9月12日は収穫はニンギョウタケのみという惨憺たる結果に終わり、今年のキノコは絶望的だとうなだれていましたが、9月20日に少し雨が降り、翌21日はほぼ一日中雨が降ったのでその翌日9月22日の早朝から山へ向かってみました。
前回から10日経ったとは言え、あのカラカラ状態ではほとんど期待できないけどパトロールに出かけます。昨日まとまった雨が降ったところで、1日でキノコがどっさり出てくるなんてこともまぁないですね。
山の神様からの贈り物|2023年秋 第2回キノコパトロール
大雨の後の山を歩く
前回と同じ山へ向かうので、MTBで林道を上ります。
山は少しずつ秋の気配をまといつつありますね。
前回より下の方にMTBを置いて、前回歩かなかった区間もキノコを探しがてら歩いて上ってみます。
昨年はその辺りでサクラシメジを採っているので、出ているのかどうか確かめたくて。
サクラシメジの代わりにこんなの生えてましたが、これが何者か不明だけど、まぁ食べられないやつです。
昨年と同じシラカバの倒木にはツノシメジ(食不適)が生えていました。
ツノシメジは食毒不明扱いになっていますがネット上で食べて美味しかったという人が何人かいたので、一昨年ちょっと食べてみたんですよね。確かに体に異常をきたすようなことをなかったですが、
嫌な臭いがして美味くないのでもう二度と採りません。見た目は可愛いんですけどね。
雨が少なくても腐生菌(朽ち木などから生えるキノコ)は例年通り出てくるのかな。
前回と同じ場所のニンギョウタケ。大きくなって茶色っぽくなると食べるのには適しません。
食べ頃のものがあっても今日は採るつもりはありませんが。
昨日はまとまった雨が降ったので、山全体が湿っています。
滑りやすいので注意しながら登って行きます。山の中はまだ薄暗いです。
雨の前に来たかった、局所的なアミタケ祭り。
お、アミタケ発見! 少しは採れるのか?
そう思いながら、右に左に蛇行しながら登って行くと、アミタケの群落出現。
この10日間の間にごそっと生えてきたらしく、かなり大きくなったものが多いので昨日の雨に打たれて傘が傷んで黒ずんでしまっています。比較的幼菌のものは傘がしっかりしているので大丈夫なんですが。
良さそうなものだけ選びながら採取。良さそうなものは3割くらいしかないですね。
そうか、全然雨が降らないからキノコも出てこないだろうと思っていたけど、アミタケはおそらく前回の4、5日後にはもう出てきていたんだ。雨に打たれる前にここへ来ていれば、極上品がたくさん採れたのに…残念。まぁ、その辺がキノコ狩りの難しさですね。
アミタケの幼菌に生えている赤っぽい幼菌、オウギタケです。
オウギタケはアミタケの菌糸にに寄生するので、アミタケの近くにほぼ必ず生えています。
一見傷んだドクベニタケ(毒)のようにも見えるこれもオウギタケです。
雨に打たれて傘の表面が剥けちゃってますね。
それから、またさっきの白いやつ。これが何であるかは、ゆっくり調べてみます。
かなりの距離を歩いて、たまにアミタケの群落に出会う程度で、他のキノコはほとんどありません。
この辺りは例年なら例の巨大なフウセンタケ、モリノフジイロタケが群生しているはずですが、今年は全く姿がありません。
この近くにはコウタケも群生しますが、果たして今年は出てくるのかどうか。
例年ならシーズン当初から終盤まで至るところで見かけるハナホウキタケ(毒)も干からびたようなのが一つ、二つある程度。
写真2枚目はオウギタケです。今日はこれもそこそこありますね。
山頂近くなって、またアミタケの群落にぶつかります。
ここのは割と状態が良いものが多いです。
きれいなアミタケが採れるとうれしい。良い物だけ選んで採ってきましたが、そこそこ腰ビクが重くなってきましたよ。
山頂近くにこんなに状態の良いものがたくさんあるとは。
前回不調だったので、きっと長老松が恵んでくれたんでしょう。
アミタケはパラパラと山全体に生えているわけではなく、局所的にどっと出ているところがいくつかあるという感じでした。
距離を歩いてその群落に出会わないと全くの空振りもあるという、当たり外れの大きい状態だと思います。
お詣りの御利益か、想定外の邂逅
ほどなくして長老赤松にご挨拶。今日はアミタケをありがとうございます!
