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ミシンを使ってリリースネットを自作しよう。

おすすめアイテムランディングネット作り
この記事は約11分で読めます。

初めて自分で作ったランディングネットのフレーム(木枠)は、まずまずの出来でした。
細かい部分でいろいろと反省点もあったので、忘れないうちに次回作に取り掛かりたいと思っています。

あとは網を取り付けるだけなんです。クレモナ糸は在庫があるし染め方編み方は把握しているので悩まずに地道に作業すれば問題ないんですが、今回はメッシュ生地でいわゆるリリースネットを作ってみようかと思います。
クレモナネットは写真映えするのでかっこいいんですが、釣った魚を掬うという機能性でいうとやや問題点もあるんですよね。特に大きな魚の場合、ネットの中で魚が暴れると、網目が粗いのでヒレが裂けちゃうことがあるんですよね。
リリース前提なら、魚を傷つけにくいリリースネットの方が良いと前から思っていました。

リリースネットの縫い方

リリースネット用の生地を入手

 
まずはネット用のメッシュ素材(楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る)を入手。・う
カラーはブラウンが良かったんだけど在庫切れだったので、グレーを選びました。

 
ついでにラバーネット楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る)も購入。
サイズがいくつかあるんだけど、どれも今回のフレームには合わないので次回以降のためにXSサイズ(全周76cm)を購入しておきました。次回は今回のフレーム(全周68cm)よりも少し大きめのものを作ろうと思っているので、その時使うか、例のタモに装着しても良いかなと思って。
ラバーネットが一番魚に優しい、と言われるけど結構ゴワゴワしてるんだよね。リリースネットの方が手触りがソフトで魚に優しい気がするけど、どうなんだろう?
ともかく、今回はこのラバーネットは使いません。

生地を入手したのはいいけど、裁縫なんて全くやったことがない。実家へ行ってミシンの使い方を母親に教えてもらうことにします。ミシンを初めて使う人間がメッシュ生地なんて縫えるの?(いや、小学校の時に家庭科でミシンで何か縫ったような記憶はあるけど…)、 ともかくやるしかない。

まずは、生地を切り出すための型紙を作ります。

リリースネット用の型紙を作る。

 
出来上がったフレームのサイズを計ると、縦が260mm、横が180mmくらいですかね。


全周は680mm。

深さ300mmで底が丸いネットを縫うなら、こんなサイズになるのかな。


外周の生地は、680×300mm。
そして、底の楕円サイズはどうやって計算すれば良いんだろう? 今は便利なもので、ネット上にいろんな計算ができるサイトがあります。
こちらのサイトで、試しにさっき実測した短半径90mmと長半径130mmを入力すると、外周は696.87…となります。フレームは楕円ではなくティアドロップ型なので全周が楕円よりは小さくなっているんでしょう。単半径の数値を少しずつ減らしながら84mmにすると680.08…。
縫代分を足して型紙を作ればいいけど、この曲線、初心者が縫える?


底にマチがなくてもネットとしては使えるんじゃない?
680×300の生地を二つ折にして2辺(赤波線)を縫うだけでも十分かも。


角にアールをつけて、こんな感じにカットすればさらに良い?


二つ折にして赤波線を縫えば良いかな。
だけど、ぐるっと縫ってきて、赤矢印のところが不自然になっちゃうよね。
そのくらいなら、最初から生地を2枚に分けてぐるっと縫っちゃった方が良いんじゃないの?


つまるところ、縫代分を含めて360×320mmで、2角を半径100mmのRを付けた型紙を作りました。それと実際の縫位置(仕上がりサイズ)に印をつけるための340×300mmの型紙を作ります。
A3サイズよりも大きいので良い紙がないかなと実家を探したら、農機具屋さんからもらった使っていない大きいカレンダーがあったので、それを使うことにしました。

 
定規とコンパスを使って製図。仕上がりサイズの物と、縫代10mm分を足したもの2つ。
カッターナイフとハサミで切り抜きます。

よれよれのアンダーシャツを切り出してテスト縫い

 
いきなり本番の生地を縫うのは怖いので、でろでろに伸びて捨てられる寸前の綿100%のアンダーシャツでテスト。型紙を使って赤鉛筆で線を引きます。
写真2枚のの黄色矢印のところ、うっすらと赤線が見えるかな。クリックして拡大してみると見えると思いますが。
母親は「チャコという線引きがあるよ」と言っていましたが、とりあえずテストなのでこのまま続行。

