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渓流フライフィッシング入門|タックル編

おすすめアイテムフライフィッシング
この記事は約13分で読めます。

当ブログを読んでいただいて、「今年からフライフィッシングをやってみよう!」なんて思っている方もいらっしゃるでしょう。
身近にフライフィッシングを懇切丁寧に教えてくれる方がいれば良いのですが(教えてくれる人の教え方が上手いかどうかが問題ではあるけど)、そうでない方のために向けて書いてみます。
私は他の釣りもそうですが、フライフィッシングでも特に先生がいるわけではなく最初は全く釣れないところから始めて、独学で今では楽しい釣りができるようになったので、初心者の気持ちがよくわかります。


まず、フライフィッシングは道具立てが複雑だし、キャスティング方法も他の釣りとは全く違うのでとにかくとっつきにくさがあります。道具も一体何をどう揃えたら良いのかさっぱりわからない。
何回かに分けて書きますが、今回は道具編です。
フライフィッシングで狙える魚は淡水から海水まで実に多彩ですが、フライフィッシングのメインターゲットと言える渓流のトラウト類(マスの仲間)を初心者が釣るという設定で話を進めます。

フライフィッシングを始めよう!|タックル編

(1)フライライン

フライフィッシングが他の釣りと大きく異なる要因はすべてこのフライラインにあります。
まずはここから選定していきましょう。
他の釣り方の糸とは違い、コアと呼ばれる芯材にPVC(ポリ塩化ビニル)などのコーティングをした二重構造になっています。一般的な釣り糸とは比較にならないほど太くて重いです。

フライラインの番手

フライラインはその重さによって#0〜#15くらいまであり、数値が大きくなるほど太く重くなります。初心者が渓流用として使うなら#3か#4です。初心者には#4をお勧めする人が多いですが、私は渓流では細いラインの方が魚にプレッシャーを与えにくい点も考慮して、#3をお勧めします。

フライラインのテーパーデザイン

フライラインは初めから終わりまで均一な太さではなく、先端部はシームレスなテーパーが付けられています。渓流で使うならダブルテーパー(DT)かウェイトフォワード(WF)ということになります。ダブルテーパーは近距離の操作性が良く、ウェイトフォワードは遠投に向きます。初心者は迷わずDTです。

フライラインの浮力

フライラインは主に水に浮くフローティングライン(F)と水に沈むシンキングライン(S)があります。シンキングラインは沈むスピードによって区分けがあったり、他にも特殊なラインもありますが、渓流用は迷わずフローティングラインでOK。

フライラインのカラー

他の釣りをやっていた人がフライフィッシングを始めた時にまず戸惑うのがラインのカラーでしょう。こんなにド派手な太いラインを水に浮かべて魚が釣れるの? って思っちゃいますよね。私も最初は半信半疑でした(笑)
でも、ご安心ください。このフライラインの先に透明なリーダー(テーパーのついた道糸)とティペット(ハリス)を最低でも竿1本分は結ぶので、問題なく魚が釣れます。
一般的なオレンジやイエロー、ピンクの他、ナチュラルなグリーンやブラウン、ライトブルーや真っ白なものもあります。
魚への警戒心を減らすという意味ではナチュラルカラーを選びたくなりますが、キャスティング時の視認性の方が重要なので、私のお勧めカラーはオレンジです。

お勧めのフライライン

以上を踏まえてお勧めのフライラインは、#3のダブルテーパーのフローティングライン。
品番で言えば、DT-3F、カラーはオレンジということになります。
フライラインって結構高くて、一流メーカーのフライラインともなると安くても5,000円くらいから10,000円以上する場合もあります。
ラインは消耗品なので、そこまでお金を掛けたくないですよね。下記リバーピークのラインはお手頃価格で、品質も安定しているのでお勧めです。


river peak フライライン DT-3F楽天で見るアマゾンで見る・ヤフーで見る )
比較的柔らかめのラインで遠投しにくいという人もいるみたいですが、渓流のフライフィッシングでは問題なく使えます。

フライロッド(釣り竿)

フライフィッシングはキャスティング方法が他の釣りとは異なる特殊なものなので、できるだけ調子の良いロッド(釣り竿)を使いたいですが、狙う魚によって細分化されていて同程度のスペックの竿でも価格はピンからキリまで、どれを買ったら良いのか最初は迷ってしまいますね。
ロッドを選ぶのにいくつかの基準があります。

