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崩落のイタチ谷|天竜川水系 一泊釣行(一日目)

ソロキャンプフライフィッシング野外調理
この記事は約20分で読めます。

昨年の梅雨は全く雨が降らず、梅雨明け宣言したとたんに7月はずっと雨続き。釣行予定が狂って気づけばもう盆明けで、一泊釣行に出かけられたのは8月も末でした。
今年はスケジュール的に7月、8月は一泊釣行に出かけられるか微妙なので、梅雨の晴れ間になんとか一泊釣行をねじ込みました。
前日にかなりの量の雨が降って天竜本流は増水してたから水量がちょっと心配だけど、6月24日、日曜日の朝出発。
場所はここ数年毎年泊まりに行っているイタチ谷です。

川の神様が歓待してくれたイタチ谷|フライフィッシング&テンカラ釣り

 
朝5時半頃車止めに到着。
MTBにリアキャリアを装着し、そこにその場しのぎのBBQ網を取り付け、テント、寝袋などの大物荷物をくくりつけていると・・・
一人フライマンがやってきたので、挨拶してどの辺りから入るか確認。
私が行くところよりはだいぶ下の方らしい。
私は一泊なのでのんびり行きますからお先にどうぞ、と見送ります。

くくりつけた荷物が8kgくらい、背中のバックパックに10kgほどの荷物を背負って出発。今回荷物を軽量化したつもりだけど、結構な重さになっているぞ(^_^;)
漕ぎ始めると、パラパラと霧雨が眼鏡にまとわり、なんとか到着まで保ってくれないかなぁと空を見上げながら進みます。

いつも通り長い林道走行が始まる。

 
1時間ちょっと漕いで、先に行った人の自転車が停まっていないかなとキョロキョロしながら走ります。あれ、この辺から入るって言ってたと思うけど、自転車の轍はまだ先の方へ伸びています。
倒れた朽ち木からたくさん生えている謎のキノコ発見。
食用菌のような雰囲気もあるけど、私が知らないやつなので手出しせず。というか、こんな場所でたくさんキノコを採っても困る。

 
第一キャンプ村付近に到着。ここは一昨年泊まったところ。ここまで辿り着いただけで今日は結構ヘトヘト。なんだかいつもと調子が違う。
ここで、ようやく先行者の自転車発見。そうか、ここまで来たのか。この辺りも結構魚影が濃いから、良い釣りを。
その先の淵をのぞき込みます。予想外に濁りは全くなく、通常水位に比べればまだまだ減水状態。なんだか今年も空梅雨の気配。
写真2枚目黄色矢印の巻き返しは、一昨年良型イワナが釣れたところ。

 
さらに上って、いつもの清水ポイントにたどり着きました。
ウワバミソウ(ミズ)がワサワサ生えています。
ここで水筒の水を入れ替えます。昨今は生水はあんまり飲まない方が良いということになってますが、まぁ、ここの水なら大丈夫でしょう。

何かがおかしい。この疲れ方は一体何だろう?

 
とんがり岩キャンプ村到着。ここは、昨年二泊三日した場所
いやーここまで来ると、ほんとにヘトヘト。昨年はここまで来るのにこんなに疲れたっけ。
ちょっとバックパックを下ろして大休憩。
ここまで自転車を漕ぎながら、もしかしたら今日のメインストーブであるマイクロマックスULを忘れたんじゃないかという疑惑が頭の中を行ったり来たり。
引き返すわけにはいかないから、途中で確認せずに、もしなかった場合の対応策をあれやこれやと考えながら来たんですよね。
ザックを開けてみると、SOTOの収納袋の中から見つかったので一安心。

それにしても、今日の疲れ方はなんだろう?
今日はまだまだ上まで行くけど大丈夫かな。
いつも通り根性で乗り切るしかないんだけどね(笑)

 
昨年11月の水中撮影の時には普通にMTBで通過できたけど、林道全体が落石に覆われてしまっています。それだけならまだしも、写真2枚目の場所は林道もろとも崩れ落ちそうに崩落してきている。雨で地盤が緩んだ後にここを歩いている時、林道が崩れ落ちた場合どうなるだろうかと、頭の中でシミュレーションしてみたけど、どう考えても生還の道はないように思える。
MTBを押して、そぅーっと、尚かつすばやく通過します。ああ、オソロシヤ。
仮に帰りにこの林道が崩れ落ちて無くなっていても、川伝いに下りれば良いから帰れなくなることはない。