 
深さは実際よりかなり浅くして2枚。うまく縫えるかどうかだけ確かめます。
メッシュ生地よりも伸びるので、さらに難しそうだけど、これが縫えればメッシュ生地もいけるでしょう。
ここから先は母親に教えを乞いながら進めます。

 
見やすい黒い糸で仮縫い。これを仕付け糸というらしいです。
ずれないようにするだけなので、粗めに縫えばOK。上手くできたかな。

 
ここでミシン登場です!
いろんな縫い方ができるみたいです。今回は00番の直線縫いと04番のジグザグ縫いを使います。

 
上糸、下糸のセットの仕方もわからないので、母親にやってもらいました。
一番遅いスピードにセットして、仕付け糸の内側をゆっくり縫っていきます。やっぱりカーブ部分が難しいね。なんとかぐるっと縫えたけど、仕付け糸を縫い込んでしまったり、生地を引っ張ってしまったり、ちょっとヒダがついてしまった。

 
上記型紙では縫代は10mmとることになってますが、実はこのテストはその前に5mm縫代計算で縫ったので仕付け糸と接近しすぎて仕付け糸ごと縫い込んでしまった部分があります。
ともかく、仕付け糸を抜き取っていきます。

 
仕付け糸が抜けなくなった部分があるけど、まあ形にはなりました。
裏返すとこんな感じ。
この生地はすごく伸びるので、縫いにくいです。

 
直線縫いの縫代を広げて縫いやすいようにアイロンがけします。

 
カーブ部分はアイロンがけしにくいね。
広げた縫代部分をジグザグ縫い。超スロースピードで塗ってきます。やっぱりカーブが難しい。

 
途中で生地が上手く進んでいかなくなっちゃったので、母親に向こう側から引っ張ってもらいながらなんとか最後まで縫いました。

 
途中少しずれたところがあるけど、このくらいに縫えればネットとしては上出来なんじゃないの。
本番では、余った縫代部分(両側)をハサミで切って完成の予定。
母親が言うには、メッシュ生地の方が伸びないから縫いやすいんじゃないかとのこと。
なんとかいけるかも?

フレーム取り付け部分を折り返し、メッシュ生地をカットする。

 
このメッシュ生地、一辺の端1cmくらいがメッシュになっていなくてこの部分を上手く生かせば、フレームに取り付けやすいんじゃないの?
ただ、これが手を話すとクルクルと内側に丸まってきてしまう。

 
のりスプレーをかけて、アイロンかけたらピシッとするかな。

 
と思ったけど、どうも無理そうなので、この際くるくる巻いた状態でジグザグ縫いしてみるのはどう?
途中まで上手くいきそうだったけど、途中で生地が引っかかったりして、これは難しそう。

 
それならば、この端の部分は切り取ってしまおう。
直線カットは、線を引かなくてもメッシュの穴を目で追いながらハサミでカットしていくと真っ直ぐに切れます。

 
5mmくらい折り返してアイロン掛け。のりは使わなくてもしっかり折り跡が付きます。

 
もう一度折り返してアイロンがけ。
二重にしてフレーム取り付け部分にします。写真2枚目の角が切れているのはテスト用に使った部分なので、気にしないでください。

 
このメッシュ生地、1000×750mmで販売されてますが、端のカットがあまりにも雑じゃない?
折り返した別の辺も網目をアタリにして、真っ直ぐ切っておきます。

ダイソーで見つけた素晴らしいペン

 
ダイソーで良い物を見つけました。裁縫用の「しるし付けペン」「専用消しペン」。
これは薄い色の生地用なので紫色ですが、濃い色の生地用に白いペンもあります。
布に線を引くためのペンなんですが、これの凄いところは書いた線が時間経過とともに自然に消えるんです。2日もすると線がほとんど見えなくなります。濃く書いて残った部分もさらに時間をおくときれいに消えます。
すぐに消したい時は「専用消しペン」でなぞればきれいに消えます。
これを使って、ネットの横幅に線を引いてカットします。

 
全部線を引かなくても、網目を追っていく例の方法でまっすぐ切れます。
型紙と横幅ぴったりに切った生地。天地方向に2枚取れますね。

 
深さ32cmのところにマークして、直線カット。
これで横幅と天地はOK。
最初にフレーム取り付け部分を計10mm折り返しているので、当初の予定通りなら31cmでカットすれば良いんですが、そこは1cm深くしときました。


