少し前から、ランディングネットの糸が1箇所切れちゃっていて、クレモナ糸は入手してあったんですが、やっとそれを染めてみました。
クレモナ糸を染めるのには、糸の段階で染めてから編む方法と、編んでから染める方法があります。
今回はより完成度が高いであろう、編む前に染める方法でいきます。ちょっとめんどくさそうだけど(笑)
クレモナ糸を自分の好きな色に染めてみる。
クレモナ糸3号(アマゾンで見る)
・20/9 100g巻(0.75mm×300m)
かせくり器って何?
この糸を解いてもっと大きい輪に巻いていく必要があるんだよね。かせくり器というこんな道具があるらしい。なんだかヘンテコな名前だけど、毛糸とかを解いていくのに使うみたい。
何だろう「かせくり」って? まぁいいや。
かせくり器(楽天で見る・アマゾンで見る)
これを買ってもそんなに頻繁に使わないしなぁ。なんかぐるぐる巻ければいいんでしょ、基本的に。
30cm径のザルがあるのでそれに巻くことにしよう(笑)
クレモナ糸の先端をザルにガムテープで固定。写真では内側しか留めてませんが、写真2枚目の赤矢印のところ外側も留めた方が巻きやすいです。
テーブルなどの角に箸を1本ガムテープなどで固定(別に箸じゃなくても棒ならなんでも良いです)。ガムテープって塗装が剥がれたりするので、張る場所には注意。
クレモナ糸の芯を箸に刺します。
クレモナ糸を引っぱると抜け落ちそうになるので、先端を洗濯バサミで固定。
あとは、くるくるとザルの縁付近に糸を巻き付けていきます。上の方に巻くと径が小さくなるのでなるべく縁付近に重ねるように巻きます。
教書があるので心強いけど、肝心な点が抜けている。
フライフィッシングギアのハンドクラフト教書(アマゾンで見る)
今回はこの本に従って編むつもりなんですが、クレモナ糸の染め方は書いてありません。
まぁ、染めるのは良いとしても、この本ではネットフレームに34個穴の開いた渓流サイズのネットを取り上げているんだけど、肝心な糸の必要な長さが書いてないんですよ。困っちゃうなぁ。
ネット検索しても、どうもはっきりしない。
渓流ネットなら50mくらいで足りると書いている人もいるけど・・・
糸は300mあるんですが、今回はとりあえず100m染めてみたいと思います。
ザルの1周が約95cmなので、105回まくと100mくらいになります。
意外と問題なく巻けます。これでいいじゃん。
とにかく、糸をこんがらがらせないように。これ、最大限に重要。
106回巻きました。そこで糸をカット。
両端にはわかりやすくガムテープを貼っておきました。
(後で気付きましたが、染色中にテープが取れちゃうので、スポンジとかフォーム材とか浮く素材を細く切ってそれに結びつけておくのが良いです)
こんがらがらないように、そぉーっと取り外すとこんな感じ。いいんじゃないの。
ところで「こんがらがる」または「こんがらかる」って正しい日本語なのだろうか。私は糸が絡まるという意味や、考えがぐちゃぐちゃになるという意味で使ってるけど。
とにかく、この糸、こんがらがらないようにすることに最大の注意を払った方が良い。釣り糸が絡まって苦労するというのを何度も味わっている私は、これが絡まると大変なことになると経験的に察知(笑)
4箇所をビニールタイ(中心に細い針金の入ったコードとか留めるやつね)で軽く留めておきました。とにかく両端を絡ませないように注意。
豊富なカラー、ダイロンマルチで好きな色に染めよう!