数年前まではこの赤松の周りでマツタケが採れましたが、掘り起こされて荒らされてしまってここ数年はダメです。そもそも、アカマツがあまり太くなるとマツタケも出なくなるということもあります。マツタケがよく出るアカマツの太さは30〜50cmくらいです。
ここにはキノコは何も見当たらないし、さて、山を下りますか。
と、その時、
あっ、マツタケ発見!!
地中の菌糸網を壊さないように丁寧に掘ってマツタケを抜き取り、掘った跡の穴はまた丁寧に埋めておくのが大事。
小さいけど、今シーズンの初マツタケ採れましたー!
これでお吸い物くらいはできるね。
これも長老松のおかげです。ありがとうございます。
ここで、マツタケを採りたい方にちょっとしたヒントを。
マツタケはアカマツの根元に生えるイメージあると思うんですが、根元というか根が伸びた細い根に菌糸が寄生するんですよね。
だから、黄色破線のように根元から離れた場所に環を描くように生えます。
今回は3mくらい先の矢印のところに生えてました。
根元からの距離はその木の太さよって変わります。
今日はアミタケがたくさん採れて、マツタケのお土産までいただいたので、気分良く山を下りられます。
栗の季節ですね。大したもので、山に落ちた栗の中身はほとんど動物たちが食べてしまいます。
アカジコウに似たアカジコウではないキノコ
前回も登場したこのキノコ。
「アカジコウでは?」とコメントいただいていて、私も以前はこれはアカジコウの個体差の範囲内だと思っていましたが、学術上は別種のようなんですよね(これをアカジコウと呼んでいる地域はあるのかもしれません)。
写真2枚目を見ると、茎の色合いや触ると青変する(黄色矢印)特徴は同じですが、傘の質感、色合いが少し違うんですよね。茎の根元付近の赤味もアカジコウよりは強い感じだし。
前回「アシベニイグチ(毒)かも」と言った個体とはまた別種のようでもあるけど。
ここ周辺にパラパラ生えていて、この個体はアカジコウと言えばアカジコウで通用するような気も。
こっちは上の個体と違ってアカジコウの幼菌かも?
もっと大きく育てば傘の感じではっきりするんだけどな。
ところで、この写真「The キノコ」という感じがしますね。
全く虫に食われたり傷んだりしていないきれいなキノコ。最高です。
これら、輪生(輪を描くように生えること)してたので、やはり全部同種なのか。
ともかく、今日のところは保留。一本だけ採っていこう。
今までアカジコウだと思って食べていて、体に異変は一切ないですけども。
イグチ系は類似種が多くてなかなか難しいです。毒キノコも結構あるし。昔は「イグチには毒は無い」と言われてましたが、今となっては恐ろしいとしか言いようがないですね。
林道を下ってくる途中に熊のフンがありました。熊の生息域を歩いているので、別に驚きませんが。
このフンはだいぶ時間が経っていますね。
山の恵みに感謝! さて、次回以降の展望は…
本日の収穫:
アミタケ、オウギタケ、アカジコウのようなやつ、マツタケ
前回から全く雨が降らなかったのでまさかあんなにアミタケがたくさん出ているとは思いませんでした。雨で傷んでしまったものが多く、その前に行けなかったのが残念でしたが収穫としてはこれで十分です。
アミタケは茹でて3分の2くらいは塩漬けにして、残りはオウギタケと一緒にキノコ汁にしました。
例のアカジコウみたいなやつも入れて食べました。味はアカジコウと同じ。
マツタケはとりあえず冷凍保存です。
今回は運良くそこそこ採れましたが、うちの辺りでキノコがどっさり出てきているかというと、どうなんですかね。周辺の人に聞くと「全くダメだね」と言う人ばかりなんですよね。
今回の場所はかなり標高が高いので、これから、下へ降りてくるとは思うんだけど。
この先のキノコの展望は現段階では難しいところですが、例年とはキノコの出方が違うことは確かです。近々また山へ行くので何らかの報告ができるでしょう。
ただ、もうすでに「例年なら」という言い方が通用しないほど、ここ数年は気候変動が激しくなってきているような気もします。
コメント
おはようございます。
きのこ採り、以前から興味はあったのです。
母親に何十年かぶりのきのこ汁を御馳走したいなと思い立ち、今朝出勤前に20分だけ歩いてみました。