フレーム取り付け部分を折り返して、サイズ通りにカットした2枚の生地。

 
型紙を当てて、底の両隅のR部分の線引き。
写真2枚目の黄色矢印のところ、ちょっと写真だと見にくいですが、紫色の線を引きました。

メッシュ生地の周囲を直線縫いして袋状にする。

 
こんな風にハサミでR部分をカット。ここは直線より難しいですね。多少のズレは許容範囲。
上部の折り返したところをジグザグ縫い。ゆっくり、ゆっくり最低速で塗っていきます。
テストの時は見やすくするため黒い糸で縫いましたが、本番は同じようなグレーの糸で縫いました。
糸はダイソーで買いました。ダイソーってほんとにありがたいお店!

 
生地を前方に少し引っ張りながらゆっくり縫ってきます。これはそれほど難しくないです。
いいんじゃない。

 
縫う時に表面だった方(つまりは折り返した方)を外側にむけて2枚合わせます。
黒い木綿糸を使って仕付け縫いをします。
これはテストの時にやったように、粗く手で縫います。

 
ずれないように気をつけながら、できるだけ端に近いところを縫ってきます。
カーブはちょっと目を細かくして縫いました。


仕付け縫い完了。いいんじゃないのかな。

 
縫位置用の型紙を当てて、側面と底面、内側10mmのところに線を引きます。
直線部分は型紙を無視して、例の網目を拾いながら描いていく方式の方が良いです。

 
カーブのところは型紙を当てて。
側面と底面にぐるっと線が引けました。

 
線に沿って直線縫い。
カーブのところは慎重に。


ぐるっと縫いましたが、カーブ部分が縫い糸にちょっと引っ張られてヒダが出来ちゃってる。
なんだかヨレヨレのブリーフみたい(笑)

メッシュ生地は少し引っ張るようにして伸ばしながら縫っていく。

 
このまま進むかやり直すか迷いましたが、このまま進むと縫代部分にジグザグ縫いを重ねる時に問題発生しそうだし、縫い直しもそれほど大変じゃないので千枚通しを使って直線縫いをした糸を抜き取ることにしました。すーっと全部抜けるわけじゃないので、途中途中で糸を切りながら全部引き抜きました。もちろん仕付け糸はそのままですよ。


縫い直しました。今度は大丈夫そうです。
特にカーブのところですが、生地を針の前後で少し引っ張るように伸ばしながら縫っていくと上手くいきます。

 
仕付け糸を抜き取ります。
大丈夫そうですね。直線縫いは合格です。

折り返し部分を広げてジグザグ縫いして、余分をカット

 
今縫った縫代を広げてアイロンを掛けます。
カーブ部分に難儀しますが、なんとかアイロン掛け。

 
縫代を開いた真ん中をジグザグ縫いします。
直線部分は全然問題ないですが、カーブはやはり針の前後で生地を伸ばすようにして少しずつゆっくり縫います。
テストに使ったアンダーシャツよりははるかに縫いやすいです。


ぐるっと一周できました。

 
あとは両側に残っている縫代部分をハサミでカットしていきます。
完全にセンターを縫えていないので、左右の縫代の幅が違うところがありますが、大きな問題はないです。
この縫代をカットしていく作業。あんまり縫い目ギリギリを攻めない方が良いです。間違って縫った生地を切ってしまったらここまでの苦労が台無しです。

 
縫代の片側をぐるっと切ったら、もう一方もぐるっと切ります。
予想以上に、きれいに仕上がったじゃん!


出来上がったリリースネット。
自分で言うのも何ですが、初めて縫ったにしてはかなり完成度高いと思います。フレーム作りの方は満足度85点くらいでしたが、こちらは100点!
ミシンの使い方を教えてくれた母親のおかげですね。私一人じゃこんなに上手くいかなかったと思います。

今回ミシンを使ってみて、思ったこと


ミシンってもの凄く高機能な機械ですよね!
今回は直線縫いとジグザグ縫いしかしなかったけど、上糸と下糸がどういう仕組みで縫っていくのかさえわかっていない。まるで魔法の道具。
縫い方も他にいろいろできるみたいだし、針の右側に方眼があって、これは何に使うのかもわからないけど、なんか凄いことができそうな機械。
しかも一流メーカーのジャノメのミシンだって、安いのだと1万円ちょっとで買えるじゃん!
何なの、このコスパの高い機械。

今回ちょこっと使ってみただけですが、売られている洋服って全部一着一着手作業で人が縫ってるの? まさか縫製ロボットが自動で縫っているってことはないよね? 例えばワイシャツとか、今回のリリースネットとは比べ物にならないくらい複雑だよ。
いずれにしても、出来上がったシャツを例えば2,980円とかで売ってるのはもの凄く安いんじゃないかと思えてきた。

リリースネットの縫製、ぜひやってみてください!

