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天然木でタモを作ろう!(その4)

タモ作り
この記事は約7分で読めます。

前回は、新うるしを使った塗装まで完了しました。
最初はムラになってしまいましたが、何回も塗り重ねるうちに良い感じになってきてまずまずの塗り上がりになりました。

あとは網を取り付ければタモとして使うことができます。

自作タモに網を取り付けよう

タモに取り付ける網については以前も書きました。


網はshimizu(シミズ)というメーカーのもの(楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る)がベストだと思いますが、目が細かいので結構なお値段なんですよね。しかも在庫切れが多いんですよ。今回は、river peakから販売されているラバーコーティングネットを使ってみることにします。

 
river peak 交換用ラバーコーティングネット
楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る
Sサイズ(外周90cm)のものを取り付けます。タモの枠径を約28.5cmに仕上げたので、外周は約90cmになっているはずです。
目はやや粗めですがラバーコンティングされているので魚体を傷つけにくいし、ハリも絡みにくいのでリリース前提ならおすすめのネットです。
ただ、これを和風のタモに取り付ける人はいないでしょうけどね。

自作タモの網の取り付け方|凧糸でテスト


広げてみると卵形なんですが、おそらく円いタモにも問題なく取り付けられるでしょう。
あとは取り付け用の糸も買いました。

 
SHIMIZU(シミズ) 天然木用仕付け糸楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る
ポリエステルの糸と針とワイヤー。それから取り付け方の説明書が付属します。
糸はダクロンのバッキングラインでも良いんですが暗色のものがないんですよね。

厚紙に等間隔で印をつける

 
タモ枠の下に厚紙を敷いて外周を鉛筆でなぞり、タモ枠の頂点からメジャーで計って2cm間隔で印を付けます。


こんな感じです。円が歪んでいますが、それはタモ枠そのものが歪んでいるからです(笑)

 
網の上部が袋状になっているので、そこにワイヤーをぐるっと一周通します。
ワイヤーを通すことで網に張りが出て取り付けやすくなります。

ここから先は、黒いポリエステルの糸だと写真に撮ってもよくわからないので、白い凧糸を使って試しに取り付けてみます。
糸の長さは2m50cmくらいにしてみましたが、それでも短かったので3mくらい用意するのが良いですね。

枠の頂点から左右に振り分けて、ぐるっと一周縛っていく

 
木枠の頂点部分から取り付けます。木枠の頂点部分に網のセンターを合わせ二つ折りにした糸で網を拾って、その輪に糸の両端を揃えて通します。

 
こんな感じにタモ枠の頂点で固定。右側の糸を針に通します。

 
ちょっと写真ではわかりにくいと思いますが、先ほど通した目と同じ目に向こう側から針を通し、できた輪の中に針を通します。つまりはハーフヒッチ(ひと結び)です。
締め込むと写真2枚目のようになります。

 
左右の糸を普通に結びます。この結び方をなんと呼ぶのかしらないんだけど。
ともかくこんな感じになったら、ここから左右に振り分けて、等間隔で網を結んでいきます。
左右どちらから結び始めても大丈夫ですが、今回は左側から。左側の糸を針に通してスタート。

 
型紙の印に合わせて木枠の内側から網の目に針を通します。

 
針をこちら側に通して、写真2枚目のような形にします。

 
もう一度木枠の内側から同じ網目に針を通し、ひと結び。


ぎゅーっと締め込みます。

 
ここに針を通し、ひと結び。

 
なんか難しく見えますが、つまりは写真1枚目のようにひと結びするだけです。
進行方向に向かってぎゅーっと引っ張って締め付けます。

 
ここまでがワンセットです。これを左へ左へと繰り返していきます。

 
左側半周ぐるっと結べました。最後は写真2枚目のようにひと結びしますが、

 
針を差し込んで徐々に締め込んで結びます。

 
右側も同様にぐるっと結びます。
最後両側の糸を結ぶんですが、糸の長さが短くて足りません。2m50cmくらいに切ってスタートしましたが、3mくらいにすれば良かった。
ともかく、これでは結べないので例によって最後の結び方は別の模型を作って説明します。