地面はカラカラ。一本も見当たらず帰ってきました。
まずは、師匠を探すことを目標とします。
今週、最後の森林組合作業があるので詳しい人は誰なのか聞いてみることにしよう。地区のマツタケ山もあると聞いたことあるし。
こちらのサイトも参考にさせていただきます。
はるさん、こんばんは。
キノコ狩りは楽しいので、ぜひやってみてください。
そうですね、キノコに詳しい人と一緒に山歩きをするのがキノコを採れるようになる近道です。
初心者にお勧めのキノコは、アミタケ、ショウゲンジ、ハナイグチの三種です。まずこれらを確実に判別できるようになってください。この三種は身近な場所で採れるし、判別も難しくないです。
ただ、キノコ狩りを始めるのには今年は向かないんですよね。それほどに、今年は大凶作なんです(涙)
おはようございます
正に、山の恵みですね。
キノコ狩りに挫折した経験者だけに、素晴らしい山果と感心します。
家族でも分かるマツタケと、我身でも分かるアミタケと言うのも印象的です。
前回キノコ狩りとは急展開の結果、おめでとうございます。
こんばんは。
アカジコウの件、そうでしょうね、リコプテラさんが私がアカジコウと呼んでいる夏キノコの大型キノコを知らない筈はないですよね、アミタケ、私も大好きなキノコです、マツタケの出来そうな大きな松林に良く出ますが、やはりそんな場所でしょうか、行って見てこないといけませんね。
kitaさん、こんばんは。
アカジコウは見た目が類似しているいくつかの種類があるようです。
アミタケはキノコ汁には欠かせませんよね。そうですね、アカマツ混じりの林でよく採れます。ただ、今回は運良くいくつかまとまっている場所に出会えましたが、上伊那地域全体的にほとんど採れていません。
このところ適度に雨が降り出したので、今後には期待していますが。
マンボウさん、こんばんは。
そうですね、一週間前には何も無かった地面から続々とキノコが出てくる様は正に「山の恵み」としか言いようがありません。
今回は運が良かったですが、地域全体としてはキノコは現段階では大凶作といった様相です。
少しずつ雨が降り出したので、今後少しは改善されると期待していますが。
リコプテラさんが最初に遭遇した白いキノコ、きっと同じヤツを昨日の釣行時に見ましたよ。
と言っても、自分の記憶の曖昧さを誰よりも理解しているので、絶対同じとは断言できませんが・・・(笑)
お松さんゲット、おめでとうございます!
キノコ詳しくなればなるほど、色々と細かな同定が難しいですね。
ま、キノコに限ったことではないけれど。
そのあたりが、動植物などの分類学に没頭する人には、堪らないのかもしれませんね。
kuniさん、こんばんは。
このタイプのキノコ、結構見かけるんですよね。ただ、「白いキノコには手を出すな」と言われるくらい、白いのは毒キノコが多いです。
今回のマツタケは正に幸運でした。ほんとに山神様が恵んでくれたんでしょう。
生物の分類、以前はこの科だったものが今は別の科になっていたりと、なかなか難しくて面白いんですよね。
確か昔はニジマスはニジマス属となっていましたが、今はサケ属ですね。
松茸ゲットおめでとうございます。なんだかサツキマス釣れたような感覚になりました(笑)
Nori1022さん、こんばんは。
うちの辺りでは今年はマツタケはもちろんキノコ全般大凶作なので、今回のマツタケは本当にラッキーでした。
もう少し大物だったら、気分的には本当にサツキマスを釣ったのに値するかもしれません(笑)
こんにちは。熊です。
写真のキノコ少し傘の質感が違うようですね。でも旨そうなキノコですね。食べて大丈夫でしたか。
まつたけゲット貴重です。昨日松茸山に行ったけど何もなしもう一年我慢です、来年まで元気でいるか分かりませんが、リコさんの今後の情報楽しみにしてます。
PS
ハックルさん復活したんですね知らなっかった。
熊さん、こんばんは。
以前はアカジコウの個体差の範囲内だと思っていて、何回か食べましたが体には全く異変はありませんでした。
今年のマツタケ大凶作の状況を見ると、本当に貴重な一本でした。このところ少しずつ雨が降っているので、アミタケやショウゲンジは少し出始めましたが、この後どうなりますか。
ハックルさん、少し前にブログを再開されたようです。体調も良くなられたようで何よりです。