昨年末に書いた通り、12月から天竜川で時々ざざ虫漁をやってます。
四つ手網を持って、足で川底の石をガサガサやるとザザムシ(クロカワムシやカワゲラ)が捕れるんですが、たまに違う生き物も網に入ります。
最近減ってきてるような気がする、ヨシノボリ。
と思ったら、実はチチブだった。
前はもっとたくさんいた気がするけど、今年は何匹か行き会っただけ。
こいつは真っ黒でかなり大きかったので、最初カジカかと思った。あれ?これ現地ではヨシノボリだと思ったけど、こうやって写真見るとカジカにも見えるな。これどっち?
確かヨシノボリは腹びれが吸盤状になっているはず。体に点々模様があるから(写真をクリックして拡大してみて下さい)ヨシノボリだと思って確認しなかったけど。
カジカもヨシノボリもちょっとユーモラスな顔してるので好きです。
★1/25追記:
kuniさんに「これチチブでは?」とコメントもらったので、調べてみたら確かにこの点々模様はヨシノボリじゃなくてチチブっぽい。
と思っていたら、今朝またざざ虫捕りの網に同じヤツが入った。
今度こそよく観察してみよう。だけど、写真を撮ろうと思ったらなぜかiPhoneの電池が0に。さっきまで50%くらいだったのに、あまりの寒さにおかしくなっちゃたか。
仕方ない持って帰ろう。試しに食べてみるのもいいだろう。
持って来たチチブっぽいヤツ。背面と側面から見てみよう。
体側のこの点々模様を良く見ると、やはりこれはヨシノボリじゃなくチチブに断定。
腹ビレはヨシノボリと一緒で、こんな風に吸盤状になってます。
これで川底の石にくっつくことができるんですね。
一匹だけしかないけど、腹だけ出して軽く塩を振り、片栗粉をつけてから揚げにしてみました。頭が硬いかもしれないので、まず低温でじっくり揚げ、温度を180℃に上げて二度揚げにしました。
食べてみると、骨っぽさは全然なく、からっと揚がっていてうまかったです。
味はハゼそのものですね。
kuniさん、ありがとうございます。
勉強になりました。これでまた、新しい魚を一つ覚えられました。
ここで一つの疑惑が。
私は今まで天竜川には、カジカとヨシノボリしかいないと思っていたけど、ヨシノボリだと思っていたヤツはもしかしたら全部チチブだったのでは?
カジカは天竜本流では支流の合流点付近でしか見たことないし、はっきりわかるので良いとして、カジカじゃないやつはヨシノボリだと勘違いしていた可能性がある。
天竜川にヨシノボリもいるのか、ちゃんと調査してみよう。
★1/30追記:
ヨシノボリも捕獲しました。
チチブに比べると、ヨシノボリの方がスリムな体型。
体の色は黄色味がかっていて、体側の模様もチチブとは違いますね。
チチブの方は白っぽい点々模様が頭から体側全体にあります。
というわけで、天竜川本流にはカジカ、ヨシノボリ、チチブの三種が棲息していることがわかりました。
三種類とも見た目は似ているけど、カジカは他の二種と違って、ハゼ科ではなくカジカ科の魚。天竜川本流では支流の合流点付近で見かける程度で、主には支流に棲息しています。
今度、カジカの写真も撮って三種を比較してみたいと思います。
新種のザリガニ!?
珍しくザリガニが網に入った。
あれ、これアメリカザリガニじゃないな。日本のザリガニ?
写真撮ってウチに帰って調べてみることに。
日本のザリガニ(ニホンザリガニ)は、今現在、北海道、青森県、岩手県、秋田県にしか棲息していないらしい。
他に日本に棲息しているのは外国から入ってきたウチダザリガニだけど、それはアメリカザリガニよりでかいやつだし。
このザリガニ何なの?もしかして新発見!?
このザリガニ、良く見るとハサミが小さいんだよね。
メスだと小さいとか?
そもそも、これ、ザリガニなの?エビじゃないよね?
いやいや、やっぱり形はザリガニだよ。
アメリカザリガニ、ニホンザリガニ、ウチダザリガニともハサミはもっと大きいんだよなぁ。
もしかして、子どものザリガニとか。
「アメリカザリガニ 子ども」で検索してみたら、まさにこれと同じ画像がズラズラと(笑)
あー、そうなんだ、アメリカザリガニの子どもは赤くないんだ。
そう言えば、アメリカザリガニを釣った時にも小さめの茶色っぽいやつがいたな。
ということで、新発見ではなかったです(笑)
金色に輝くナマズ。これこそ大発見では!?
