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通ってはいけない崖と重大な忘れ物|天竜川水系 テンカラ釣り

テンカラ釣り野外調理
この記事は約9分で読めます。

夏がやってくる前、早々にイタチ谷参りに行ってきたわけですが、あの場所で結構良い釣りできたってことは、他の源流でも良い釣りできそうだよね。

この川もまだ早そうだけど、とにかく行ける時に行ってみよう。
出かけたのは、5月下旬です。まだまだ水温は低くて早朝は釣りにならないだろうから、ゆっくりと出発。

ビールを飲むなんてまだまだ早い|天竜川水系 麦酒川

※麦酒川とは私が勝手に付けた名前で実在の河川名ではありません。

今年もホンナ(の仲間)をゲットしてご満悦


車で一気に高度を上げていきます。途中、猿たちがお出迎え。

 
いつもの車止めに到着したのが、10時半頃。
なのに、珍しく先行者の車が一台もありません。この前のイタチ谷の車止め同様、まだ時期的に早すぎるってこと? まぁ、誰もいないなら、自由に釣りができそう。
杣道を歩き、川へと向かいます。昨年ちょうど今頃ここに来て、ホンナの仲間を見つけたので、今日もキョロキョロしながら進みます。

 
トリカブト(毒)がだいぶ伸びてきていて(写真1枚目)、あったあった、それに混じってホンナの仲間(コウモリソウ類)が昨年と同じように生えています。

 
新芽部分を少し採っていこう。

引き返すべきだった危険な崖

いつも通り、細い杣道をくねくね歩き、昨年もかなり崩れてきていて危険を感じる崖に到着。
この崖を横断しなくちゃいけない。昨年はまだ崖に埋まった石が足場になっていたけど、それらの石は崩れ落ちてしまって、単なる砂の浮いた崖に成り下がっていました。
それでも、釣り人と思われる踏み跡があるにはあるけど、これはズルッといったら奈落の底へ一直線。
車止めまで引き返せば別ルートがあるけど、どうする?
これは戻るべきだろう、と思いつつもほんの5mほどを通過すればもう川は目と鼻の先、と言う状況に判断が鈍る。腰が引けた状態で、なんとか通過。


なんとか通過できたから良かったようなものの、これは完全に判断ミス。
帰りは別ルートにしよう。そして次回以降はもうここを通過するのはやめよう。

ほどなく川に出て、先行者無しなので上へ向かおうかと思ったけど、まだ活性高くない状態なら、釣りやすい渓相の下へ向かうことにしました。

 
途中こんなデカい落石が転がっていて、ビビります。こんなの直撃したらひとたまりも無い。
さすがにこれだけの岩が無音で落ちてくることは無いだろうから、歩きなら避けられるとは思うけど。
写真2枚目は、コンクリート吹き付けの崖が老朽化して崩れ金網がむき出しになった状態。
林道を歩いているといつも思うし何度か書いてもいますが、人間が作ったものはいずれは崩れ落ちる、というのを実感します。そもそもこの林道も人間がかなり強引に切り開いたものだから、手を加え続けなければいずれは崩れ落ちてしまう運命。

今頃こんなキノコをゲットできるとは!?

 
おや、古い切り株に何やらキノコも生えています。
キノコは秋に一番たくさん出てきますが、種類を問わなければ他の季節でも見つけられます。
今の時期は明確な食菌は少ないけど、これ、なんか食べられそうな雰囲気出してるよ。
これ、ナラタケに似てない?


回り込んで株の側面を見たら、これやっぱりナラタケだ。この時期にナラタケ見つけたのは初めて。
株の上に生えていたのは傷んだ状態だけど、これは普通に食べられる状態。採っていこう!

 
眼下の川は、水量多めですね。入渓予定地点はまだ下。
今日はスルーだけどニリンソウの群生があったり、この川の周辺、結構食材がいろいろあるな。

それを忘れちゃどうしようもないじゃん!