もしかしたら脱水症状なのか、それともハンガーノックなのか。

ここよりももっと瓦礫が積もった箇所も、なんとかMTBを担ぐようにして通過。MTBはもう途中に置いて歩いた方がいいんじゃないかと思いつつも、なんとかMTBを引きずって歩きます。
そうこうしているうちに、急激に体の動きがにぶくなってきました。
目的地までもう少しのはずだけど、数十m進んでは少し水を飲んで休み、また数十m進むというような状態。フゥーフゥーいいながらなんとか前進。


もう無理。ほんとにムリ!
もうバックパックを下ろして、林道(もはや落石だらけでまともな林道ではないけど)の小砂利の上に倒れ込むように仰向けになります。
ちょっと背中を伸ばして寝よう。私は割とどこでも寝られるのが特技。30分くらい本当に眠りました。遠くで鹿のキョーンという声がしたので、ハッと目が覚めました。目覚めた瞬間自分がどこにいるのかわかりませんでした。

そうか、釣りに行く途中だったのか。
川を見下ろすと、テントサイトにするのにちょうど良さそうな場所がある。もうここでいいじゃん。
でも、もう少しだから当初の目的地までもう一踏ん張りするか。

重い体を起こし、再び目的地に向けて歩き出しますが、ほんの少し歩いただけで喉が渇くし、いつもとは全く調子が違う。
目的地まであとほんの数100m地点まで来たけど、また大変そうなガレ場が現れたので、さっきの場所まで引き返してそこでテントを張ることにしました。もう、疲れ果てました。

後々考えると、前日体調不良で下痢だったこともあり、もしからしたら脱水症状になっていたのかも。
確かに今日も体力は使ったけど、秋にマツタケを求めてMTBで走った後、いくつかの山を上り下りしている方が体力的にはよっぽっどキツイはず。
林道状況が良かったとは言え、昨年もここまではMTB漕いで来てるんだし。どう考えてもこんなにヘロヘロになるのはおかしい。
途中水分補給はしてきたけど、調べてみると脱水症状というのは水だけ摂って電解質を補給しない状態でもなってしまうらしい。
私はスポーツドリンクってあんまり好きじゃないんですよ。あれってなんか甘みがあって飲むと余計に喉が渇く気がするから。だからいつもアウトドアの水分補給は水だけ。
きっと塩分とかも採った方が良いんだよね。

それか、ハンガーノックという状態だったのかも。

ハンガーノックとは。
激しく長時間に渡るスポーツの最中、極度の低血糖状態に陥ること。
自動車に例えるならばガス欠であり、肉体がエネルギーを失った状態を意味する。この時、自らの意志とは関係なく、体は動きを停止する。脳へのエネルギー供給量も減少するため、意識の低下や思考の鈍化を生じる。
休息を取ることで、脂肪など分解に時間がかかるエネルギーが供給されて回復する。より早い回復には、ブドウ糖・果糖などの糖質補給が有効である。緊急時には、点滴を打つなどして血糖量を直接回復させることもある。
予防策として、耐久競技など長時間に渡るスポーツにおいて、競技中に適度な補給食をこまめに摂取することが行われる。・・・ウィキペディアより

いずれにしても、今までに経験したことのない体のだるさ。早く何かを食べて体を休めないとヤバイ感じがする。
そもそも携行食(カロリーメイトみたいなやつとか)を全く持ち歩かないのは問題だよね。
今さらそんなことに気づくアホな私なのであった。

とにかくお昼を食べて安静にしないと、死にそうな予感がする。

 
ところでこの場所、テントを張るのにイイ感じじゃんね。
もう体が全然動かないけど、なんとか最後の気力を振り絞ってスコップで少し整地してテントを張ります。まさにここは精神力のみ。

 
グラウンドシートでテント位置を決めて、慣れていればテントは5分くらいで設営完了。
ふぅー、これでもう雨が降ってきても大丈夫。

 
今回新たに導入したモンベル U.L.コンフォートシステムピロー楽天で見るアマゾンで見る)。
これね、あるのとないのでは大違い。超おすすめしたいけど(別にモンベルさんに頼まれた訳ではない笑)、まぁ、長くなるのでまた別記事で。

とにかくお昼を食べないと死ぬ(比喩でなく)。

 
テントサイトにさっきのミズでも生えていないかとキョロキョロしてみると、アザミがたくさん生えています。アザミの葉は前に食べたことがあるけど、今回のはなんだか大きい種類で葉が堅そうなので一番真ん中の新芽(写真2枚目黄色矢印)を食べてみることに。

 
それからフキ。早くお昼を食べれば良いのに、持って来た食材に限りがあるから体調回復させるには少しでもいろんな栄養素をプラスした方が良いだろうと、冷静なのか冷静じゃないのかわからない判断をしつつ、調理開始。ラーメンを作ります。
昨年猿に食われた三種類具材パックを今年も持参。二年越しでやっとまともに食べられる。

 
現地調達の具材も含めてカット。味付卵はもっと半熟が好み。
インスタントラーメンはお気に入りのマルちゃん正麺の醤油味。これに勝るインスタントラーメンはなし。
ただ煮れば良いので、3分で完成!


