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NEWロッドとNEWフライ|木曽川水系フライ&テンカラ

テンカラ釣りフライフィッシング野外調理
この記事は約9分で読めます。

先日巻いてみたミッシング・リンクというフライ。
ミッシングリンク(Missing Link)とは、日本語にすると「失われた環(繋がり)」。
生物学では、生物の進化の過程で、祖先と仮定される種と現生種の間の中間的な生物の化石が見つかっていない状態を指して使われます。
例えば、恐竜から鳥類へと進化したという仮説にはミッシングリンクがありましたが、始祖鳥が発見されたことで、爬虫類と鳥類の間の進化が証明されました。
そんなロマンを感じる名前を持つのも、私がこのフライに強く惹かれる理由の一つです。

手が込んでいて巻くのが大変なんですが、釣れるという話をよく聞くので今回いよいよ実戦投入です。久しぶりに木曽川水系に向かってみます。出かけたのは6月下旬です。

この日の前日、テレビで「木曽で森林作業者が熊に襲われた」という報道があり、その場所の映像が流れていたんですが、それがたまたま今回出かける渓流に向かう途中に通る所だったんですよね。地名を聞いて映像を見てすぐに、あーあの場所だ、と分かりました。
まぁ、車でそこを通過するだけだから問題はないですけどね。

ショートロッドと失われた環|木曽川水系 檜の森

※檜の森というのは勝手に私が付けた名前で実在する地名ではありません。

 
久しぶりにMTBでこの林道を走ります。
2日ほど前にまとまった雨が降ったので、水量は多めですね。でも、この川は濁りません。

 
林道脇のフキはまだ食べ頃だったり、アジサイは咲き始めていたり、梅雨真っ只中。

 
このちょっと変わった花は、後で調べたらオダマキの仲間のキバナノヤマオダマキ

オダマキ(苧環)ってちょっと変わった名前だけど、紡いだ麻糸を、内側を空洞にして外側を玉のようにまるく巻いたものです。それに花が似ているということで、オダマキと名付けられたそうです。
文字だけだとちょっとイメージできないですよね。こちらで写真入りで紹介されているので、興味ある方はご覧下さい。
オダマキは紫色をしているものが多いですが、これは山に自生していて黄色の花が咲く種なので、黄花の山苧環(キバナノヤマオダマキ)と名付けられました。
キバナヤマオダマキでいいような気がしますが、キバナヤマオダマキなのがちょっと面白い。

 
アザミがあったり、春先にはウルイに似ているバイケイソウ(毒)が大きくなっていたり。

 
日が昇ってくるにつれ、蝉の声が賑やかになってきました。
まだ気温はそれほど高くないけど、汗をかきつつ入渓ポイントに到着。

 
前回は水温低くてドライフライの釣りが厳しかったので、1尾釣っただけで終わったこのショートグラスロッドを今日は本格的に使ってみます。
そして、フライはもちろんミッシング・リンク。頼みますよ。
釣り開始は午前10時、気温20℃、水温12℃。

 
ユーフレックス グラスマスター GM5113-4オービス バテンキルクリックII。ラインはDT-3F、6X7.5ftリーダーに7Xフロロティペット2ft継ぎ足し。
早速、岸際の細い廊下から出ましたがフッキングせず。小さかったかな。

 
この川は陽当たりが良く、傾斜が緩いので底石に藻が付いてヌメリがあるんですが、先日の大雨で洗い流されたのか、ヌメリがほとんど無いのがありがたい。今日はサワークライマーで来ていて、現代版ワラジは忘れちゃったから助かる。


その後もピチャピチャ出るんだけど、いずれもチビらしくフッキングしません。
こんなに小さいのしかいないと厳しいな。


張り出した木の下にフライを打ち込もうと、サイドでフォルスキャストをしているうちに、ティペットが撚れてしまったのか、絡まってしまいました。
ティペット7X使っていますが、普段は撚れて絡まってしまうことはほぼ皆無なので、ちょっとイラっとします。その後も何度かティペットトラブルがありました。

