を使います。

 
本目結びの要領で、2本合わせた状態のままコマ板で位置合わせ。
1本の糸を使って、本目結びの要領で締め込みます。
ここはもっと細いアバリであれば、本当は蛙又結びの要領で結んだ方が良いかもしれないです。その場合も、締め込みは1本の糸のみで行います。

 
こんな感じに二つの目を一つに合わせながらぐるっと一周編みます。

ここまできてやっとミスに気づき、強引なリカバリー(笑)

この二重編みを途中までやった段階で、念のため残りの目を数えようと思いたち(遅いよ!)、そこで目の数が足りないことが発覚!
血の気が引きました、ほんとに。

でも、どうして目の数が足りないのかサッパリわからず、よーく教書を見たみたらなんと段の数え方を間違えていたという信じられない凡ミス(>_<)

いくらなんでも、ここから底の部分まで糸を解いていくのは無理だ・・・一巻の終わり・・・
残りのクレモナ糸はテストに使って長さが足りないし、これはクレモナ糸の染色からもう一度やり直すしかないのか・・・

いや、待てよ。
ちゃんと段数間違えずに編んだとしても68目を半分の34目に減らしてフレームに取り付けるわけだよね。間違えた状態でも、今現在周囲の目は52目ある。
ということは、変則的に目を減らして34目にすればフレームに取り付けられるハズ。
よし、それでいこう!


上図の赤印のところの目を合わせずに一つずつ拾って他は二つを一つに目減らししていけば、34目になる。これでいこう。

 
ぐるっと二重編みの最初の目のところまで編んだらこの形になります。
2本のアバリの糸を15cmくらい残して切ります。

 
二重編みの最初の目に目打ちを差し込んで緩めます。
そこの2本の糸の片方を差し込み隣の目と大きさを合わせます。

 
もう一本の糸と固結びにして締め込みます。ここはちょっと結び目が大きくなるし難しいですが、どんな結び方でも固定できれば問題ないです。
この部分以外は全部一筆で編んでるので強度は抜群ですが、ここだけは糸が切れていて緩みがちになると思うので、瞬間接着材を垂らして固定します。


網が完成しました!
目印にしていた白いクレモナ糸がまだ結ばれたままですが。
ふー、疲れたよー。
私の場合結局、底面が17目×9段という長方形状になっているので、長辺をフレームの前後(長い方)に合わせて取り付けるとこにします。

よく考えたら、ランディングネットって細長い形してるから底を正方形に編む必要ないんじゃないの、縦長で良いような気がする。と自分に都合の良いように解釈しておこう(笑)

渓流用のネットを編むのに必要なクレモナ糸の長さ

ランディングネットを編むのに一番困ったのが、渓流用のネットを編むのに必要な糸の量が教書に書かれていないことでした。
今回、網目の数を間違えちゃいましたが、必要な糸量はわかりました。
下記クレモナ糸3号の場合です。

今回の底面段数の少ない網(17目9段、側面10周)、16mmのコマ板を使った場合の使用糸量は、長さ41m45cm。重さにして14g。
同じ16mmのコマ板を使い、34穴のフレームに取り付けるネットの場合、17目17段、側面10周のネットを編むのに必要な糸量は、長さ約64m、重さ約22gということになります。

仮に14mmのコマ板なら約58m、約20gでしょう。
※両方のアバリに1mくらいは余裕が必要だし、少し余裕をもった長さを巻いておいた方が安心です。
コマ板を小さくすればその分、網の深さも浅くなりますが、14mmコマで側面10周くらいがいいかなと思います。16mmだと側面10周もいらないかも。まぁ、超大物を掬うなら深い方がいいですけどね。

ランディングネットを編んでいく時の注意点。

1. とにかく焦らずゆっくりと編む。
教本には34穴のネットを編むのに2日間と書かれていますが、少なくとも初めて編む場合は絶対に無理です。
一日一段くらいのつもりでゆっくり編むのが良いです。
一日空いていたとしても、朝から晩までやるのはおすすめしません。途中で疲れてきて雑になったりミスしたりしますから。とにかく最初からもの凄く時間がかかるものだと思って、少しずつ進めるのが良いです。

2. 本目結びはうっかりミスをしやすい。

 
結び方の図を見ると「こんな単純なの間違えるの?」って感じですが、やってみると本目結びはうっかりミスを犯しやすい結び方です。「上から下に通して下から上に通して締める」、この単純作業がミスを招きます。そして上から下、上から下と間違えた拾い方をしてしまっても、コマ板があるとそこで結ばれているように見えちゃうんですよ。
で、ずっと進んでから後で気付くという恐ろしさ。この場所も10目くらい解いて結び直しました。そんなことが3回くらいありました。ただ単に私の集中力が足りないだけかもしれないけど(笑)

