フライフィッシングにはいろいろな釣り方があって、その中でも渓流でドライフライに反応しない解禁当初など、ニンフと呼ばれる水棲昆虫の幼虫も模したフライを使った釣り方があります。
そのニンフフィッシングには大きくわけて、二つあります。
餌釣りで言うところのミャク釣りのような形で釣るアウトリガー、そしてウキ釣りのような形で釣るマーカーニンフ(ルースニング)です。
私は主にマーカーニンフをやっていますが、その時に重要なのがマーカー(インジケーターとも言う)。つまりウキのことですね。
マーカーを使うと、遠くのポイントでも一定のタナを流すことができます。
いろんなタイプがあるマーカー。
足の付いたタイプ。
足の両端をチューブでティペットに固定する。
ウキ素材自体は写真の様に、発砲素材のものや、ADWなどの浮力繊維を使ったものなどがある。
この足の部分がライントラブルを招きやすいのが難点。
取り付け部分がループになっているタイプ。
糸もしくは極小のゴム環などでティペットと接続するタイプ。
ADWを使って自作する人も多いですね。
ティペットの接続部分にクセがつくのが難点。
スリットからティペットを入れてゴムで固定するタイプ。
私が自作した玉ウキマーカーと同じ構造ですね。
胴体にスリットが入っていて、そこからティペットを差し込み中央部のゴムで固定します。
私は輪ゴムをストッパーとして使いましたが、これは真ん中にゴム管が装着されています。
キャスティングに気を遣わないと、外れてしまうことがあるのが弱点。
シールタイプ。
二つ折りにして貼り付けるだけのものもあるし、クルクルと巻き付けるものもあります。
写真はTMC ストライクディテクター(楽天市場で見る・アマゾンで見る)。
昨シーズンはこれを愛用してました。
外す時にぺたぺたしてちょっと面倒なのと、使い捨てなので頻繁に付け外しするのにはやや難あり。
粘土状タイプ。
バイオ技術から生まれた自然環境にやさしいマーカー。浮力が強い粘土状の素材なので好みの形で最適な場所に簡単に取り付けできて、繰り返し使えます。
loon BIOSTRIKE(ルーン バイオストライク)〈アマゾンで見る〉。
これには注目してましたが、少し前にテンカラのハックル70さんが使われてました。
外した後少しティペット(ハリス)がべた付くらしいのが、ちょっと気がかり。
結局自作してみたマーカー。
市販品では「これが最高」と言えるものはなく、今シーズン開幕前に玉ウキマーカーを自作したのです(詳しくはこちら)。
解禁から使ってみて、浮力、視認性、脱着のしやすさ、ライントラブル、いずれも想像以上の及第点でまあまあの使い心地に満足していたところ・・・
先日、春一番と言えるような突風が時折吹き付ける仙人の川釣行の時に、風に負けないようにパワーをかけてキャスティングしていたら、玉ウキマーカーが外れてすっ飛んで行きました(>_<)
この日ばかりでなく、キャスティングを繰り返していると位置がずれたり、外れちゃったりということも何度かありました。
頻繁にチェックして、ティペットをしっかりと挟み直せばいいんだけど、外れやしないかと結構気を遣うんですよね。
切れ目が入っている構造だから、どうしてもストッパーとして使っている輪ゴムがずれたり、製作時の個体差もあってしっかり留まりにくいものもある。
ここが、この玉ウキマーカーの唯一の弱点。
そもそもこの切れ目はなぜ入れてあるのか。
ティペットにフライを付けた状態でも、簡単に付けたり外したりできるから。
でも、よく考えてみると、マーカーを付けたり外したりする時は、ドライからニンフに、またはその逆だから、結局はフライを一度外すんだよね。
ということは、切れ目からティペットを入れる方式じゃなくて、普通にティペットを通す方式でいいんじゃないの。
玉ウキマーカー改良版の製作。
前回の玉ウキマーカーと同じ12mmの発泡球体。
縫い針で中心に穴を開けます。なるべく中心になるように慎重に。
その後、もっと太い針で穴を広くします。
この針はジムニーのハンドルカバー(革製)を縫うのに付属していた針ですが、一般的には刺繍用の針かなこれ。
写真だとわかりにくいですが、輪ゴムに0.4号のハリスを結びつけます。
ティペットは高いので安いハリスを使います。
輪ゴムは半分にカット。
この状態のものをたくさん作っておきます。
使う時は、まず玉ウキマーカーにティペットを通してから、輪ゴムに結んだハリスの両端を同じ穴に通します。
ギューッとハリスを引っぱって、輪ゴムの頭がほんの少し出たところでストップ。
ハリスをカットして、輪ゴムの余分もカットしたら完了。
セットした状態。
ティペットがしっかり留まって全く不安がないし、ティペットを引っぱって位置を変更してもティペットが縮れるようなこともなく、万全。これは良い!
