お浸しっていう料理あるでしょ。
料理と言っても、基本的には茹でて醤油をかけて食べるだけ。
これ、料理って言えるの?(笑)
お浸しの代表と言えばほうれん草ですね。ほうれん草の場合特にそうだけど、お浸しって茹で過ぎちゃうと台無しになるんですよね。
近くのラーメン屋さんで、定番の具としてほうれん草のお浸しが乗っているんですが、これが確実に茹で過ぎなんですよ。最初は「きっと今日は茹でるのちょっと失敗しちゃったんだろう」と思っていたんですが、次回行った時にも同じゆで加減(>_<)
これで良し、としている感覚が理解できない。それからそのラーメン屋さんには行かなくなりました。
お浸しにするとうまい二大天然食材
本題からすっかりずれちゃった(笑)
えーと、何だったけな?
あ、そうそう、ほうれん草や小松菜のお浸しもうまいですが、それよりも遙かにうまいお浸しがあるんですよ。しかも野山からタダで採ってこられる食材で。
それが、ナズナです!
ナズナはうちの婆ちゃんがたまに採ってきてお浸しにしてくれました。
その味はなんと表現していいかわからないけど、ほうれん草よりもシャキシャキして歯切れが良いし、味が濃くて独特の旨みがあります。ナズナに比べるとほうれん草はなんか味が薄く感じます。
でも、これはスーパーで売られている野菜全般に言えるかもしれませんね。
実家で作ってるキュウリやトマトに比べると、スーパーで売ってるのはなんか味が薄い感じがします。
ナズナの他にお浸しにするとうまいのはセリですね。
ナズナは噛めば噛むほど旨みがでてくる感じですが、セリは爽やかな風味が何とも言えない!
どちらも甲乙付けがたい。
ナズナを採りに行こう。
ナズナは陽当たりの良い空き地や、牧草地なんかに良く生えています。
もちろん畑にも生えるけど、除草剤的なものが撒かれる可能性もあるし、他人の畑に勝手に入って採るのはちょっとまずい気がするし。
おすすめは牧草地ですね。
牧草地だって勝手に入って採っちゃまずいんじゃないの?
それがですねぇ、うちの辺りは田舎なので畜産農家もまだたくさんあって、牧草地も結構あるんですよ。そして、昔からその牧草地でナズナ採りをしている人たちの姿は早春の風物詩とも言えます。牧草地の持ち主じゃなくて、全然関係ない人が採ってるんですよ。
この辺りの畜産家の皆さんは寛大なので、牧草地に入ってナズナを採っていても文句を言う人はいません。ありがたいことです。
他の地域でも、まさかナズナを採ったからといって怒る人なんていないと思うけど、どうだろ。
便宜上『山菜採り』のカテゴリーにしたけど、ナズナは山菜って言うより野草。
そう、ただの草なのだ。
地域によって違う、山菜採りの慣習。
あ、そう言えば、昨年知人が木曽に釣りに行った帰りに、林道に上る斜面でコシアブラを採っていたら、もの凄く怒られたと。最後には「勝手に採ったら警察呼ぶぞ」とまで言われたとか。
その場は、とにかく平謝りで帰ってきたけど、後から考えると特に入山禁止と書かれていたわけでもないし、ちょっとコシアブラを採ったくらいであんなこと言われたのに腹が立ってきたと言ってました。それに、怒ってきたのは単に林道を通りがかった人で、山の持ち主でもないようだし。その人が言うには「よそから来て木曽で山菜採っちゃだめだ」ということらしい。
そんなに世知辛いの?
うちの辺りでは、入山禁止にしてるところは別だけど、それ以外は山でコシアブラ採っても怒る人なんていない。
地域によって違うもんなんですねー。山菜を地元以外で採る時は気を付けた方がいいですね。
牧草地を探索してみよう。
こんな感じの牧草地。まだ草が茂る前のこんな場所にナズナが生えています。
ホトケノザも生えていました。
以前に、このホトケノザとヒメオドリコソウをいつからか混同していた件を書きましたね。詳しくはこちら。
最近はホトケノザよりヒメオドリコソウの方が圧倒的に多いです。
これがナズナです。
どれ?って感じですが、雪の結晶みたいに葉を広げてるヤツです。
ナイフで根元から切って採ります。
子どもの頃、婆ちゃんは古くなった包丁で切ってました。
どう見てもただの雑草ですね(笑)
でも、この草、かなりうまいんですよ。
こんな感じに葉が赤味を帯びているものもあります。
このくらい葉がしっかりしてると食べ応えがありますね。
ナズナは、成長すると真ん中から芽が伸びてきて、やがてこんな白い花が咲きます。
こんな状態になったものは食べられません。別に毒じゃないけど。
ナズナって伸びた茎にハート型の葉っぱみたいのが付いてるでしょ。
これ葉っぱじゃなくて実らしいけど。
この実を一つずつ下にひっぱると皮だけでぶら下がる状態になって、茎を持ってクルクル回すとシャラシャラ音がするんですよね。
ペンペン草っていう別名もあります。
ナズナのお浸し
採ってきたナズナ、80gほど。このくらいなら短時間で採れます。
ナズナは下の方の葉が枯れている場合があるので、それを取り除き、根を切り落とします。
葉がバラバラにならないようにギリギリのところを包丁で切り落とします。
食べられる部分とゴミの部分を分けました。
前にも書きましたが、うちの辺りでは山菜やキノコをきれいにするのを「そろえる」って言うんですよね。この「そろえる」のが大変な三大山菜は、ナズナ、ノビル、ツクシですね。
この中でナズナはそれほど大変じゃないけど。
どれもかなりうまいのにイマイチ人気がないのは、採った後が大変だから。たぶんそう。
この3つは山菜っていうより、野草だけどね。その辺に生えてる草だから、見た目がぱっとしないってのもあるけど。
その点、タラの芽やコシアブラはそろえる必要もなく、軽く洗ってすぐ天ぷらにできちゃう。
人気があるのがわかる。
揃えたナズナは水を張ったボウルに入れて、揉むようにして良く洗います。
こんなに泥(砂)が落ちます。もう一度洗います。
洗ったらなんだかナズナの色も鮮やかになって、生き生きとして見えますね。
茹で時間はたったの20秒。茹ですぎ厳禁。
鍋に日本酒大さじ3、みりん大さじ1を入れ一度煮切ってから、醤油大さじ2と鰹だしの素小さじ1を入れて再沸騰させたら冷ましておきます。
ナズナはたっぷりのお湯で茹でます。茹で時間はほんの20秒ほど。茹ですぎないように注意。
20秒茹でたらすぐにザルに取って冷水で冷やします。
ゆで上がりはとてもきれいですね。赤味を帯びた葉っぱも全部鮮やかな緑色になります。
ここで水分をぎゅーっと絞ります。
先ほど作って冷ましておいた出汁醤油と和えます。
今度は少し水分が残る程度に絞ります。
皿に盛って、細かくしたかつお節を振りかけたら完成!
やっぱりナズナはうまい!
今回は出汁醤油で和えてうまみたっぷりに作ったけど、シンプルに醤油とかつお節をかけるだけで十分だな。
そのくらいにナズナはうまいのです(^_^)
★後日追記:
ナズナ&アサリバターも作ってみました。詳しくはこちら。
こんばんは。
お浸しの茹ですぎには、しばしば遭ってしまいますね。
茹ですぎなのか、茹で終わってからお湯から揚げないのか、ドロドロ寸前が好きなのか、好みは十人十色といいますが。
自分はメンツユでのツユダクお浸しも結構好きです。