染料はダイロンマルチ(楽天で見る・アマゾンで見る)というのを使います。衣類を染めるときに使うやつです。
今回購入したのは、15番のパープルと34番のグリーン。パッケージ裏面に説明書が折りたたんで貼り付けられています(写真2枚目黄色矢印)。
ちょっと破いちゃったけど説明書を熟読。
こんなちょっとの量(5g)で、Tシャツ2枚分を染められるらしい。今回はグリーンで染めてみます。
ともかく、説明書通り準備開始。
説明書では6リットルのお湯を沸かして、染料5gを使って、Tシャツ2枚分ということだけど、糸の量が少ないから半分の量でやってみます。6リットルとなるとお湯を沸かすだけでも大変だから。
少し前に購入したデジタルスケール(楽天で見る・アマゾンで見る)。
普通のキッチン用の計りだと1g単位でしか計れないけど、これなら1/100gまで計れます。
小さな容器を乗せて0リセットしてから、2.5gを計ります。0.01gオーバーしてるけど(笑)
この粉、茶色をしてるけどほんとに緑色になるのかな。
染料の他に塩を入れるとムラなく染まるよ。
染料2.5gの他に塩15gを用意。これは説明書に書いてはなかったけど、衣類を染める時には塩を使った方がしっかり染まるらしいです。
大きな鍋に3リットルのお湯を沸かし80℃にします。
6リットルとは別の鍋に250ccのお湯を沸かして80℃にします。
(後で気付いたけど、別の鍋でお湯を沸かさなくても3.25リットルお湯を沸かして250cc取り出せばOK)
それを小さいステンレスボウルに入れて、染料と塩を加えて泡立て器で良くかき混ぜ溶かします。この行程、写真撮り忘れちゃった。まぁ、最初に少ないお湯で溶かすってことです。
プラスチックのボウルだと色がついて取れなくなるので要注意。
ここから、ベランダで作業することにします。
3リットルのお湯を30cm径のステンレスボウルに入れて、先ほど溶かした染料を注いで良くかき混ぜます。ポリバケツでも大丈夫ですが、やはり色が付いて取れなくなると思います。
溶かした溶液は濃い緑色をしてます。良かった、緑色だ(笑)
クレモナ糸をそぉーっと、入れます。ここでも注意しなきゃいけないのは、こんがらがらないようにすること。全体を浸します。
ちなみに衣類を染める時は必ず中性洗剤で洗濯して、汚れやノリ、柔軟剤を取り除いて濡れたまま浸けるということになっています。
クレモナ糸も水で洗って濡れた状態にしておいた方が良いのかな。今回は乾いた状態で浸けましたが。
説明書ではゴム手袋をして20分間もみ洗いするように良く混ぜることになっています。ゴム手袋だけでは熱くてとても無理なので、軍手をしてからゴム手袋をはめると良いです。
揉むといっても、あんまりいじると糸が絡みそうなので注意しながら少しだけやっときました。
写真2枚目は、最初に染料と塩を溶かした小さなボウル。ステンレスでも色が付きますね。メラミンスポンジで擦ればきれいになります。
ビニールタイで留めた部分に要注意。
20分揉んだ後に20分浸け置きします。途中で時々かき混ぜるとムラ無く仕上がるそうです。
途中でちょっと持ち上げて染まり具合をチェック。
ここで問題発覚!(写真2枚目) ビニールタイで留めていた内側の辺りががうまく染まっていません(赤矢印)。これはマズイ。
ビニールタイを少しずらして糸をばらすようにしてよく揉んでみました。なんとか染まってきたかな。最初に浸けて揉む段階で少しずつずらしながら揉んだ方が良いですね。
ビニールタイは軽く留めてあっただけなので、染料がしみ込んで染まるだろうと思っていたけど、束ねたところは意外と中まで浸透しないんだ。
これからすると、やはりクレモナ糸を先に編んでから染めるのはあまりよくないね。結び目付近が綺麗に染まらないと思う。
20分経ったら(染め始めからは40分)、クレモナ糸を取り出してすすぎます。
水を取り替えて10回すすぎます。ここでも絡ませないように注意。
先端のガムテープが取れちゃったので、丸めたガムテープに直接結んでいます。クレモナ糸の両端はスポンジとかフォーム材とか浮く素材を細く切って結びつけておくと良いと思います。
水に色が出なくなったらOK。しっかりすすがないとムラになります。
説明書では脱水してから陰干しって書いてありますが、間違ってもこれを脱水機にかけてはいけません。間違いなくこんがらがるでしょう(笑)
軽く絞って陰干しにします。良い色に染まっていそう。
できましたー!