本日のランチ
・アザミの芽&フキ入り醤油ラーメン
・食後の紅茶

うまい!うますぎる!!
ただ単に腹ペコなだけだろう(笑)
体は動かないけど、食欲はあって良かった。これで食欲がなくなったら、ほんとにヤバい状態なんだと思う。ちょっと生き返った気がする。

アザミの新芽を食べた感想・・・先端部は繊毛が密集していて、妙に繊維質でうまくない。

 
先端より少し下の部分は、ホクホクして結構いける。フキはほどよい苦味で、ラーメンに入れてもかなりうまい。紅茶を飲んで、やっと一息。

 
青空が覗いてきたし、目の前に好ポイントが広がるけど、まだ体がだるくて仕方ないし、なんか頭もぼぉーっとしてる。
何もやる気がおきない。寝た方がいいね。


まだ1時になったばかりだから、2時間くらい寝たあとでも釣りはできるし。
こんなふかふかのベッドがあることだし。

 
気温は上がってきてるけど、インナーテントのファスナーを開けると、完全メッシュ状態にできるので、風通りが涼しくて気持ち良い。最高の昼寝環境。
とくに寝不足ってわけじゃないけど、今は体を休めないと死ぬ(比喩ではない)。

寝転んで「いやぁ、今日はほんとに疲れたよ」と思ったのは覚えているけど、次の瞬間にはもう眠っていました。

海の上で小舟に揺られて釣りをしている夢を見ました。大きな鯛が掛かって小舟が引きずられ転覆しそうになったところで目が覚めました。どうやら1時間半ほどぐっすり眠ったらしい。
少し強い風が出てきてテントを揺らしています。

3番ロッドに0番ラインを乗せて釣りになるのか。

大きく伸びをして、さぁ、これから釣りますか!
昼食に1時間、その後1時間半眠ったとは言え、林道を上り始めてから8時間半も経ってからやっと釣りが始められるとは(苦笑)
まだ体調は万全じゃないけど何とか動ける感じ。から揚げ用にイワナを1尾釣るくらいはできるだろう。

 
上ってくる時に林道から見たら、テントから少し下った辺りにも良いポイントがあるのがわかっていたのでそこまで下りて釣り開始。写真1枚目の黄色矢印がテント。50mくらい下りたかな。
前日の雨による増水を心配していたけど、増水どころか渇水で水も澄み切っているじゃないか。

いきなり釣れそうな雰囲気のポイント。気温25℃、水温13℃。
タックルは、カムパネラ レッドラップ 3753RWGRAIN GRACE。例のピンク色のバッキングラインを巻いたリールね。
今日は、まず試しにriver peakのDT-0Fライン楽天で見るアマゾンで見る)を使ってみます。3番ロッドで0番ラインなんて振れるのかどうか。リーダー7.5ft6Xに7Xティペット2ft継ぎ足して、いつも通りアダムスパラシュート#14を結びます。
いわなたろうさんはロッドを選べば#3ロッドでもこの#0ラインなら振れると書いていたけど、私が使っているロッドでもちゃんとキャスティングできるのかどうか。ミディアムスローでよくしなるレッドラップならいける気がするけど。

 
最初のポイントでは釣れず、すぐ上に広いプールが。
念のため手前の極浅場にもフライを浮かべながら、徐々に奥へ。

#0ラインなんだけど、なんか普通に振れるよ(笑)
細くて軽いラインだからある程度の長さを出した方が良いけど、レッドラップはきれいな弧を描いてしなるので、特別意識しなくてもキャスティングできる。
ダブルホールを使えばそこそこの距離も出るよ。10mくらいは投げられてるかな。渓流では十分。
ただ、さっき強くなった風がピタリと止んで今は全くの無風という好条件だからで、風があると#0ラインではまともにキャスティングできないと思う。空気抵抗の大きいフライを投げるのも難しい。小さいフライをふんわり落とすのに向いている。

少しずつ忍び足で前へ進みながら、イワナが着いていそうな流れの筋にフライを浮かべます。
魚が餌を食べようと定位しているのは、流れてきた餌が集まってくる筋。私は常にそれを意識しています。

少し遠くから狙った写真2枚目の黄色丸印で、少し右からフライに浮上する魚影が見えました。そして、ゆっくりと口を開いてフライを飲み込みました。
お、いい引きしてる!


