釣りの外道といえば、海ならクサフグやベラ、川ならウグイ(ハヤ)が代表選手ですね。
フグは素人が調理するわけにはいかないからともかく、
ウグイは不味い魚だということで嫌われていますよねー(>_<)
ウチの辺りでは、産卵期にお腹が赤くなるからアカウオと呼ばれています。
そんなウグイですが、千曲川や天竜川では『つけば漁』と言う漁が行われています。玉石で人工産卵床を作って、そこに産卵しにきたウグイを投網で獲るというもので、子持ちのウグイを塩焼きにしたりして食べるのです。今でも千曲川では盛んなようですが、天竜川ではごく一部の人がやっている程度です。
産卵期のウグイの塩焼き、千曲川はともかく天竜川の5〜6月の水質を考えると、、、ただ、私も食べたことがないので、今年一度食べて美味いのかどうか確認してみます(^_^)
一般的には美味くないと言われているウグイですが、三枚におろしてフライにしたり、内蔵を取り出して甘露煮にすれば美味く食べられます。ただし、どちらの調理法も素材そのものの味はわからなくなりそうなんですよね(>_<)
魚そのものを味を堪能したいなら、塩焼きかやはり刺身が一番。
先日、ウグイを刺身にしているブログ記事を見て、私もやってみたいと思いました。
ただし、あちらは支笏湖のウグイ。支笏湖と言えばヒメマスで有名な、日本一の透明度を誇る湖。昔、バイクで北海道ツーリングに行った時に食べたヒメマス定食はうまかったなー。塩焼きとフライと刺身がセットになっている贅沢な定食だった。もう一度食べたいな(^_^)
一方こちらは、水質にちょっと不安がある諏訪湖から流れ出す天竜川本流。大丈夫なの、これ?
魚を刺身で食べようとする場合に、心配される問題点は以下の3つでしょう。
(1)水質の問題。
生であろうが火を通そうが、有害物質で汚染されているような川の魚を食べてはいけません。
天竜川については、諏訪湖を源にしているので水質はそれほど良くありませんが、それは富栄養化によるもので有害物質に汚染されているわけではありません。もし、汚染されてるような川なら、鮎を放流して釣らせていること自体大問題だ。ということで、そこは信じることにします(^_^)
生活排水が流れ込んでいるような場所の魚は食べない方が良いですよ。
(2)雑菌の問題。
これは魚のみでなく、肉にも言えることだけど、調理過程での衛生管理をしっかりすれば大丈夫です。
まず魚を良く洗うこと、そして鱗や皮を剥がす時にまな板に雑菌が付着する可能性があるので、皮を引いた後、一旦まな板をきれいに洗った方が良いです。特に淀んだ水に棲息している鯉やナマズなどは要注意。
基本的に、火を通す場合は問題ありませんけども。
(3)寄生虫の問題。
これについては、以前に詳しく書いたのでこちらをご覧下さい。
ちゃんと理解していれば、恐れることはありません。
このところ、時折ざざ虫漁で天竜川に入っていますが、冬の天竜川は夏からは想像できないほど水がきれいなんですよね。
これなら刺身で食べても大丈夫でしょ。
いつもながら、前置きが長いゾ(笑)
さぁ、作ります。
ウグイの洗い
・ウグイ…5尾(獲れたて)
☆辛子酢味噌
・味噌…大さじ2
・みりん…大さじ2
・酢…大さじ2
・練り辛子…チューブ2cmほど
まずウグイを確保。
時間があれば釣りをするところだけど、子どもの頃を思い出して今回は網ですくって獲ります。
↑こんなテトラポットの隙間ならきっとウグイが集まっているはず。隙間に網を差し込んでガサガサやってみます。
組合員になってるので、網で獲ること自体は問題ないけど、正式には網目が12mm以上じゃないけいけないんだよね。