思ったよりも扱いが難しいグラスのショートロッド。

まず、キャスティング開始時。
5フィート11インチのロッドにリーダー+ティペットで9.5フィートのシステムを使っているので、ロッドより約113cm長いことになります。
トップガイドから少しラインを出したところからキャスティングを開始しようと思うと、スタート時にリーダーとティペットにうまく力が伝わらずトラブル可能性があります。いつも使っている7フィート半くらいのロッドなら結び目がガイド側に入っていてもキャスティング開始できるし近距離のリーダーキャストも大丈夫なんですが、この短さだとスタート時にとても気を遣います。
ショートロッドは近距離キャストに適しているイメージがありますが、リーダーキャストをしようと思うと7フィート半くらいのロッドの方がはるかにやりやすいです。素材がグラスであるというのもさらに難易度を上げているんだと思います。
ほぼ同じ長さのキッズシックス(6ft)を持っていますが、そちらはカーボンなので今回のような難しさは特に感じずに使っていますから。
ロングキャストした時のアワセや、ラインメンディングも7フィート半のロッドに比べるとだいぶ感覚が違います。
グラスマスター GM5113-4は、面白さ楽しさはあるロッドなんですが、初心者にはお勧めできないですね。

魚が虫だと疑わずに丸呑みするフライ


ティペットトラブルを起こさないように気を遣いながらキャスティング。
この大淵では全く反応なし。魚影も見当たらず。


落ち込みからの流心脇から出ました。が、ブルッとロッドを震わせてバレてしまいました。
慣れないロッドでアワセのタイミングもちょっとずれているのか、それとも魚が小さいだけか、ともかく今のところ魚の反応はあるもののキャッチゼロ(涙)


滑滝のような激流脇の巻き返しからもチビちゃんが出てハリに触りましたが、これもフッキングせず。いよいよ怪しくなってきました。
この区間人がたくさん入っているのか、ちゃんとしたサイズが出ないです。


護岸際の廊下。ゆっくりと流れるフライ目がけて綺麗にイワナが出ました。
今度はしっかりフッキング、そして確かな手応え。それほどのサイズじゃないと思うけど、このロッドは良く曲がります。


よし、やっとキャッチできた本日の1尾目。
フライを本物の虫だと思ったのか、がぶっと丸呑みしていました。


緑に包まれた穏やかな渓相を釣り上ります。


小さな落ち込みからのヒラキ。岸から枝が倒れ込んでいる下になんとかフライを送り込むと、一発で出ました!
ロッドが弓なりにしなって楽しいです。


反射してちょっとわかりにくいですが、ヤマト系の綺麗なイワナです。


岸際の小さな巻き返し。エルクヘアカディス#14を浮かべるときました!


元気なアマゴでした。この川は最近、かなり上の方でアマゴが釣れることが多くなりました。

トマトソースのひやむぎと焼きもろこし

少し釣れ始めたので、この辺りで一息ついてお昼を食べることにします。

 
ST-350に格安CB缶をセット。
アルパインクッカー16でお湯を沸かします。

 
キウイフルーツは皮を剥いてカット。ミニトマトはヘタだけ取ります。
3層鋼フライパンで茹でて持って来たトウモロコシとコンビニ調達のソーセージを焼きます。
トウモロコシが焼けるいい匂いがします〜。

 
コンビニで買った野菜ジュースとケチャップ。うちから持って来た冷凍シーフードミックスを野菜ジュースで煮ます。

 
少しとろみがつくくらいまで煮詰めます。トマトケチャップを追加、塩コショウで味を調えます。

 
ST-350は本当に火が安定していて調理に使いやすいです。レビュー記事では、気に入らない点をいろいろ書きましたが、すり鉢状のマイクロレギュレーター火力と安定度(耐風性能)は特筆に値します。
アルパインクッカーを再び火にかけ、ひやむぎを茹でます。
茹で上がったら、洗って冷やしてシーフードトマトソースをかけたら出来上がり!