番手

上記フライラインの項で説明した通り、渓流用にお勧めのフライラインは#3なので#3のロッドを選べば問題ありません。

素材

ロッドの素材は、竹、カーボングラファイト、グラスファイバーの三種類がありますが、その多くはカーボングラファイト製です。
竹は高価で取り扱いが難しいし、グラスファイバーも慣れないと扱いにくいので、初心者は迷わずカーボングラファイトです。

アクション

アクションとはロッドを振った時の曲がり具合のことです。
渓流のエサ釣りをやったことがある方なら「先調子「胴調子」と言えばわかりやすいと思いますが、フライフィッシングでは先調子はファストアクション、胴調子はスローアクション(またはミディアムアクション)と呼ばれます。

ファストアクションとスローアクション


ファストアクションはロッドを振った時に竿の先端部寄りが曲がるタイプです。
ピンポイントコントロールはしやすいですが、反面、キャスティングのタイミングミスに対する許容幅が狭く慣れないとフライを上手く投げられません。
スローアクションはロッドを振った時にロッドのグリップ寄りが曲がるタイプです。
ゆったりとしたテンポでキャスティングできてキャスティングのタイミングミスに対する許容幅が広いので、反面、ラインの重さを感じにくく慣れないとピンポイントでフライを投げるのは難しいです。
その他にファストとスローの中間くらいのミディアムアクションがあります。
ファストとスロー、どちらが初心者向きかというと、全く逆のことを言う人もいると思いますが、渓流に限って言えば私はファスト寄りの方が初心者向きだと思います。
一番お勧めなのは、ミディアム寄りのファスト、つまりはミディアムファストと言われるようなアクションのロッドですね。

長さ

一般的に渓流用に使うロッドとしては7フィート6インチ(約229cm)が標準仕様で最も汎用性が高いと言われています。私のおすすめは7フィートか7フィート6インチです。選択肢があるなら、より短い7フィートがお勧めです。

セクション(継本数)

ロッドが何本に分かれているかということです。
一般的に、初心者におすすめのフライロッドというと3本継(3pc)か4本継(4pc)ということになりますが、私は渓流のフライフィッシングでまず1尾を釣り上げるならある程度上流部のイワナを狙った方が良いと思っているので、敢えて6本継(6pc)の竿をお勧めします。
アクションが犠牲になっていなければ6pcロッドで開けた渓流で釣る分にも全く問題ないし、6pcロッドならバックパックサイドに装着して源流部に向かうこともできるので、よりオールマイティーが使い方ができます。

おすすめのフライロッド

上記を踏まえて初心者におすすめの一本を選ぶと、6ピース7フィートのカーボングラファイトでミディアムファストアクションのものということになります。
おすすめの一本は下記のriver peak JP6-7636です。


river peak JP6楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る

7フィートロッドもラインナップされていて長さ的には短い方が扱い易いですが番手が#2で初心者向きではないので、#3の7フィート6インチの方をお勧めしておきます。このロッドは私も購入して使ってみました。
↓JP6のレビューはこちら。

フライリール

リールもフライフィッシングのものはちょっと特殊です。
他の多くのリールと違ってギヤ比1:1。つまりハンドルを1回転すればスプールも1回転するだけです。渓流では超大物でもかからない限り、出したラインは手で手繰り寄せながら魚とやりとりします。リールは単なる糸を巻いておくための物、というスタンスです。
なので、それほど高価なものは必要なく、アマゾンで売られている廉価なディスクドラグリールでも良いんですが、私のおすすめはクリックドラグを搭載したOVIS バテンキルクリックIIです。
クリックドラグはディスクドラグよりドラグ性能は劣りますが、渓流では十分です。
このクリック音が私はとても好きなんですよね。小型軽量のこのリールはとにかくお勧めです。


オービス バテンキルクリックII楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る

↓リールのレビュー記事はこちら。

単なる糸巻きの割には、お勧めロッドよりも高価なんですが、このリールは長く愛用できると思うので、渓流フライフィッシングを続けるのであれば最初からこれを買った方が後悔しないでしょう。
ただ、繰り返しますがアマゾンで売られている廉価なリールでも釣りをするには問題ないので、それを買っても良いです(アマゾンで見る)。