いきなりいいサイズが釣れちゃった。28cmくらい。
おぉー、ありがたや。今日はこれを食べさせてもらおう。

 
食べさせてもらうと決まったら、新鮮なうちに早速さばいておこう。南無阿弥陀仏。
胃袋の中には結構餌が入っているね。中身が気になる。

 
胃の中身はガガンボや羽蟻の類い、それから小さな甲虫類がメイン。カゲロウやカワゲラの幼虫は入っていない。テレストリアル(陸生昆虫)の季節ということか。
胃袋、肝臓、心臓も調理に使おう。
捌いたイワナと内臓類はビニール袋に入れて日陰の川の水で冷やしておきます。

この1尾が釣れたことで、なんかやっと完全に目が覚めた気がします。
体調もちょっとシャキッとしたかも。たぶん、気のせいだけど(笑)

体調も空模様も怪しいけど、歓待してくれる川の神様。

今日はこの一尾でも満足だけど、日が長くてまだまだ時間があるからもう少し遊んじゃおう。

 
同じ淵の奥でもう一尾。

 
さらに奥の流れ込み付近でも。体調悪いのに釣りは絶好調。
他の川だと、いかにも釣れそうな絶好のポイントではまず釣れないけど、今日は川の神様が歓待してくれている雰囲気。
あんまり順調に釣れるもんだから、調子に乗ってイワナを寄せてくる途中に写真を撮ってみたりして。

 
雲の流れが速く、急に青空が広がってきて少し汗ばむくらいに。
ロッドグリップに留まったカゲロウ。フライを巻く時の参考にしよう。


#0ラインを使う利点は、なんと言ってもラインが細いので水面へのインパクトが小さく魚をおびえさせないということ。それからフライにドラグも掛かりにくく、自然に流せる。だけど、#3ロッドを使った場合は#3ラインほどの遠投はできないのが欠点。
#0ラインは本当はイワナではなく、より警戒心の強いアマゴに対してこそ有効なんじゃないかな。でも、広いプールにいるようなアマゴを狙うなら遠投が必要になる。
つまり、#0ラインの性能を引き出す使い方をするには、やはり番手の合った#0ロッドを使うべきなんだと思う。


結論的には#3ロッドで#0ラインを使うべきシチュエーションというのは、先行者があるなどで、スレているイワナを狙う時ってことかな。

ともかく、今日はこのまま#0ラインで釣り続行。ベストには#3ラインを巻いたリールも忍ばせているので、風が出て来たら交換すればいいし。

 
プードルのガガンボパターン#16に替えてみます。お尻の部分はクリーム色にして、ハックルは通常の2倍くらい長いブラウンの羽をぱらりと巻いたフライ。
ここでも、水底からすぅーっと浮上する魚が見えました。水がきれいだから、フライに出る前に水中の魚の動きが見える。


これまた良型のきれいなイワナ。
このライトタックルだと釣りが楽しいね。リールはほんとにオモチャみたいなサイズだけど。

以前に檜の森釣行の記事にも書いたけど、フライフィッシング初心者が釣りを楽しむならこういうキャスティングがしやすくて、魚影の濃い川がいいよね。
ここで初めてのフライフィッシングをやれば、間違いなくフライフィッシングの虜になるでしょう。
でも、問題はここに辿り着くまでが相当ハードだということ。逆に言えば、誰でも簡単に来られる場所ではないから、これだけ魚影が濃いのかもしれないけど。

テントサイトのすぐ目の前でも釣れ、そこから釣り上りますが、狙ったポイント毎にイワナが出てくるので、とても気持ち良い。
体調の悪い私に気を遣ってイワナたちも出てきてくれてるんでしょうかね。

 
胃袋の中にいた甲虫類を見るとやはり黒っぽいフライの方が良いかもと、ハードシェル・アントパラシュート#14に変更。この広いプールでは2尾釣りました。
釣ったイワナを小さな水たまりに確保して撮影。

テンカラの場合、毛鉤を長時間見せない方が良い。

 
振り返るとテントはまだすぐそこ。まだ開始から100mも釣り上っていません。
ちょっとテントに戻ってテンカラ竿を持って来ました。
こういう調子の良いときにテンカラの練習しなくちゃ。
今日は携帯性重視なので、竿はダイワ NEOテンカラミミノムシ33楽天で見るアマゾンで見る)。ラインはFujinoソフトテーパーライン ホワイトテンカラ楽天で見るアマゾンで見る)。