そうめんや冷やし中華など、茹でた麺を川の水で洗って冷やして食べていますが、渓流の水質汚染や食中毒防止の観点から、ベストなのは自分で水を持参する方法です。
が、さすがに重いので私は川の水を汲んで、川に直接流れ込まない地面(自然の浄水効果が発揮できそうな場所)まで持って行って麺を洗って冷やして、排水しています。
川の水で洗って冷やした後、最後はミネラルウォーターで一洗いするのが良いですね(私はそのまま食べちゃってますが笑)。


本日の渓流メシ
・ひやむぎ+シーフードトマトソース
・焼きソーセージ
・キウイフルーツ
・焼きもろこし
・食後の紅茶

いつもはそうめんやひやむぎは、普通にめんつゆで食べていますが、今回は家にあった残り物の冷凍シーフードミックスを消費するためにトマトソースにしてみました。フレッシュトマトでソースを作ればさらにうまかったと思うけど、渓流で食べるには十分な美味しさ。


ちょっとしょう油を垂らした焼きもろこしは、言うまでもない美味さ。

曇り空の下、上がらない気温と水温


さて、もう少し釣り上ろう。
13時20分、気温20℃、水温13℃。しばらく水に浸かっていると体が震えます。


落ち込み肩脇の石に囲まれた巻き返し。障害物を避けてフライを落とした瞬間にバシャッと出ました。


これもフライを丸呑みしていました。
このフライ、魚が虫だと疑わずにガブッと咥える印象があります。


大淵尻にゆらゆらしている複数の小さいイワナ。
ミッシング・リンクにピチャッと出ましたがフッキングせず。

テンカラ竿に持ち替えてさらに釣り上る

お昼前は晴れていたのに、曇ってきて気温水温それほど上がらないので、銀鼠鉤を結びます。


瀬尻の大石手前から出ました。この暴れ方は…


やっぱりアマゴでした。

 
小落ち込みからの流心脇から出ました。
背中に白点のある混血イワナ。

 
浅瀬の真ん中辺りから出たのは、小さいながらヤマトイワナ。


落ち込みからの白泡脇。フライでは手前の激流にラインを引っ張られて難しいポイントですが、テンカラなら絶好の狙い目。


これも白点が無く、ヤマトイワナと言える個体です。

お昼過ぎは日が射さず、川に浸かっていたら体の芯から冷えてきました。
もう一尾だけ釣ったら終わりにしよう。


大岩影の巻き返しから、ガツンと出ました!


最後は尾ビレの上下が鮮やかなオレンジ色に染まった綺麗なアマゴでした。

 
ちょうど林道が近い場所なので、ここで川から上がりMTBを停めた場所までてくてく歩きます。
今日は薄暗くなるまで釣ろうか、なんて思っていましたが体が冷えてしまって断念。

林道を下りながら、今日の釣りを振り返る

ミッシング・リンクの威力に驚き

サイズは20cm前後でしたが、ミッシング・リンクの威力を実感できました。視認性はそこまで良くないので、帰って来てからインジケーターとして白いCDCをプラスしたタイプも巻いてみました。
今回ミッシング・リンクを使っていてティペットが撚れてしまったのは、慣れないグラスショートロッドなのにリーダー+ティペットの全長が少し長すぎたのとティペットが細すぎたのが原因だと思われます。次回は7フィート半のカーボンメインロッドで試してみます。

グラスショートロッドは藪沢向きではない

今回使ったショートロッドは藪沢狙いに良いかな、と思っていましたが、藪下のコントロールという面では6フィートのキッズシックスの方が扱いやすいという印象です。
Sグラスのショートロッドは、藪のない超源流で大物イワナを狙うのが楽しいかな、と思います。
つまりNEWフライはメインフライとなり得るけれど、NEWロッドはメインロッドとはなり得ないということです。

渓流ではない釣りも楽しもう

7月8月は多忙になってしまったのと、この夏、渓流ではない釣りを始めてみることにしたので、そちらに力を入れる可能性もあり、8月末まであと何回渓流に行けるかわかりませんが、ミッシング・リンクは少しずつ巻きためておきたいと思います。そのくらい、このフライには威力があります。

渓流ではない釣りって何? と思った方もいるでしょう。それについては、また近々書きます。

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コメント

  1. Missing Linkのこと、NEWロッドのこと、渓流メシのこと、色々と絡んでコメントしようと思ったのに、最後の文章に全部持って行かれてコメント予定の内容忘れちゃった!!(笑)

    なになに?
    何を釣るつもりなの?
    気になって仕事もできないじゃん・・・