しっかり結ぶと目打ちを刺して解いていくのがもの凄く大変です。編むより解く方が何倍も大変。とにかく、落ち着いて間違えないように編むことです。

本目結びと蛙又結び、どちらが良いのか。

わかりやすいように不要になったフライラインで再現してみます。
写真は適宜クリックして拡大して見て下さい。

(1)本目結び

 
コマ板を当てて、菱形の頂点を上から下に目を拾います。
ここでコマ板に位置を合わせ、左親指でしっかり固定。この時点で糸がかかっている所は菱形の頂点(センター位置)です。

 
今度は同じ目を下から上に拾います。最初に押さえたセンターの右側にくるっと巻く形になるので、微妙にセンターずれることになりますよね。
本目結びの場合はこの時点で左親指を一旦離して、微妙に調整してから引き締めた方が良いです。


本目結びのできあがり。

(2)蛙又結び

 
コマ板を当てて、菱形の頂点を下から上に拾います。この時点では本目結びと同様に菱形の頂点(センター位置)に糸がかかっています。
ここから蛙又結びは二本の糸の裏側を通ってそのまま引き締めるので、センター位置がずれません。

 
左指で押さえたまま(写真でわかりやすくするために親指を少し下げてますが)、締め込んでいけます。
蛙又結びの方が手間をかけずにきれいに結んでいけます。

本目結びと蛙又結びの強度。

 
本目結びでしっかり結んだクレモナ糸。
赤矢印の二本を思いっきり引っぱってみます。結びの構造を見てもわかりますが、強い力が加わると白い糸がずれます。
ただ、ネットに編んだ場合1本に強い力が加わることはないので、本目結びでも通常は問題になることはないと思われます。


一方蛙又結びは、簡単な結びに見えるけど同様に引っぱっても全く滑りません。
ただ、蛙又結びでしっかり結んじゃうと、目打ちを差し込むのももの凄く苦労して解くのはとても大変なので、くれぐれも編み間違いしないように。

上記の通り、編んでいくときに網目がずれにくくて編みやすい、しかも編んだ後の強度もある蛙又結びの方がランディングネットの編み方としては適していると思います。
ただし、それはコマ板よりかなり細いアバリを使える場合に限ります。15mmのコマ板であれば、11〜12mmくらいの幅のアバリが必要だと思われます。

私は、次回編むのに向けて11mm幅くらいのアバリを自作してみたいと思います。うまく加工できるかはやってみないとわからないですが、うまくできたら今度は蛙又結びで一筆編みをやってみます。
クレモナ糸をまた別の色で染めるところから始めるので、まだだいぶ先になると思いますが。

ネット編みまとめ

  1. クレモナ糸の編み方
    渓流用ネットは、14mmのコマ板を使って長さ30cm×幅11mm程度のアバリを使って蛙又結びで編むのがベスト。幅の狭いアバリが用意できない場合は、本目結びなら無理なく編める。
  2. クレモナ糸の必要量
    17目17段、側面10周のネットを14mmコマ板で編むのに必要なクレモナ糸の長さは約58m(重さ20g…クレモナ3号の場合)です。
    ※両方のアバリに1mくらいは余裕が必要だし、少し余裕をもった長さを巻いておいた方が安心です。

ネット編みは、これからも何回もやると思うので、その都度わかったことや改良した点を追記します。

あとは、ネットをフレームに取り付けるだけです。
それは特に難しいことはないですが、恐ろしく長編になってしまったので、次回にします。
・・・つづく

スポンサーリンク
リコプテラをフォローする
魚ココロあれば水ココロあり

コメント

  1. 一筆編みでという縛りがあると余計に難易度が上がるでしょうね。
    ボクはたまたま大昔のフライフィッシャー誌で紹介されていた方法で編んだのですが、ここに紹介されていたのが途中で足りなくなったら糸を継ぐように指示されていたので、その方法だと比較的編みやすかったです。
    意外と継いだ部分も出来上がってしまうと、ほぼ目立たなくなるしボク自身は問題は感じない編み方でしたよ。

    • kuniさん、こんばんは。
      そうなんですよね、一筆編みなのがことを難しくしています(^_^;)
      糸を継ぎ足す方法が教書に紹介されていればそれに従ったと思うんですが、たまたま教書が一筆編みだったので仕方なく。
      でも今回とりあえず編んでみて、蛙又結びなら継いでもしっかり結べそうなので今後は臨機応変に継いでいく編み方もやってみたいです(^_^)

  2. こんばんは。
    凄いですね、緻密な計算と、飽きることのない根気。
    ここまで出来ればホントに、南海の無人島に漂着しても網を編んで漁をして生きてけそうです。
    次回の完成写真、楽しみにしています。