バテンキルクリックIIを使うのであれば、フライラインを巻く前にバッキングラインを巻く必要があります。

バッキングライン、およびその巻き方については下記記事をご覧ください。

リーダーとティペット

リーダーは最初はそれほどこだわる必要はなく、最初はロッドと同じ長さのナイロンのものでOK。
7フィート6インチのロッドなら7フィート6インチ(7.5FT)のリーダーをラインに結んで釣り開始。フライを結び替える度に少しずつティペット部は短くなっていくので、時折ティペットを継ぎ足して使います。
初めのうちはライントラブルでリーダーがこんがらがったりヨレヨレになったりすることもあるので、予備のリーダーもいくつか用意しておきます。


river peak テーパードリーダー 7.5FT 6X楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る
リーダーのティペット部が短くなった時に継ぎ足すためのティペットも用意します。
太さは「X」で表示されていて、渓流で使うなら5X〜8X、数字が大きくなるほど細くなります。
私は普段7Xをよく使いますが、最初はライントラブルやアワセ切れを防ぐために6Xがお勧めです。


VARIVAS マスタースペックII 6X楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る
私はこのところフロロのティペットを使っていますが、フロロは水に沈む性質があるのでドライフライの釣りをするなら最初はナイロンにしておくのが無難です。

フライ

よく魚釣りは「一場所、二餌、三に腕」と言われます。
つまり、餌は腕以上に重要だということです。フライはフライフィッシングの言わば餌です。
とても重要なんですが、フライの種類はとにかく多くてどれを使ったら良いのか、これも初心者には大問題です。

その前に、フライにはドライフライ、ニンフ、ウェットフライなどいくつかの分類があります。
初心者にお勧めなのはもちろんドライフライの釣りです。
そして、最初に用意するフライは、アダムスパラシュートとエルクヘアカディスの2種類のみでOKです。というか、この2種類以外は絶対に用意しないこと、最初の一尾を釣り上げたければこれがとても重要です。サイズは#14だけで良いです。
フライの数が多ければ多いほど、釣れないのを「フライがダメなんだ」と勘違いしてあれこれ結び直したりして釣りに集中できません。
大丈夫です、アダムスパラシュートを投げ続ければ必ず釣れます。日差しが強い時間帯や夏はエルクヘアカディスに変えてみたり、という程度でOK。

もちろん上記記事を見て自分で作っても良いですが、タイイングツールやマテリアルを用意するのにかなりお金がかかるし、はっきり言ってメンドクサイので(笑)、最初は素直に買いましょう。
フライをネット販売しているショップはいくつもありますが、安かろう悪かろうのショップもあります。高品質で価格もお手頃な下記ショップがお勧めです。

完成フライ専門ショップ WINFIELD

もう一度繰り返しますが、買うフライはアダムスパラシュート#14とエルクヘアカディス#14の2種類。最初は枝に引っ掛けて失くしたりすることも多いので、それぞれ10本くらいずつ買っておきたいですね。

その他、周辺ツール

フロータント(浮力剤)

ドライフライは水に浮くように作られていますが、キャスティングを繰り返していると浮力が落ちて沈むようになってしまいます。そこでできるだけ長く浮力を保つようにフライに塗るのがフロータントです。パウダータイプ、スプレータイプ、リキッドタイプ、ジェルタイプなどいろんなタイプがあります。


river peak ローラーフロート楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る

↓フロータントのレビュー記事はこちら。

 

ラインクリッパー

リーダーやティペットを切るためのカッターです。爪切りのような形をしたものが多いです。
これは切れ味さえ良ければなんでも良いですが、フライのアイをクリーニングできる針が付いたものにしましょう。
とりあえずは小さなハサミがあれば事足りますが。


シーアンドエフ ラインクリッパー CFA-150楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る

 

ランディングネット

釣れた魚を掬うための網です。写真映えするネットを自作するのも楽しいですが、尋常ではなく手間がかかるので初心者にお勧めするようなことではありません。

渓流魚に合わせたコンパクトなサイズで魚が掬えるものなら、安価なもので十分です。


river peak ラバーコーティング ランディングネットS楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る

しっかりとした作りの木製フレームと魚に優しいラバーコーティングネット。仕上がりも綺麗で、これで3,000円弱とはコスパ最高でおすすめのネットです。

 

偏光グラス

ドライフライは目でフライを追って魚が出た瞬間に合わせる必要があるので、偏光グラスは必需品です。予算があればTALEX楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る)が良いですが、それだけでフライロッドが買えるくらいの価格なので、最初は廉価なもので。


SHIMANO フィッシンググラス FL スモーク HG-067J楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る

 