もくもくと雲が湧いてきて、ちょっと怪しい雰囲気。雨が落ちてきたら即撤退だな。

 
逆さ毛ばりを打ち込むと、早速一尾目。

 
写真1枚目の黄色矢印のところにイワナが写ってますね。ゆらゆら餌を待って定位してました。気づかれないように竿を振り、50cmほど手前に毛鉤を落とすと、ダッシュして毛鉤に飛びつきました。
フライと違ってテンカラの場合(ドライフライを使うドラテンは除く)、あんまり長く毛鉤を見せない方が良い気がする。打ち込んで3秒くらい流して出なかったら、また打ち返す。そんな釣り方が良いんじゃないかな。

その後、何尾か追加したんだけど4時過ぎになったらなんだか急に活性が落ちたのか、それとも魚影が薄い区間になったのか、さっきまでとは違ってがらりと反応が悪くなった。
もう一度フライロッドに持ち替えるけど、状況は同じ。
もうこれだけ釣れたんだから止めてもいいんだけど、目の前にはいかにも釣れそうなポイントが次から次へと広がるから、なかなか踏ん切りが付かず。もう一尾だけ釣ったら止めようということに。

でも、そういう時に限ってあともう一尾が出ない。いや、ちびっ子が何尾か出たけどフッキングしない(笑)

 
陽が落ちてフライの視認も悪くなってきたので、エルクヘアカディス#14でなんとか1尾追加して、キャンプ村に帰ります。すでに、辺りは少し薄暗くなってきています。

ちょっと照明器具をたくさん持って来すぎた(^_^;)

 
照明器具をセッティングしよう。
写真1枚目のLED センサーライト楽天で見るアマゾンで見る)は自由に曲げられる三本足を立木や枝なんかに巻き付けて固定できるのでとても重宝してます。キャンプサイトをやや離れてところから照らすのに最適。幽霊谷釣行の記事でも詳しく書いてますね。
写真2枚目のは、このように置いてもテントの天井に吊しても使えるお勧めのランタンでいつもメイン照明に使っている、モンベル コンパクトランタン

 
いざとなれば写真1枚目のTaoTronics TT-HP007を使えば昼間のような明るさになるけど、これは最高照度だと連続点灯時間は3時間しかないから、帰り道用に温存しておかなくては。
写真2枚目のは、ついこの間ダイソーで買ったコンパクトなLEDライト。小さいのにLEDが5つ仕込まれています。

その他に、ヘッドライトともう一つLEDライト。
今回は当初の予定だと、二日目は日暮れまでじっくり釣って暗くなってから林道を下ろうなんて思っていたから照明器具が必要以上に多い。どう考えても多すぎ。
照明器具と予備電池だけで、2kgくらいになってないかな、これ。今回荷物が重かった原因の1つはこれだよね(苦笑)

岩魚の刺身と日本酒、今日も贅沢な渓流めし。

 
イワナはから揚げにしようと思っていてちゃんと油も持って来たけど、予定より大きいのが釣れたので今日は刺身にすることにしました。そういうこともあるかと、練りわさびも持って来てるしね。
前にも書きましたがイワナの場合ヌルヌルするので、顔の付け根に一回り切れ目を入れて、皮をくるっと剥いでしまってから三枚に下ろすと楽です。

 
剥いだ皮は食べやすい大きさに切り、すき取った腹骨、胃袋、肝臓、心臓と一緒に全部キーマカレーに入れちゃうことにします。
頭と中骨は、後でミニ焚き火で炙って骨酒にしよう。
本日のストーブは、軽量化重視のマイクロマックスULソロアルコールバーナーソロストーブ ライトを風防兼ゴトクとして使います。

 
後でソロストーブで焚き火をするので、薪作り。
今回のテント村もそうだけど、河原が開けて瀬になっている場所なら周りに流木はいくらでも落ちています。昨日の雨でまだ表面が湿っているものもあるけど、なるべく太めのものなら中は乾いているので大丈夫。折りたたみノコギリ楽天で見るアマゾンで見る)と最近よく使っているナイフ モーラ コンパニオン楽天で見るアマゾンで見る)を使って薪作りをします。

 
ノコギリで切って、ナイフで割ってソロストーブライトに入るミニ薪を作ります。
この作業自体が楽しいし、割った薪はほんとによく燃えます。
長くなるので(すでに長編になってるよ笑)、薪作り工程はまた後日詳細を書きます。

 
調理と言っても現地加工はトマトをナイフでざく切りにするくらい。
今回は、これからの軽量化に向けてテスト的にアルファー米楽天で見るアマゾンで見る)というのを使ってみることに。

アルファー米ってフリーズドライの米だと思っていたら、調べてみたら製法が違う。
フリーズドライ米というのは別にあります。

アルファー米は、蒸した米を熱風で急速乾燥させたもの。
フリーズドライ米は、炊いたご飯をマイナス30〜40℃冷凍した後に真空状態の釜に入れ凍った水分を飛ばして乾燥させたもの。