気温の高い日だったので、半日ですっかり乾きました。
想像よりもきれいにムラなく染まりました。あんな真っ白な糸がこんなに綺麗に染まるなんて、ちょっと感動しちゃった。
染めるのって楽しいね。なんだか病みつきになりそう。パープルでも染めてみたいし、もっと他の色でもやってみたいな。
最初から綺麗に染めてあるクレモナ糸を使うのもいいですよ。
今回は自分で染めてみましたが、そんなめんどくさいことせずに、染めてあるクレモナ糸が欲しいよ、って方はこちらをどうぞ。
クレモナ糸3号(楽天で見る・アマゾンで見る)
お手頃なフライラインやランディングネットを紹介した、にしきたトレーディングさん(river peakさん)の製品です。これで深さ30cm、目深38までのネット一つ分です。
色は3色から選べます。どれも良い色ですね。
次の工程、「編み」はのんびりやることにします。
染め上がった糸をアバリに巻き付けちゃおうかと思ったけど、2本のアバリに両端から巻き付けていくのでやはりおよその必要な長さがわからないと・・・100m全部は巻けないと思うんだよね。
仕方ないから、とりあえずまたボウルに巻き付けておくことにします。
輪になった糸がくっつき気味になってるので、ほぐしながら慎重に巻きます。
糸が少なくなってくると輪が乱れて絡まりそうになるけど、基本的に両端さえ押さえてあれば解けるはず。全量をまたボウルに巻きました。
巻き数を数えたら100巻き、最初の106巻きから6巻き分(5、6m)短くなってるけど、そんなに縮む? 数え間違えたかもしれないけど、ある程度は縮むと思う。
ここからは、必要なクレモナ糸の量を調べてから先に進みます。網の目の数からおよその数値が計算で出せるかもしれないし。そもそもこのアバリで必要な量が巻けるのかどうかも定かじゃないし、網目を計るためのコマ板も作らなきゃだし。
せっかくきれいに染まったクレモナ糸を無駄にしないようにのんびりやります。
タイトルは「ランディングネットを編む」になってるけど、続きの「編む」編はもう少し先になりそうなので、気長にお待ち下さい(^_^)
★後日追記:
染めたクレモナ糸を使ってテスト編みをしてみました。詳しくはこちら。
コメント
編んでから染めるのは、ご想像の通り止めたほうが良いです。
使っている内に結び目がずれることがありますが、その時にずれたところが真っ白で見た目がよろしくない・・・
そして染めると、かなり糸が縮みます。
恐らく巻き数の数え間違いはないと思います。
ボクは最初から草木染めでクレモナ糸を染めたので、余計に『染め』の作業にハマリました。
いや・・・どハマリしました。^^;
止めたほうがいいですよ、草木染め。
リコプテラさんの性格上、危険だ。(笑)
書き忘れましたが、ネット1枚分全てのクレモナ糸を編針に巻くと、相当な太さになって編むのが相当やりにくくなりますよ。
ボクは幅1cm程度の小さな編針を使って、途中何度か糸を継いで編みます。
出来上がると継ぎ目は、まず目立たないので作業のし易さを重視すると、その方がベターでしょう。
網目の菱形の一辺よりも太い編針は、かなり編む時にストレスを感じます。
勿論できないことはないので・・・ま、それも慣れでしょうが。
kuniさん、再びこんばんは。
なるほど。確かに全部巻こうとするとかなり大きなアバリじゃないと無理だし、そうなるとアバリの幅が大きくなっちゃうし・・・と思ってました。
もろもろ検討してみます。
アドバイス、ありがとうございます!