ウェーダー

渓流釣りは川に立ち込む場合が多いのでウェーダーも必需品ですが、当初管理釣り場で練習する場合は必要ありません。
自然渓流でも、夏場はタイツにウェーディングシューズというウェットウェーディングスタイルで釣り上る場合は必要ありません。

ウェーダーも安価なものから10万円くらいするものまでいろいろありますが、快適さの面で透湿防水素材であることは譲れないので、その中でリーズナブルなものが良いです。


リトルプレゼンツ N3 ウエストハイウエーダー楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る
渓流では身軽に動ける腰までのタイプ(ウエストハイ)がお勧めです。

 

ウェーディングシューズ

ウェーディングシューズはフェルト底のものとゴム底のものがありますが、ゴム底は源流向きなので最初は汎用性の高いフェルト底のものでリーズナブルなものを。これも管理釣り場の場合は必要ありません。


リトルプレゼンツ ライトウエイトWDシューズ楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る
ソールが柔らかいので大石があるような渓流でもとても歩きやすいです。

 

フィッシングベスト

これはなくても釣りは可能ですが、使うフライの数が増えてくるとフライケースがいくつか入ったり、小物も整理できるポケット数の多いベストが欲しくなります。
ブランドにこだわらなければ、アマゾンで売られている廉価なものでも問題ないです。


フライフィッシング用ベストアマゾンで見る

以上のものを揃えればフライフィッシングは始められます。
まずは、管理釣り場でキャスティング練習を兼ねて釣ってみましょう。河川エリアの方がより実戦に近い練習ができますが、とりあえず止水エリアでもフライを浮かべられればニジマスを釣ることはできるでしょう。

今回はタックル編なのでキャスティング方法には触れませんが、キャスティングに関してはネット動画を見てもらった方がわかりやすいでしょう。

ひとつだけ言っておくと、渓流では遠投は必要ありません。
それと、フライフィッシングを始めるなら季節も重要です。今年からフライフィッシングを始めると言っても解禁当初、3月の渓流で釣るのは容易ではありません。
地域差もありますが、4月中旬頃からが釣りやすい時期になるので、それまでは管理釣り場などで釣る感覚を身につけて渓流デビューするのが良いと思います。
GOOD LUCK!

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魚ココロあれば水ココロあり

コメント

  1. おはようございます
    記事で引用していた「一場所、二餌、三に腕」は実に至言だと、年々、その思いが強くなっています。
    渓釣りハイシーズンは、4カ月程先ですが、楽しみです。

    • マンボウさん、こんばんは。
      釣りはとにかく場所選びが一番大事ですよね。魚がいない場所ではいくら餌が良くても腕が良くても釣れませんからね。
      その場所選びも腕のうちという考え方もありますが(笑)
      2月に入って、こちらは渓流解禁も迫ってきましたが、今年の冬は強烈に寒くて釣りを楽しめる雰囲気はまだ先のようです。

  2. ボクがフライフィッシングを始めた頃に、この記事と出会いたかったなぁ。
    当時は「フライフィッシングのスタンダードは6番」と、アメリカでニジマスを狙うのと同じ感覚で堂々と雑誌に書かれていたりしましたから。
    もちろんボクが初めて手にしたのは、6番タックルでした。(笑)
    結果としては当時のボクは遠出する足もなく、近所の野池でブラックバスやブルーギルを相手にフライロッドを振り回していたので6番は正解だったかもしれませんけどね。

    • kuniさん、こんばんは。
      標準が6番とはなかなかですね(笑)
      確かにブラックバスを狙うにはちょうど良いかもしれません。
      渓流も慣れてくればある程度どんなタックルでもそれなりに釣りができますが、私もフライフィッシングを始めた頃は何が何だかさっぱりわかりませんでした。
      これから渓流のフライフィッシングを始めようとする方に少しでもこの記事が役立てばうれしく思います。

  3. フライフィッシングは始めるのハードル高いですね。こちらやってる人見たことなかったのでどうしようもなかったです。そうしているとkuniさんと知り合って恵まれた状態に(笑)

    • Nori1022さん、こんばんは。
      そうですね、フライフィッシングは敢えて小難しくしている面があるので(笑)
      Noriさんちの辺りではフライフィッシングをやっている人はあまりいないんですね。
      釣りの師弟関係もなかなか大変で、おかしな人についちゃうと一向に上達しないなんてことになりかねないですが、kuniさんが師匠なら最高ですね。