網になんだかくねくねと動く魚が。
ナマズの稚魚ですね。これ、実物は陽射しを浴びてもっと金ぴかに輝いてたんですよ。
まさに黄金色って感じに。
最初、これは絶対に外来種に違いない!って思っちゃったもん。ホームセンターの熱帯魚コーナーでみたことあるヤツに似てるし。
ナマズが網に入るのは初めてだけど、この日は5、6匹入りました。最初の1匹はほんとに黄金色に見えましたが、あとのは赤みがかった茶色みたいな色でした。
おもしろい顔してますね、ナマズって。
こうして写真でみると、普通のナマズの稚魚なんだろうな、きっと。
天竜川には意外とナマズがいっぱいいるんだな。確かにナマズはウグイ釣りの外道で釣ったことあるし、ルアーでも釣ったことあるしな。
さっきのザリガニの子どもは和風の外見なのに外国産、このナマズの子どもは外来種のような外見なのに日本産。
人(生き物)は見かけによりませんね(笑)
★翌日追記:
このナマズ(ニホンナマズ)の子どもだと思っていたヤツ、おっさん釣り師さんとNori1022さんがコメントで教えてくれましたが、アカザという魚だそうです。
ナマズの仲間としては小型で、体長は最大10cm前後。ドジョウのように円筒形の細長い体型をしており、英名でもLoach catfish(ドジョウナマズ)と呼ばれる。体色は、やや赤色がかるが地域変異が大きい。生息域の重複や頭部の形状などの特徴からギギやギバチに若干似るが、以上のような特徴から識別は容易である。また、他種と比べて頭部が小さく側線が胸鰭の後ろ近辺までしかないという違いがある。口ひげは上顎に2対、下顎に2対の計8本である。胸鰭に1本ずつ、背鰭に1本の刺条を持つ。刺条には毒腺があり、刺されると痛む。背鰭の後部には脂鰭があるがその基底は長く、後端で尾鰭と連結する。尾鰭の後縁は丸く扇形になる。
・・・ウィキペディアより
環境省レッドリストでは絶滅危惧II類(VU)に分類さていて、個体数が減少しているのだとか。
注意:お二人が教えてくれた通り、毒のあるトゲを持っていて刺されるとかなり痛いそうなので触らないで下さい。私は普通に素手でいじって手のひらに載せたりしてましたが、真似しないで下さいね。
まぁ、私のやっていることは大概真似しない方が良いですけども(笑)
それにしても、畑に生えてるアカザという植物は知ってましたが、そんな名前の魚がいることも知らなかったし、まさか毒のあるトゲを持つ魚が天竜川にいるとは。
なんとなく外来種のような見た目に違和感は覚えましたが(実際には日本固有種)、これが大きくなるとよく見るナマズになっていくんだと思っちゃいました(苦笑)
ちなみに、本物のナマズの稚魚(幼魚)はこちら。
石川県立大学 ビオトープ研究会さんのブログから写真をお借りしました。
なんだ、ちっちゃくてもちゃんとナマズの形してるじゃないか。
アカザは良く見ると全然違うぞ(^_^;)
今回も勉強になりました。お二人ともありがとうございました。
最大の珍客は人間なのだ。
カワセミを追いかけるおじさん。
しばらく同じ浅瀬でザザムシを捕っていたんですが、対岸に何やら望遠レンズを付けて鳥を撮っている人がいる。毎回いるから毎日来ているのかもしれない。
何を撮っているんだろう。
セキレイ類、シラサギ類、カモ類はよく見かけるけど、もっと変わった鳥でもいるのかな。
ある日、帰り際に声を掛けて聞いてみると、なんとカワセミを撮っているのだと。
こんなところにカワセミがいるのか。
詳しく話を聞くと、餌の小魚を求めて天竜川のこの場所に毎日飛んでくるのだとか。
それを毎日写真に撮っていると。
ふーむ、それはすごい。ここに来ればカワセミが見られるのか。
たしかにここの川岸のたまりにはたぶんウグイだと思うけど、稚魚がたくさん泳いでいる。
ところで、このおじさん、カワセミの追っかけぶりが半端ない。
今は現役を引退したので、ほとんど毎日、何時間も待ってカワセミの写真を撮っているそうだ。基本的に、カワセミとヤマセミだけを撮っているそう。
カワセミは、近くの支流の岸壁(土壁)に巣があり、そこからおよそ4kmの円を行動範囲にしているのだとか。だから、ここにやってくるのは2羽の同じつがいだけ。
ふーん、カワセミはみんな離れて暮らしてるんだな。
それから、A4サイズくらいに引き伸ばしたカワセミやヤマセミの写真、そして今日撮った写真も見せてもらったけど、どれもこれも凄い!