kuniさん、こんばんは。
やはり編んでから染めると結び目周辺がきれいに染まらないんですね。良かったぁ。
なるほど、染めると糸はかなり縮むものなんですね。
草木染め? 新たな魅力的なワードが登場しました(笑)
ほんとに危険そうなので、当分聞かなかったことにしておきます。
でも、いつかやっちゃうと思います。もの凄く好きな分野の予感(爆)
ある程度編むと楽しくなってくるのですが編み始めるまでが・・・
ボクも2年放置の本塗装とネット編みやらなきゃ(笑)
いわなたろうさん、こんばんは。
わかります。こういう地道な作業って、始めるまでが時間かかるんですよね(笑)
そして、始めてからも最初のうちは慣れないのでかなり時間がかかると思われます。
編み終わり頃になってやっと慣れてきたりして。まぁ、一枚目は練習のつもりでゆっくりやってみます。
本塗装というと、フレームの手作りでしょうか。うーん、ランディングネット製作だけで一生の趣味になりそう(^_^)
色々と挑戦されてますね(^^) いつかやってみたいですが不器用な私には無理そうです。 染料は参考になりました。別目的で買ってみようかと思います。
Kさん、こんばんは。
いろんなことを広く浅くやっております(笑)
いろんなことに手を出しているので器用そうに見られることが多いですが、実はどちらかというとそんな器用な方じゃないです。
大変そうな「編み」はこれからですが、私ができればKさんも問題なくできると思います(^_^)
別目的とは、衣料を染めるんですかね。このダイロンマルチという染料、説明書通りやればきれいに染まると思いますが、本文に書いた通り別途塩を加えるとよりきれいに染まるそうです。
器用なものですね糸を染めてネットまで作るとは
なかなか出来ませんよ、せいぜいフライの羽を染める
ぐらいでここまでは出来ません従兄の店で髪の毛を染める染粉
貰ってやる程度です。
参考に成りました、有難う。
釣りお爺さん、こんばんは。
私は釣りお爺さんに比べると、それほど器用じゃないんですよ。
フライフィッシングをやっている人の中には結構ネットを染めている人がいるので、参考にしながらなんとか進めていこうと思います。
髪用の染料もいいかもしれませんね。
まだ先ですが、この糸を使って編んでみますので、またご覧下さい(^_^)
自作だとネットの深さとか調節できるので良いですね。
Nori1022さん、こんばんは。
そうなんですよね、一から自分でやれば色も深さも自分の好みにできるところが一番良い点ですよね。
労力を考えると編み上がったネットを買った方が安上がりかもしれませんが、染色は楽しいし、編む作業もたぶん私の好きなジャンルのような気がします。
途中でイライラする展開も予想されますが、楽しみながらのんびりやってみます(^_^)
こんばんは。
ネットを編むだけで無くて、染までやってしまうとは立派ですね。
定着液なしで染まる便利な物が出ているようで、面白いです。
マンボウさん、こんばんは。
最初は染めてあるクレモナ糸を買って編もうかとも思いましたが、染めはそれほど大変じゃなさそうだったので試しにやってみました。
これが、想像以上にきれいに染まってちょっと感動しました。
この染料は定着液は必要ないですが、上でkuniさんが書かれているような草木染めの場合はきっと必要なんでしょうね。
草木染めに興味が向かいつつあって、危険な状態な私です(笑)
おはようございます。
カセクリ機は今は傘のように広げるものですが、古いものは木の枠で機織りをしていた本家に沢山ありました、使わなくなってからは亡くなった人が出た場合枕もとのローソク立てにも使いましたね、私は山野草をやっていたときに山野草の鉢の置台に使ってなんとなく古いものの感じが出て良かったです、要するにコンガラカラないようにするためですから、ザルでも良かったのでは、フライの場合は鍼がバーブレスですからいいですね、アユタモにしても渓流タモにしても、手すきの網目の細かさで値段が決まるほど高価ですね、タモの枠は沢山ありますが替え網が高くて作れませんよ(笑)
ハックルさん、こんばんは。
木製のカセクリ機、映像では見たことがあるような気がします。
もしかしたら、実家の蔵の中にあるかな。
亡くなった人の枕元のローソク立てや山野草の鉢の置き台ですか。いろいろ使い道があったんですねぇ。
今回ザルでも問題なかったですが、たくさん染めるようになったらカセクリ機みたいなのを考えてみようと思います。
おっしゃる通り、クレモナ糸のネットはカエシのある鉤だと絡んだときに大変です。手すきの替え網、検索してみましたが高いですねー!