柄の部分で最後の結び方

 
木枠と柄のつなぎ目部分だと思ってください。
写真2枚目が左右から結んできて最後のところ。今気づきましたが、木も白っぽいのでちょっと見えにくいですね。

 
左側の糸を針に通して右側のこの部分に通します。
木枠の向こう側を通して手前に折り返し、左側からきた糸の下を通します。


こんな感じになりますね。

 
左からきた糸の下をくぐらせて、ひと結び。

 
もう一回同様にひと結びしてしっかり締め付けます。
余分の糸を切ります。

 
今度は右側の糸を針に通して、柄の真ん中辺りで糸を一回くぐらせます。

 
写真2枚目のように木枠左側のこの糸の下をくぐらせます。

 
先ほどの右側と同様に糸を通します。

 
右側からきた糸2本一緒にくぐらせて、ひと結び。

 
もう一度ひと結びをしてしっかり締め込みます。
余分の糸をカット。


最後に両側の結び目(先ほどカットしたところ)に瞬間接着剤を垂らしたら完成。


網をちゃんと取り付けられたら、最後にワイヤーを抜き取ります。
せっかく取り付けた網ですが、これは凧糸を使ったテストなので一旦全部解きます。

黒いポリエステル糸を使って網を取り付ける

 
ビニールタイを使って網を仮固定。7箇所留めました。
あとは上記の通り、黒い糸で結んでいくだけです。


無事に取り付け完了です。


これで天然木を使った自作のタモは完成しました!


今更ですが、こういうタモって通常この向きで使うのが正しいの?


それともこっち向き?
今回のタモは柄と枠の角度が深いので、この向きだと魚を掬いにくいかも。
アユの友釣りで引き抜いた魚を空中キャッチする時には使いやすそうだけど。
まぁ、どっちでも魚が掬えレバ良いんですけどね。


いろいろと改善点はありますが、初めての天然木タモ作りは完結しました。
ブログを始めてハックル師匠と出会い(実際にお目にかかったことはないんですが)、タモ作りについて教えていただいたおかげです。ありがとうございます!

タモを自作してみてわかったこと

  1. 天然木を曲げて作る難しさと面白さ
    まず、天然木の枝を曲げてサイズを合わせて綺麗に接着するのは想像以上に難しいです。
    薄い板を貼り合わせて作る洋風のランディングネットよりも遥かに難しいです。
    そもそもいくら真円になるように曲げても途中に節があったり曲がりがあったりするので、完璧な円にはなりません。それこそが天然木ならではの工業製品にはない唯一無二のタモが出来上がる面白さがありますね。
  2. 新うるしという塗料の特徴
    本物の漆とはまた違うと思いますが、「新うるし」はウレタン塗料に比べてかなり柔らかくて軽い力で削れます。
    実際に使ってみないとわかりませんが、源流行きで岩にぶつけてもウレタンのように傷が白化して見苦しくなることもないのかもしれません。塗り直しもウレタン塗料より手軽にできると思います。

今回の失敗点と次回タモ作りに向けて

  1. 木の選定について
    タモ作りに使うにはネズミサシの立ち枯れの木が最高だとされますが、なかなか見つけることは難しいと思います。ネズミサシ自体は生えている山の心当たりはあるので見に行ってみますが、現実的には次回も実家の山のモミを使うことになるかもしれません。
    枝の太さを基準に選ぶことにします。枝を基準にすると幹(タモの柄になる部分)は太くなってしまうので、適度な太さになるように削ります。
  2. 木を切る時期について
    木を切るのは木があまり水分を吸収しなくなった冬が適しているそうです。次回は冬に木を切って半年ほど乾燥させたいと思います。
  3. 柄と枠の角度について
    最初に曲げて固定する前段階で柄と枠の角度が浅くなるように修正をします。ここが次回作では一番注意したい点です。
  4. 枠を丸く曲げる時の注意点
    今回は枠に一部ヒビが入ってしまったので枠サイズを決めて曲げていく時には蒸気を当てながらゆっくり曲げていくことにします。
  5. 枠接着時の注意点
    接着剤を塗る前に、接着面がぴったり合わさるようにしっかり紐で固定すること。
  6. 取り付ける網について
    タモ自体はとても軽く仕上がっている分、ラバーコーティングネットの重さとゴワゴワ感が気になります。バランス的には手すき網かリリースネットが良いと思います。

今回のタモは背中にぶら下げて源流に持って行くにはサイズ的にも柄と枠の角度的にもあまり適してはいないので、里川で腰に差して使うくらいにしておくつもりです。鮎のキャスティングルアー釣りをやってみたいとも思っているので、その時には活躍するかも。
で、渓流用にはまた新たに枠径をもう少し小さくして枠の角度を浅くしたものを作りたいと思っています。
網は目の細かい手すき網か、ランディングネットに取り付けたようにリリースネットを裁縫するか、どちらかにします。

ともかく、今回はなんとかタモが完成して嬉しいし、達成感があります。
ありがとうございます!