    • マンボウさん、こんばんは。
      緻密な計算の割りには、単純な網目の数を間違えているという(^_^;)
      この前のコメント返信にも書きましたが、私はロビンソンクルーソーや十五少年漂流記の世界にどこか憧れているところがあるので、そのうち無人島暮らしをするかもしれません(笑)
      ありがとうございます。フレームには無事に取り付けられたので、今日アップします。

  3. くだんのレンチは見つかったようで、安心しました。

    はい、アメリカ製品とイギリス製品はメートル基準じゃないものがあります。
     特に自動車は両方のネジ類が混在してるので、工具を使う際は気をつけましょうネ。
    あのアメリカ製の良い工具を退職時に買いたかったけど、超お高いなです。
     かの国(大英帝国)はヤード・ポンド法のおおもとですし、始まりはその国の植民地だった米国ですから。-ボストンティーパーティですナ、だから紅茶よりコーヒーが主になったのかも???。

     なんでフランスあたりがつくって、国際基準になったメートル法を使うんだと思ってるのかも。
     ま、尺貫法のネジがあるんだと思ってくださいな。
    岩魚のサイズ測る時、尺貫法は使うでしょ。土地・家だと○○坪だし。
     ヤらしいのはカネ尺と鯨尺で1尺が違うのですけど。

    • FFfreakさん、こんばんは。
      この六角レンチ、危うく捨てるところでしたよ(^_^;)
      インチサイズなんですかね、これ。12インチが1フィートで、3フィートが1ヤードって十進法に慣れているとサッパリ意味がわかりません(笑)
      メール法はフランス発祥なんですか。なるほどー。
      曲尺と鯨尺では1尺の長さが違う? いろいろ勉強になります。ありがとうございます。
      長さの方はまだしも、重さの方は「貫」も「ポンド」も全くピンときません(>_<)

  4. おはようございます。
    なかなかの根性ですね、調べて研究して仕上げてしまうなんて感心します、買えば済むものですが、釣り道具を考え考え自作する、まさに家に居ながら釣りを楽しむ、私も常々言っている事にも合致して本当にうれしいです、釣り師とはこうでなくちゃなんて生意気な事を言ってしまいますが勘弁してください。

    • ハックル70さん、こんばんは。
      ズクと根性だけが取り柄でございます(笑)
      いやいや、ハックルさんが作られる玉網枠や魚籠に比べたら足元にも及びませんよ。
      ボビンホルダーやウィップフィニッシャーまで自作されるのは、驚嘆の一言。
      おっしゃる通り、私もあれこれ思いを巡らせながら毛鉤を巻いたり、釣り道具を作ったりする時間そのものも「釣り」の一部だと思っています。
      今後もハックルさんを見習って、いろんなものを手作りして楽しみたいと思っています(^_^)

  5. こんにちは。
    完成おめでとうございます。
    11mmのアバリと11mmのコマで編んでますよ(^_^)v恐ろしく作業効率の悪い方法で!でも慣れるとそれほど苦にはなりません。とはいえ1日2時間、2段編むのが精神的にも限界ですが。
    一番最初の本目結びのところは、私は割り箸をテーブルバイスに固定して糸がズレないよう瞬間接着剤で固定してやりました。輪っかだと非常にやりずらかった。

    • 北のヒデさん、こんばんは。
      ありがとうございます! 北のヒデさんから見たらダメダメな仕上がりだと思いますが大目にみて下さい(笑)
      やはり同じ幅のコマ板とアバリで編むには、例の効率悪い方法しかないんでしょうか(>_<) でも、それで編んでいくとは、相当な根気と忍耐力をお持ちですね。1日2時間で2段、うーん、私にそれが耐えられるかどうか・・・ 最初のところはやはりループだとやりにくですよねぇ。実際にやってみた人ならわかりますよね。 なるほど、割り箸に瞬間接着材固定ですか。それならズレなくていい! いろいろ教えていただきありがとうございます。 今後もアドバイスいただけるとうれしいです(^_^)

  6. トラウト用の渋いネット3万超えてたりするじゃないですか、高いなとか思っていたけど自分で作ること考えたら安いもんですよね。売る側からしたらもっとい欲しいくらいでしょうね。

    • Nori1022さん、こんにちは。
      そうなんですよ、渓流用の小さいネットでも結構なお値段。本流サイズだとさらに高価になりますよね。
      今回は初めてだったのでネット編みだけで必要以上に手間がかかりましたが、例え慣れてきたとしても、ネットを編んでフレームも作って売る仕事とか、割りに合わなすぎる(>_<) 趣味ならいくら時間かけようが、時給計算しなくて良いですが(笑)