取り外す時は、ティペットを引っぱって外せますが、輪ゴムの頭に針を引っかけて引っぱると輪ゴムが簡単に外せて、すぐに再利用できます。
愛用のSMITHデラックスラインクリッパー(楽天市場で見る・アマゾンで見る)。
スプライス&ネイルノット用の針を内臓しているので、これを使うとちょうど良い。
外した輪ゴムストッパーは再利用できないので、また使う時は新しい輪ゴムストッパーを使います。この仕様だと玉ウキマーカー自体をロストする可能性はほとんどないですが、輪ゴムストッパーはたくさん用意しておいた方がいいです。
まぁ、輪ゴムにハリスを結んでおかなくても、現地で輪ゴムにティペット通してセットしてもいいんだけど、なるべく高いティペットを無駄にしたくないし、少しでも現地での手間は少なくしたいので。
実釣で使ってみたら、無塗装の白でも視認性は問題ないけど、白泡絡みの場所では見にくかったので一応前回同様蛍光塗料(オレンジ)を塗って一晩乾燥。
輪ゴムストッパーと一緒にチャック付きの小袋に収納して持っていきます。
浮力をテストして調整する。
ところで、実釣で少し気になっていたのは、この玉ウキマーカー少し浮力があり過ぎじゃないかということ。
テストしてみます。
玉ウキマーカー+ガン玉+ビーズヘッドヘアーズイヤーニンフ。
このハサミでいつもガン玉を付けたり外したりしてます。
赤矢印の部分でガン玉を挟んで取り付け、黄色矢印の部分をガン玉の切れ目に差し込んで外すことができます。
これ、SILKYというブランドのハサミなんだけど、今は売ってないようで残念。
まずはBHヘアーズイヤーニンフのみの場合。この状態で使うことが一番多い。
マーカーの1/3が沈んだ状態。やはりちょっと浮き過ぎか。
視認性は抜群だけど、魚には少し違和感を与えやすいかも。
これで何尾も釣れてるから、それほど問題ないのかもしれないけど。
ガン玉1号をプラスすると、2/3が沈んでこの状態がベストな気がする。
堰堤の巻き返しはこの状態で良い感じだった。
ガン玉2Bにしてみると、ほんのちょっと頭だけ出てる状態。これだと実際の川では沈み過ぎ。アタリを取るのは不可能だろう。
ガン玉3Bの場合は一瞬で水没。ガン玉Bまでならなんとか使えそう。やはり最適なのは1号との組み合わせ。
ガン玉なしだと、10mm径の発泡球があればちょうど良いんじゃないかな。
手芸屋さんには12mmのしかなかったからネットで検索。
スチロール玉(楽天で見る・アマゾンで見る)。
やっと完成した玉ウキマーカー。結局シモリ玉か(笑)
10mmの発泡球、100個でも500円とかだから買おうかと思ったけど、待てよ、このマーカーってマブナ釣りのシモリ玉そのものじゃない。
そうだよ、これはシモリウキそのもの(笑)
シモリ玉ならあるんじゃないの、ウチに。
ずっと昔に買ったシモリ玉。
マブナ釣りにはいろんな釣り方があるけど、その中の一つシモリ釣り。
中通しの玉ウキやナツメ型ウキを5、6個付けてそれがゆっくりと沈むくらいのオモリに調整する。そして、深さが一定じゃないポイントを釣り歩くのに最適な仕掛け。
サイズを測ってみると、10mm。ちょうど良いじゃない。
シモリ玉は小さいのは樹脂製で、大きめのは発泡素材になってるんですよね。
シモリ玉を留めるのには、爪楊枝の先端をカットしてストッパーに使うことも多いけど、フライフィッシングでは外れたり、ライントラブルが起きるのでNG。やっぱり輪ゴムで留めるのが良い。
さっきと同様に輪ゴムストッパーで留めて、BHヘアーズイヤーニンフを結んでテスト。
2/3が沈んでちょうど良さそう。
ガン玉1号をセットすると、沈没。
今後はガン玉なしの場合はこれを使ってみよう。ガン玉ありの場合は、発泡球の方で。
グレーニンフはBHヘアーズイヤーより軽くてゆらゆら沈むイメージ、フェザントテイルニンフはさらに軽いけど、スリムで素早く沈むイメージ。
他にもMSCやクロスオーストリッチ(これはニンフじゃないのか)などニンフ主要メンバーについては、その重量や沈下スピードをチェックしておこう。
1/100gまで計れるデジタルスケールを買ったことだし。
玉ウキマーカーはこれで完成形だと思う。
というか、最初からシモリウキを使えば良かったんだけど(苦笑)
これは、空気抵抗も小さくてライントラブルは皆無だし、浮力も今度はちょうど良くなったはず。
ナツメ型にもできるけど、私は真球の方が良いように思える。
輪ゴムストッパーのセットがめんどくさそうに見えるけど、実際にやってみるとどうってことないし、外れちゃうのを気にしながらキャスティングするよりはよっぽど楽。
ところで、すでにドライフライでOKの季節になっちゃってますが。
今年の春は季節の進み方が遅く、ようやくドライフライに反応し始めたところだけど、昨年はドライに反応し始めたらドライオンリーで釣り上ってました。
でも、ドライの季節になっても早朝なんかはニンフが活躍する場面はあるんですよね。
それに、日によってはドライへの反応がピタッと止まって、1時間、ヘタすると2時間全くアタリなしでドライフライを投げ続けてたなんてこともあります。
今年はニンフの釣りにも慣れてきたことだし、もっと臨機応変に行こうかなと。
マーカーニンフやテンカラ釣法、それから例の9ftロッドを使っている時はいわゆるヨーロピアンニンフ的な釣り方、いろんな攻め方で渓魚に挑もうと思っているところです。
★後日追記:
ヨーロピアンニンフィングの中の、チェコニンフ(チェックニンフィング)を始めてみました。詳しくはこちら。
こんばんは。
フライの目印にもいろいろあるんですね、テンカラの場合目印の無いのが当たり前の考え方が多いようですが、私の場合毛ばり釣りをすべてテンカラと思っていますので、最近は目印を使っています、確かに開けた場所では使いませんが、考案の浮玉、薮の下など糸の流せない場所に浮に乗せて流し込むに面白いかもしれませんね、参考になります。