味はどちらも同じですが、
食感とコストに優れるのはアルファー米。
戻しスピードと軽さに優れるのがフリーズドライ米。
フリーズドライ米は、お湯で3分水で5分という商品もあり、さらに生でも食べられるという特徴があります。

 
袋から付属のスプーンと脱酸素剤を取り出します。脱酸素剤が埋もれていて取り出すのを忘れる可能性が非常に高いので注意。
中身をちょっと取り出してみると、ご飯が干からびたような感じ(笑)まぁ、実際にフリーズドライなんだろうから、まさに炊いたご飯が干からびたものなんだろうけど。

 
マイクロマックスULで沸かした熱湯を規定の分量(袋の中に線が書かれている)入れてかき混ぜたら、チャックを閉めて15〜20分放置すれば出来上がり。普通のご飯の場合は320ml、おかゆの場合は580mlのお湯が必要になります。
このご飯、実は水を入れて1時間放置してもできるんです。それって状況によってはとても便利。凄い!

 
アルコールバーナーでキーマカレーを作ってみます。
ナルゲンの120mlボトルに入れてきた燃料用アルコール。アルコールを入れて持ち運ぶのにもナルゲンは全く不安なし。
ソロアルコールバーナー50mlほどアルコールを入れてに着火。しばらくは弱々しい炎ですが、温まってアルコールのガス化が安定するとかなりな火力です。ありがたいことに今日は無風なので、効率良く調理できます。これと、山フライパンでキーマカレーを作ります。

 
キーマカレーは先日作り方を書いたので詳細は省略しますが、写真1枚目は玉ねぎのみじん切りを炒めてひき肉、それから先ほどのイワナの皮やら内臓やらも全部投入したところ。
写真2枚目は野菜類を入れて炒めて、最後にトマトのざく切り1個分を投入して炒め始めたところ。これだけ生野菜を持って来てれば(実はまだ写真に写っていない分がある)そりゃ、重いよね。アルファー米を持って来ても焼け石に水(苦笑)
トマトの水分でグツグツ煮えたら(今回は水も少し投入)、顆粒タイプのカレールウを適量溶かして少し煮たら完成。

同時に、マイクロマックスULでもう一度少しお湯を沸かし、フリーズドライの卵スープを作って添えたらできあがり。


本日の晩ご飯
・アルファー米白飯
・イワナの皮、内臓入り夏野菜のキーマカレー
・イワナの刺身
・卵スープ
・イワナの骨酒

体調はだいぶ回復したけど、夜もしっかり食べて早めに寝よう。
日本酒をちびちび飲みながら、つまむイワナの刺身が最高!
渓流で食べるイワナの塩焼きもうまいけど、刺身は格別。
甘味があってプリプリしててとびっきりの美味さ。この味、何かに似てるんだけどなんだろう?
同じサケ科だからトラウトサーモンに似てると言えば似てるけど、あんなに油がギトギトしてないんだよね。むしろ金目鯛に近いか。新鮮なこともあってか金目鯛より身はプリプリしてるけど、甘味もしっかりある。

アルファー米は思ったよりも、普通に美味しいご飯でした。
ただし、フリーズドライなので一粒一粒が立つような炊きたてのご飯と比較しちゃだめですよ、さすがに。今回のは一食分で281円。高いのが欠点だけど、ほんとに軽いし五目ご飯やピラフなど具入りで味付のものもあるので、場面によってはかなり重宝しますね。
上に書いた通り、水でもできるのが凄い!

キーマカレーは間違いないです。真ん中に白く移ってるのがイワナの胃袋です。コリコリして美味いんですよ。開いた中をよく洗わないと苦味が出ることがありますが。
心臓と肝臓はカレーに紛れて所在不明。
ともかく、イワナを丸ごといただいて、完全に生きかえった、つもり。

ソロストーブの焚き火はいろんな意味でおすすめ。

 
ソロストーブライトでミニ焚き火をしながら、イワナを炙って骨酒でも楽しみましょう。
ソロストーブライト、やはりエンバーリットストーブより薪の燃えが良い。
しばらく薪を追加しなくても、写真2枚目のように薪が置き状態になってかなりの火力がありします。エンバーリットストーブはこんな風に燃えない。
火力があるから、薪の消費量が多いのかと思ったら、完全燃焼するためか意外と少ない薪で長時間燃える。エンバーリットストーブとの完全比較はまた近々。


手のひらサイズのストーブでこんな焚き火が楽しめるとは。
河原で普通に焚き火をしようと思ったら、かなりの量の薪を集めなきゃだけど、これなら少ない薪で長時間楽しめる。これはイイ!!
気に入りましたよ。ソロストーブ ライト。