枝から飛び立つ瞬間だったり、きれいに飛んでいる写真だったり。
過去には水中に飛び込んで魚をくわえて出てくる写真も撮っているそう。
写真でお金稼いでるわけじゃないけど、この人はもう完全にプロ。
「俺は釣りバカだけど、おじさんはカワセミバカですね」と言ったら笑ってた。
いやぁ、いいものを見せてもらった。
そして、その話を聞いてから、カワセミのことが頭にあっていつも近くによってくるセキレイの鳴き声とは違う高い声がしたので辺りを見回すと、ほんの5mほど先の枝にカワセミが留まっていた。オレンジ色のお腹と長いくちばしが特徴的。
iPhoneしか持ってないので、引っぱり出して構えたら飛び立った。そして、青い翼をきらめかせて対岸へと渡って行ってしまった。本当にきれいだなー、カワセミは。久しぶりにカワセミを見た。
さっき留まっていた辺りにあのきれいな羽でも落ちていないかと探してみたけど、残念ながら見つからなかった。
不思議な漁法で鯉を釣るおじさん。
別日に別の場所で、ザザ虫漁から引き上げようと片付けをしていると、すぐ下流で長竿を振る人が姿が。
何を釣っているんだろう?
近づいて挨拶すると、鯉を釣っているんだと。
ん?この釣り方はコロガシだな。
コロガシ釣りとは落ち鮎を釣る時によく使われる釣り方で、たくさん鉤を付けた仕掛けにオモリを付けて川底を転がして引っかける漁法。
天竜川の場合、コロガシ釣りは秋の解禁日から12月末まで。
鮎だけだと思ったら、他の魚を釣ってもOKなんだそう。
コロガシで鯉を掛けて、上げられるものだろうか。
道具と仕掛けを見せてもらった。
まず竿は、元の方は鮎竿で途中から磯竿を継いであるという不思議なもの。長さは8〜9mくらいかな。
元の方の鮎竿部分にも自分でガイドとリールシートを付け、黒鯛の落とし込み用リールを装着。
ギヤ比1:1のフライリールと同じような構造のシンプルなリール。
道糸6号、幹糸3号に鮎かけ鉤を10本くらいとオモリ。
なるほど、鮎のコロガシよりかなりゴツイ道具と仕掛けになっている。
しばらく釣りを見学させてもらうと、なんとすぐにアタリが!
しかも、かなりでかそう。
下流へ下りながら、鯉と格闘。途中浮き上がって金色に輝く鱗が見える。
なんとか岸へと寄せてきて、磯用の玉網にネットイン!
おぉー、見事な手さばき。継ぎはぎの竿もかなりパワーがあるな。
キャッチした鯉は60cmオーバーで、とにかく太い。
鱗が金色に輝くワイルドな鯉だった。
ビックリしたのは、軽トラの荷台のタライの中にすでに同じくらいのサイズが2尾入っていたことだ。池に放しておいて、食べるのだとか。うーむ、すごい。
長野県では鯉は郷土食です。鯉の洗いや、鯉こく、筒切りにしてうま煮にもしますね。
うま煮は内臓がうまいんですよー。他の地域ではあまり食べないかもしれませんね。
これまた、良いものを見せてもらいました。このおじさんには別日にも行き会い、その時にはこれまたでかいナマズを掛けてました。
このおじさんもプロだな。
そして現る、京都からの刺客。
また別の日にザザ虫を捕っていたら「何を捕ってはるんですか」とやってきた京都弁のおじさん。
ざざ虫を見せたら、こんなのを食べるのかとびっくりしてました。
「蜂の子は食べたことあるんやけど、これは初めて見ましたわ」と。
(京都弁がこれでいいのかわからないけど、こんな語感でした)
「この虫、クロカワムシと言って釣りの餌にもよく使うけど、佃煮にして食べるんですよ」
いろいろ話を聞くと、現役引退してからこちらに移住してきたばかりだそうです。
ひとしきり歓談した後、唐突に、
「ボクは釣りをする人が嫌いなんですよ。嫌いゆうか、軽蔑してるゆうてもいいくらい」と。
なんですと!?
私はさっき釣りもすると話した気がするが・・・聞き捨てならないこと言い出したぞ。
ケンカを売ってるのか、このおっちゃん、、、
・・・つづく。
おはようございます。
今朝は凍みましたね、肩に堪えます、釣り人を軽蔑していると言うオッチャンの話、つづきが楽しみです。