でも、小さいヤツはリリースするから、今回はこの網で勘弁してもらおう。
↑こんな風に隙間に網を差し込んでガサガサ。ザクザク獲れます。小さいヤツはオールリリース。刺身にできそうな24〜25cmくらいのを5尾キープ。こんなに予定通り簡単に獲れるとは。感謝感謝! とにかく寒いから早く帰ろう。
↑ウチに持って来ました。ウグイはまだ全部生きていました。この日は寒かったので、急いで帰って来ちゃったけど、現地で活け締めにしてくれば良かったな(^_^;)
エラブタの後ろ側と尾の付け根を骨までザクッとやって、流水に浸け血抜きします。私に捕まってしまって運が悪かったなー、君たち。私の血となり肉になってもらおう。
魚の基本的なおろし方は、アジの三枚おろしと同じですが、ゼイゴがない代わりに、鱗を落とす必要があります。
辛子酢味噌を作っておきます。
味噌大さじ2、みりん大さじ2、酢大さじ2、練り辛子(チューブ2cmほど)を良く混ぜ合わせます。
↑鱗を落として、きれいに洗います。イワナのようにぬるぬるしていないので、扱いやすいです。
頭を落として、内臓を取り出します。魚体の割に大きめの浮き袋。それから、胃腸の中が空っぽできれいな状態でした。これなら、内臓ごと甘露煮にしても大丈夫そう。厳寒期には餌を食べないのかな。だとしたら、釣るのはかなり難しそう。
↑卵も入っていました。3%濃度の塩水に浸けて血抜きをし、焼いて食べました。普通に美味かったです(^_^)
↑三枚におろします。中骨の部分は、骨せんべいにします。
腹骨もすき取ってこんな感じです。血合い骨は抜かなくてOK。というか、うまく抜けないと思います(^_^;)
↑皮を引きます。
このくらいのサイズの魚は、アジのおろし方でも紹介したように、頭側から包丁の背を使って皮を引く方法の方がやりやすいかも。
皮を引いたら身を洗ってペーパータオルで水分を拭き取ります。包丁、まな板も一旦きれいに洗います。
↑薄作りにします。通常は皮側を上にして、写真のように頭側から切っていきますが、細かい血合い骨を残したまま刺身にする場合、逆に尾の側から斜めに包丁を入れていった方が骨が細かく切れて良いと思います。
このままちょっと食べてみます。美味いじゃないか!
遠くでうっすら泥臭さを感じるかな。食べたことのある刺身で言うとボラに似ている。美味いな(^_^)
↑今回は洗いにするので、ザルに広げて熱湯を回しかけます。
素早く氷水に浸けて洗い、身を締めます。
↑水から上げ、パーパータオルで水気を拭き取ります。皿に盛って辛子酢味噌を添えたら完成!
一口食べてみると、うまーい!!
洗いにすると、先ほどうっすら感じた泥臭さが消えました。鯉の洗いと全く遜色ない味。期待以上に美味い!
実家で両親と弟に提供したところ、最初は「これほんとに刺身で食べて大丈夫なの?」とためらっていましたが、最終的にはパクパク食べてました(笑)
寒バヤ、気に入りました! 毎年冬には食べることにしよう。寒バヤ釣りもやってみたいし。
“洗い”という調理法は魚の臭みを消してくれるようです。油で揚げるのと違って、素材の味も生きているところが良いです。
皆さんもぜひお試しを、、、といつもなら言うところだけど、今回はいろんな点で難易度が高いので、お勧めはしないでおこう(笑)
〆ウグイ、塩焼き、甘露煮、フライ、燻製なども好評です。 こちらをご覧下さい。
ウグイ料理ベスト10はこちら。
★後日追記:
ワカサギ料理も10種類になったので載せました。
おお、とうとう来ますか!
適切に運搬できて、清潔に調理できて、目視で確認すれば、上流寄りで採取した個体ならまず問題ないと思いますね~。
洗いなら尚更。
楽しみにしております♪