明日の携行用に川の水を沸かして水筒に入れたり、焚き火を眺めたりして1時間くらい過ごしました。
前回の教訓を生かして、食材や調理器具はある程度片付けてから、9時頃には眠ることにしました。

 
モンベル コンパクトランタンを天井に吊るし(専用のフックが装備されている)、寝袋も広げて眠ります。今日はぐっすり眠れそう。
前半部でも書いたけど、新しく入手したエア枕のおかげで寝心地が格段に違う。


鹿や小鳥たちも眠りに就いたのか、瀬音だけが響く真っ暗闇。
見上げると、雲間からチカチカと小さな星が瞬きしている。このテントが広大な宇宙を漂う小さな宇宙船だと言われれば信じてしまいそう。

今日はなんだかんだ言って、良い釣りができたなぁ。感謝感謝。
こうして長い一日は更けていきました。明日も良い釣りできるといいな。

・・・二日目につづく

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コメント

  1. 糖分とミネラル分は人体にとってガチのマジで致命的な要因と言っても過言ではないほどの重要なファクターなので長距離長時間体使うときにはお気をつけてくださいね。僕とかマジで昼飯に何食べたかで夕方のランニングの調子が違いますので。キロ5分で調子よく18キロとか走れるときもあれば3キロも行かないうちに嫌になるときもあります。

    • Nori1022さん、こんばんは。
      ありがとうございます!
      今までどんなにハードに体を動かしていても水しか補給していなかったなんてアホですよね(^_^;)
      長時間運動では糖分、ミネラル補給が大事なんですね。今後はしっかり準備して出かけたいと思います。

  2. こんばんは。
    川岸のスペースが広くてのびのびと竿を振れる良い谷ですね。こんな谷は荒れることが少ないのでしょうね。
    体調不良は大事に至らず良かったです。
    単独行で動けなくなるのは一番の恐怖ですが、なんとなく低血糖と脱水の両方のような気がしますよ。私はカロリーメイトは朝飯用にいつも持参してますが、パサパサで喉が渇くのが欠点です。ゼリー飲料はゴミになるのと、ボリュウムと重さの割にはカロリーが低い。
    なので活動前には羊羹が定番です。少量で高カロリー、低価格で賞味期限も長いのでおススメです。万が一の為に予備も持ち合わせてます。

    • 七流釣師さん、こんばんは。
      河原が広いので障害物に仕掛けが引っかかたり、蜘蛛の巣を心配する必要は皆無です。
      ただ、この川は昔は大水害を引き起こしたほどの川です。
      今は2箇所で取水をしていて水量調整できるのでその下は比較的安定してますが、それより上は今でもかなり荒れそうな渓相です。
      体調は翌日にはまぁまぁになりました。ありがとうございます!
      今回は本当に懲りました。羊羹って良さそうですね。予備食料として持ち歩きたいと思います(^ ^)

  3. ハンガーノックという言葉は初めて知ったけど、シャリバテのこのような経験は誰でも、一度はするもんですね。
     20年前の当時は 相棒のコーラで息吹き返しましたが、そうとは知らずどうしちゃったんだろ?でした。

     やっと雨が降ったので、先週の大プールにリターンマッチに行きます。
    今度は潜らせないゾ—.
     前回は、Orvis 7ft6in #3 だったけど、悩むわー。

     ハンガーノック(シャリバテ)対策で私は飴は必携です。軽くて邪魔にならず、
    塩飴だとなお良いかも。ミネラル+糖分あるし、軽いからベストポケットに3,4個ネ。

     

    • FFfreak さん、こんばんは。
      シャリバテとも言うんですか。わかりやすい言葉ですね。
      誰でも経験するんですか? 私も初めてだったので、一体どうしたんだろう?という状態でした。
      少なくとも飴玉は持っていた方が良いですよね。今回懲りたので、これからはしっかり準備して出かけたいと思います(^_^)

  4. おはようございます。
    いつもながら素晴らしい釣行記ですね、それにしてもきれいな渓谷、フライにはもってこいの川です、渓流めし等これだけ用意するにはやはり重量を気にするわけですね、一人で釣るには勿体ない気もしますが、孤独の釣りもスリルがあってそれもまた良いのかも知れませんね。

    • ハックル70さん、こんばんは。
      ありがとうございます。本当にこの川はきれいで、河原も広いので気持ち良く竿が振れます。
      必要以上に食料を持って行ってますよね(笑)
      私は怖がりのクセに、源流へ行く時は大概一人ですね。自分のペースで好きなようにできるのが良いんですが、危険も伴うので慎重に行動したいと思います(^_^)