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魚ココロあれば水ココロあり

コメント

  1. おはようございます。
    見事に完成しましたね、最初白い糸の画像を見た時、?っと思いましたが、最後に黒糸、流石にセンスが光りますね、タモの角度は腰のベルトに差した時水平になる位が恰好良くて、竿の操作の邪魔にならないからです、私は、最初はアユのタモから始めましたが、アユの場合は角度はほんの少しだけです、しゃがんで膝の裏に挟んでオトリ交換をしますので、角度が有り過ぎると先端が水中に入り、放流に協力する事になるからです。
    今度は、リコプテラさん独自の天然木のランディングネットを作って見てはいかがでしょう。
    渓流タモの網の目は、オモリがタモの目に入り仕掛けが絡んでメチャメチャになる事を防ぐ為、2mmとか2.5mmを使い、パンとした網が良いとされています、金ザル的発想でしょう、それからすれば餌釣りでなければ必要ないですね。

    • ハックル70さん、こんばんは。
      ありがとうございます。ここまでなんとか形になったのはハックルさんのおかげです。
      なるほど鮎タモは角度が浅いんですね。
      何に使うにせよ次回はもっと角度を浅くするのを課題にします。
      手すき網の目が妙に細かいと思っていたんですが、餌釣りの繊細な仕掛けが絡まないためだったんですね。納得しました。
      自分なりにいろいろ反省点があるので、次回はもう少し工夫して作れたらと思っています。

  2. おはようございます
    私が持っているタモは、柄と枠が真っすぐな工業製品ばかりですが。
    タモの使う向き、最初のお玉の様に構えるのって、何か素敵です。
    大切なものを扱う時の感じがするのは、私だけかも知れませんが。

    • マンボウさん、こんばんは。
      本当はもう少し柄と枠の角度を浅くしたかったところですが、これでもタモとしては使えるので近々なんとかイワナかアマゴをキャッチしてみたいと思います。
      お玉方式、ちょっとユーモラスですが、おっしゃる通り魚を優しく掬うイメージありますね。
      ともかく試用してみます。

  3. 世界でただ一つのオリジナルタモ完成 おめでとうございます!
    本当に初めての製作でしょうか?
    素晴らしい完成度で驚かされています!
    主様 間違いなくプロになれますよ!!
    次回作にも期待します!

    (木を乾かす工程の前に可能なようであれば釜でぐつぐつと1時間ほど煮るとなお狂いが少なくなります…個人的な経験上 煮るまえに皮はむいたほうがいいような気がしています)

    • へら師さん、こんばんは。
      ありがとうございます! おっしゃる通り世界に一つだけのタモであることは確かですね。
      タモ製作は正真正銘初めてですが、洋風のランディングネット作りは一度経験があるので、少しはそれが生きているかもしれません。
      完成度はそれほどではないんですが、お褒めいただきありがとうございます。
      狂いを少なくするために煮沸すると良いんですね。とても参考になります。次回はやってみますね。
      へら師さんこそタモ作りの経験がかなりあるようで、もしかしたらプロなんじゃないでしょうか。今後ともいろいろ教えてくださいませ。

  4. 何かと面倒な案件を複数抱えてネット社会から遠ざかっている間に、こちらのブログは着々と記事がアップされてますね。(笑)
    なんだか初めての作とは思えない、かなりの出来のタモアミが完成しているではないですか。
    いや、これは素晴らしい。

    • kuniさん、おはようございます。
      いろいろと大変だったみたいですね。おつかれさまです。まだ完全解決していないようですが、少しは休めるようになったでしょうか。

      第一回タモはいろいろと失敗点もあるんですが、得意の「ごまかし」でなんとか仕上げました(笑) ありがとうございます!