想像よりも時間がかかって、ようやく入渓点に到着。
時間はすでに11時半。まずは先にお昼を食べちゃおう。今日はお昼用意の時間がなかったから、お湯を沸かしてカップラーメンを食べるつもり。


ST-350を取り出しまして、ガス缶にセット…
あれ? ガス缶忘れた(涙)
そうなると、お湯を沸かすことすらできなくなっちゃうけど…うーん、焚き火でもするしかないか。
と行っても着火道具が…マイクロマックスULの場合は収納袋にいつもSOTOのスライドガストーチを入れてるんだけど、このストーブはイグナイター(着火装置)付きだから、それも持って来てない。
流木を薪にしたとしても、着火道具が無ければ火が付けられない。なんという無力感。
釣りそっちのけで、きりもみ式の火起こしでもやってみる? いや、夜までかかってもほぼ無理だろう。昼抜きか、今日は。

ほぼ諦めかけつつフィッシングベストのポケットを探ると、古ぼけた100円ライターが見つかりました!


ずっと前からベストに入れたままになっていたライター。
良かった〜、これで焚き火ができる。つまりはお湯が沸かせる。

 
と言っても小さいクッカーを乗せられるように狭い幅でかまどを作るのは大変。
なんとかアルパインクッカー16を乗せられる配置にして小枝や枯れ葉を焚き付けにして着火。

 
焚き付けがやや湿っていて弱々しいけど、何とか少しずつ火を大きくしていきます。

 
お湯を沸かします。
ナラタケの石突きを切り取って茹でます。

 
ただお湯を沸かして茹でるだけなのに、こんなに苦労するとは。
同じ焚き火でも、ソロストーブを持って来ていればほんの少量の小枝でいけるんだけどな。
今日はたまたま時間がなくて、お湯だけ沸かしてカップラーメンを食べることにしていたのは、せめてもの救い。これでは手の込んだ料理は難しい。

 
ホンナとナラタケはゆであがり、そのお湯をカップラーメンに注ぐだけ。
こんな簡単なことなのに、ストーブ(ガスバーナー)がないと大変。
まぁ、ライターがあって良かった。

ホンナとナラタケ、それにコンビニの味玉とサラダを添えたら出来上がり。


本日の渓流メシ
・ホンナ、ナラタケ入りラーメン
・コンビニサラダ
・食後の紅茶

こんな簡単なお昼なのに、すっかり時間がかかってしまった。
でも、苦労した分、すんごく美味しい!
今の時期にナラタケが食べられるとは。ほんのり苦みがある爽やかな風味のホンナもいいね。

やっと釣りを開始したけど1時間は全く反応無し…

 
焚き火の形跡を抹消して、釣り開始。
時間は12時、気温20℃、水温10℃。虫の気配はないので、テンカラで行ってみます。
NISSIN AIR STAGE 冨士流テンカラ3308 6:4、SUNLINEぶっとびテンカラ レベルライン3号(楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る)を3.3m+FUJINO フロロテンカラハリス0.8号(楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る)を1mほど。仕掛け全長は竿より1m長い4.3m。
毛ばりは銀鼠鉤です。


こんな感じの流れから釣り上ります。


1時間ほど全く反応なく、走る魚影も見えないまま前進。
対岸の大岩影の小さな巻き返し。浮上したイワナが毛ばりをくわえて反転したのが見えました。
アワセます!
ぐいーんと確かな手応え。いつもそうだけど、1尾目が掛かった瞬間は格別ですねー。


そんなに大きくはないんだけど、今日もイワナが見られて良かった。


そこからまたアタリが無いまま、前を阻まれ、一旦林道へ上ることにしました。

エメラルドグリーンの淵に潜む大イワナ


川からだいぶは高くなった林道を進み、どこか再び降りられる場所はないかな、と川を眺めていると、淵に泳いでいるイワナが見えます。


あれは、確実にイワナだ(黄色丸印)。時折、餌を見つけたのかするするっと移動してまた元の場所に戻ったりを繰り返しています。
あれは、毛ばりを打ち込んだら一発で釣れるんじゃないの? しかもこの距離であのくらいに見えるならそこそこ大きいんじゃない?
なんとか、この淵の手前に降りられないかな。