  5. おはようございます。
    ハンガーノック、、私も以前なった事がありますが目の前がチカチカしてボーっとして本当に少しだけ進むのも辛かった記憶がよみがえってきます(^_^;)
    今回の渓流メシも美味しそう!骨酒たまらんですね。
    私は今週末にここに行きます。天気が良いといいんですが・・・。
    自転車に括り付ける荷物ですが前後に分散するとバランスとれるので楽になります。後ろにいっぱい載せると後ろ荷重で登りがキツいです(^_^;)

    • ゆっちさん、こんばんは。
      今回は大変な目に遭っちゃいました。最後には本当に10mも進めなくなってしまいました。準備不足を反省(>_<) 渓流めしにこだわりすぎて、荷物が重かったです(笑) なるほど、前後分散ですか。フロントキャリアも付けなきゃかなぁ。 お、今週末に行きますか。私が帰ってきてから雨が結構降りましたが、私がテントを張った辺りまでは渇水状態だったので、ちょうど良い水量になったくらいかもしれません。良い釣りを(^_^)

  6. こんばんは 体調不良はきつかったですね。刺身は里川の魚ではできないので いつかは自分で釣って食べてみたいです。二日目のレポも楽しみにしてます(^^)

    • Kさん、こんばんは。
      元々前日体調不良だったのに加えて、水以外何も補給せずに自転車を漕ぎ続けるってどうかしてますよね(苦笑)
      おかげさまで翌日はなんとか普通に動けるようになりました。
      そうですすねぇ、刺身は源流部に限りますね。
      二日目の記事もアップしましたので、よろしかったらまたご覧下さい。長文なので、お暇な時に(笑)

  7. 2日目待っています‼️今晩はWC観戦です

    • AKさん、こんばんは。
      このところ私はサッカー観戦で寝不足です(笑)
      ポーランド戦はなんとも言えない試合でしたね。最後のボール回しはちょっと残念な気持ちもありますが、次戦思いっきり戦った欲しいです。
      二日目の記事もアップしましたので、よろしかったご覧下さい。
      いつも読んでいただき、ありがとうございます!

  8. ハンガーノックはボクも経験がありますよ。
    ひたすら飲まず食わずで釣り上がっていたら、ある時急に足が上がらなくなって、こぶし大の石が跨げず転倒・・・あれはヤバイと思いましたね。

    ボクもスポーツドリンクは正直好きではありませんが、必ず一回の釣行でペットボトル1本は飲むようにしています。
    2本目以降は無糖のお茶や、水に切り替えますけどね。

    釣りもキャンプも良い感じだったようで。^^

    • kuniさん、こんばんは。
      皆さん結構、同じような経験してるんですね。
      頭では大丈夫だと思っているんですが、体がまるで動かなくなっちゃいました。冷静に考えると、今まで水だけしか補給してなかったってヤバイですよね(^_^;)
      私もこれからは、糖分&ミネラルもちゃんと補給しようと思います。
      ありがたいことに雨が降らなかったので、釣りとキャンプは楽しめました(^_^)

  9. 追申
     リターンマッチはWinstonLT5 #2 で挑戦。
    前回のOrvis #3よりバットパワーは十分。下流部から釣りあがると堰堤までに28cmを頭に25㎝まで6匹(半分は相棒)、決して出がいいわけではないものの、良型が釣れて楽しい。
     最後は堰堤の27㎝で終了になりました。
    皆、肥ってたからいいひきをたのしみました。-降雨と滝風で最後は震えつつ終了でした。
     目測24cm以下は2人で数匹だけでした。

    • FFfreak さん、再びこんばんは。
      おつかれさまでした。
      番手を落として行きましたか。おー、良型が揃ったようでさすが(^_^)
      低番手ロッドだと掛かってからが楽しいですよね。
      堰堤下って霧雨状態で、長時間いるとずぶ濡れになりますよね(T_T)
      魚が育つ良い川なんですね。そういう川はフライフィッシングを楽しむのに最適ですよね。

  10. 釣果も見事ですし渓相もきれいで明るくとても良い場所ですね。
    毎度に見事なのが食事ですね。
    どうも自分は調理も上手くないのでいつも簡単な食事と欠かせない酒で過ごしてしまってます。(笑)
    もう少し余裕のある食事がしたくとも・・・高望み(笑)
    刺身が特に肴には最高ですね。

    • 幻の渓流師さん、こんばんは。
      ここにたどり着くまでが大変ですが、こんなに上ってきても仕掛けが障害物に引っかかったりするのが皆無な開けた渓相が魅力です。
      私は必要以上に食べ物にこだわってますが、ほんとはお酒さえあればあとはイワナの塩焼きだけでもOKなんですけどね(笑)
      刺身には日本酒が合いますよね。イワナの刺身は甘みがあってうまかったです。