フレーム作りの記事では最後に「フレーム作りはお勧めしない」という身も蓋もないこと書いちゃいましたが、リリースネットの縫製はお勧めしますよ。
そもそも、リリースネットを自分のランディングネットに付け替えたくても、ぴったりサイズのネットはまず売ってないです。だから、自分で作るしかないのです(笑)
それに、フレーム作りに比べれば手間ひまはそれほどじゃないです。慣れればもっと早くできるだろうし。それに接着剤やら有機溶剤なら面倒なものを使わないのも良いところ。

今回ちょこっとミシンを使っただけですが、もしかしたらクッカーを入れるメッシュ袋とか自分で作れるかもね。いつかやってみるかも。

なんとか出来上がったリリースネット。あとはフレームに取り付けるだけですが、長くなるのでそれはまた次回。
フレームの内周ぴったりのサイズにしちゃったけど、取り付け大丈夫かな?
・・・つづく。

後日追記:つづきはこちら↓

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コメント

  1. フレーム自作したらネットもピッタリの作りたくなりますね。いっそのことkuniさんみたいな手編みにチャレンジ!

    • Nori1022さん、こんばんは。
      自作したフレームに合うネットは結局のところ自作するしかないんですよね。
      クレモナ糸のネットも事前に編んでみたんですが、あれはかなり根気の必要な作業ですね。短気な私にはあまり向いていないかも。実際、編む段数を間違えましたし(笑) 
      今後もランディングネットはいくつか作るつもりなので、いろんな手法で楽しんでみようと思います。

  2. こんばんは
    いや~見事ですね、チクチクチクチク。
    直線縫いだけでなく、ジグザグ縫いでも調子を合わせれるんですから。
    実は私もミシンでズボンの幅調整なんかやります。
    言われる通りで、ミシンってのは実に高精度。

    • マンボウさん、こんばんは。
      何分にもミシン初心者なので、慎重にゆっくりやってみました。
      超低速だと私でも直線縫いとジグザグ縫いはなんとかうまくいきました。
      ズボンの幅調整? 丈じゃなくて幅ですか? なんか相当に難しそうです。
      今回初めてミシンを使ってみましたが、その高性能高機能ぶりにびっくりしてしまいました。もう少し、母親に教わって他のものも縫ってみたくなりました。

  3. 私の、ランディングネット おそらく15年~20年位酷使してます。クレモナも劣化で切れてきていますので、今回の記事の リリースネットなら 自分でも裁縫出来そうかな(無理かも) と思ってしまいました。テンカラ用のネットも メルカリで購入しているので、これもネット部分を交換したいと思っています。やっぱり、魚さんの事を考えると ラバーコーティングネットですかね

    • Kさん、こんばんは。
      同じランディングネットを15年以上も使っているなんて、すごく物持ちが良いですね。
      クレモナ糸が劣化してきているなら、ぜひ自分で編んでみてください。ただ、時間はかかりますね。
      リリースネット縫製は、ミシンを初めて使った私でもできたくらいですから、誰でもできると思いますよ。
      ラバーコーティングネットが一番魚にダメージを与えないとよく言われますが、今回のメッシュ生地の方が手触りが優しいので魚にも優しいかも。
      ラバーコーティングネットは、(特にルアーで)フックが絡みにくいから推奨されている気がします。

  4. いやぁ、やっぱりリコプテラさんって、根っからの職人気質ですね。^^
    クッカーを入れる袋なんか作っちゃったら、次はシャツ、次はバッグ、更には今度は皮で・・・なんてことになっていくんじゃない?(笑)

    ま、そうなるのを見たくて、けしかけてるんだけど。

    • kuniさん、こんばんは。
      職人気質というか、自分でできるか挑戦してみたくなっちゃうんですよね。

      いやいや、シャツやバッグなんて無理ですよ。今回母親に教わりながら超低速でゆっくり縫ったのでなんとかネットは出来上がりましたが、ミシンが得意な人ならあっという間に完成したでしょう。

      けしかけちゃダメですよ。
      クッカーの収納袋は、実はひとつ紛失しているので作るかもしれませんが、それ以上は無理(笑)