距離のある斜面をなんとか下って、川岸に辿り着きました。
ここか少し上ったところにさっきの淵があるはず。

 
落ち込みの脇、沈み石に囲まれた壺から出ました。

 
大岩の際、廊下状になったポイントからも。
この区間、一度大きいのは抜き上げられてしまったようで、今の時期はあまりサイズは期待できないのかも。でも、さっき林道から見たイワナは間違いなく良型だったはず。


そしてやってきました、さっき林道から見下ろした淵。黄色矢印の辺りにイワナが定位しているはず。見えているイワナは、ほぼ一投目勝負。
左の大岩がちょっと邪魔だな。あれ、反応ない!?
2投目。あれ? ダメか。
毛ばりをスギッパ巻きに替えて、3投目も反応なし。と言っても、イワナが見えているわけではないから、チラッと反応して見切られた状態なのかどうか。
うーん、これは無理かもね。その後、エルクヘアカディスを浮かべて見たけれど、やはり無反応。

諦めて、このポイントの右側の淵を狙ってみます。


凄いな、この色合い。ここの水は透明度が高く、深みに日が射すとエメラルドグリーンに輝きます。
で、この淵からも反応はありませんでした。
こちら側からさっきの淵を覗き込んでみると、


黄色矢印のところにイワナがゆらゆらしてるじゃん。
これで、反応無かったのは、何度も釣り上げられてスレてるってこと?
ともかく、もうこのイワナは諦めます。次回再挑戦までお預け。


川を下り、もう一度林道に上がって、あの淵をもう一度見下ろすとイワナの姿はどこかに消えていました。


再入渓。

 
こんな虫を見かけたので毛ばりをスギッパ巻きに替えてみます。
淵の流れ出し付近。深さは結構あるところから出ました。それほど大きくないので、他の魚に影響を与えないように、下の段に落としてランディング。


出ました。ドライフライでも釣れそうな雰囲気になってきました。


同じ淵の手前の岸に向けてのかけ上がりにも定位していました。


ちょっとサイズ良くなりました。


ここは標高が高いから、まだ水が冷たくてウェットウェーディングは正直キツい。
この川は暑〜い夏にビールを飲んだことがあって、それが最高だったので、麦酒川を名付けましたが、ここでビールを飲めるくらいの暑さになるのはまだまだ先。


大岩の向こう側。プールの流れ込みからの廊下。
これは、良い引きしてるよ!


太った良型。ありがたや、ありがたや。
体が芯から冷えてしまったので、今日はここで気持ち良く退渓します。

キノコ狩りで鍛えているから、このくらいの斜面上りはへっちゃらさ。


特別意識していたわけではないけど、川から林道に出ると、ちょうど車止めに向かう別ルートの登り口でした。この急斜面をジグザグに登っていくんですよね。
まぁ、秋のキノコ狩りではそんなところを週に2、3回上り降りして鍛えてるんだから、大丈夫。


大丈夫、とは言ってみたものの、かなりの急勾配に息が上がります。真夏じゃないだけましだけど。
8合目くらいまで来て、下を振り返ってみると、うーん、いつものキノコ狩りの斜面より角度キツいなこれは。


ジグザグ折りを曲がる度に、今度こそは終わりかな、と何度も思っては裏切られ、を繰り返しやっと登り切りました。あとは、車へと平地を歩くだけ。


車に戻ってくると、まだ夏に向かっている途中の雲が上へと伸びつつありました。


帰りも猿に見送られて帰路に就きました。
午後からの短時間でしたが、今回も良い釣りができました。そして、あの崖から滑落しなくて、本当に良かった。次回同じような場面では絶対に引き返そう。
山の神様、川の神様、今回もありがとうございました!

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