ブロ友のkuniさんが少し前にMissing Link(ミッシング・リンク)というフライを巻いていました。
そのフライがとても魅力的に見えたので、自分でも巻いてみることにしました。
新たなメインフライとなるか|ミッシング・リンクのタイイング
このフライは、マイク・マーサーというアメリカ人が考案したフライで、パラシュートフライとエルクエアカディスをミックスし、さらにスペントウィングまでくっ付けてあるというなかなかの手の込みよう。
まぁ、とにかく巻いてみます。
ミッシングリンクのマテリアル一覧 (マイク・マーサー オリジナルレシピより)
- フック:TMC102Y#11〜#19 または TMC100
- スレッド:ユニスレッド8/0 キャメル
- ボディー/アブドメン:ユニスレッド8/0 キャメル
- リブ:クリスタルフラッシュまたはフラッシャブー(パール)
- ボディーコート:UVレジン
- ソラックス:アイスダブ(ピーコックブラック)
- スペントウィング:ズィーロン(ダークダン)
- ハックル:コックネック(ダン)
- ウイング:エルクヘア(ナチュラルまたはブリーチ)
フックはTMC102YまたはTMC100ということになっていますが、カーブシャンクタイプの方が良い気がします。私はVARIVASの2200BLというフックで巻いてみます。
艶めかしいキラキラボディー
フックの向きを少し下向きに固定しなおして、8/0スレッドをベンド部まで巻いていきます。カラーはキャメル指定になってますが、私は手持ちのダークブラウンを使っています。スレッドがボディーそのものになるので、虫っぽい形状、太さになるまでしっかり巻きます。
お尻の部分にクリスタルフラッシュ(パール)を取り付けます。
間隔を開けながら虫の体節を思わせるようにシャンクの中程まで巻きます。
UVレジンを用意します。紫外線で硬化する手芸用品です。カラーはクリア(透明)。100円ショップで売ってますよ。
適量をボディーに垂らし、ニードルで形を整えます。表面に塗るというよりは、透明なボディーを作るイメージで少し多めに乗せていきます。
UVライトを当てて固めます。3分くらいで大丈夫かな。紫外線が当たれば良いので直射日光なんかでも固まりますけどね。
ツヤツヤで虫っぽい感じ出てるね。カーブシャンクだとこのボディーが水面下に入るのがポイント高いです。
モジャっとした胸部と弱々しい脚
ダビングはアイスダブ(ピーコックブラック)指定ですが、私はアントロンダブのブラウン系を使ってソラックスを巻きます。
写真2枚目、ちょっと巻きすぎたかも。もう少し幅狭めで丸い玉くらいでいいんじゃないかな。
スペントウイングとしてズィーロンを取り付けます。
が、ズィーロン高いので持ってないです。スパークル・イマージャー・ヤーンの方が廉価だと思いますが、それも持ってない(笑)
フライタイイングの世界って似たようなシンセティック(人工)素材がいっぱいあるんですよね。
私の場合は、シマザキ マシュマロファイバー(タン)を使ってみました。写真よりも少なめで良いと思います。
折り返して、後ろやや下向きになるようにスレッドで固定。
シャンクと同じくらいの長さにカット。ファイバーが多すぎたので、少し間引きました。
これでもまだ多いくらい。
浮力と視認性をしっかり確保するパリッとした羽
エルクヘアを切り出し(エルクヘアカディスの半分量くらい)、ヘアスタッカーで先端を揃えて取り付けます。最初2巻きをゆるく巻き付けてから、ぎゅーっと締め込んで、さらに3回転ほどしっかり巻きます。
左手でエルクヘアを後ろに引っ張りアイ側もしっかりまきます。
黄色矢印部分の巻き幅1.5mmくらいになるまでしっかりスレッドを巻きます。マイク・マーサー曰く、この部分をしっかり巻くことで、エルクヘアが上手く立ち上がるんだとか。
コックネックからパラシュート12番サイズの羽を抜き出して取り付けます。私はブラウンの羽を使っています。
エルクヘアの先端部、元部をまとめてその周囲水平方向にハックルを3、4回巻き、アイの根元で巻き留めウィップフィニッシュ。
このウィップフィニッシュがハックルが邪魔になってなかなか難しいので、ハックルガードを使った方がやりやすいです。そもそもが、ダウンアイのフックを使った方が良いですね。
あとはエルクヘアの余分な根元側をカットしてヘッドを成形したら出来上がり。
パラシュートウイングが#12にしては少し短かったですが、全体の仕上がりはいい感じ。

このフライ生命感がありますね。フライにしてもテンカラ毛ばりにしても、『生命感がある』というのは一番重要だと思います。
テンカラ毛ばりでよくあることですが、一見不細工な毛ばりがよく釣れるのはその毛ばりに生命感があるから。逆に本物の虫そっくりに巻かれたリアルなフライなのに魚が反応しないというのもよくあります。それはそのフライに生命感がないからだと思うんですよね。
↓マイク・マーサー本人のタイイング動画はこちら。
このフライに搭載された釣れる要素の数々
このフライは、いくつもの釣れる要素がミックスされているように思います。まず、水面下に入るクリスタルフラッシュを巻いてUBレジンで固めた光沢のあるボディー。これが蟻っぽいというか、蜂っぽいというか、とにかく虫っぽい。
そして、縮れたシンセティック繊維の羽。これ、マイク・マーサーはレッグ(脚)として搭載しているようですが、これがソラックス部のダビング材と相まってかなり魚を魅了するんじゃないかと思うんですよね。
そして、浮力確保と虫っぽい羽を表現しているパラシュートウイング。こちらはもう、魚が好反応なのは数々のパラシュートフライで実証済み。
さらに、浮力確保と視認性も確保のためのエルクヘア。水面下から見ると、このウイングもぼんやりと虫の羽に見えるのかもしれません。
とまぁ釣れる要素てんこ盛りのフライなわけです。
いろんな要素を詰め込むと往々にして『過ぎたるは猶及ばざるがごとし』ということになるわけですが、このフライは釣れるらしい。
テンカラをやっていることもあって、個人的には余計なものをそぎ落として『シンプルかつ釣れる毛ばり』を追求したい気持ちはありますが、「よく釣れる!」と聞いてしまうと、背に腹は代えられないのです(笑)
さて、実釣の結果は?
そして、実釣で使ってみました。
まだ一回の釣行で使っただけなので確証はありませんが、確かに魚の反応は良いです。たまたまかもしれませんが、魚が本当に虫だと思っているのか丸呑みにされることも何回か。
一つ気になる点は、慣れないグラスのショートロッドを使っていたせいかもしれませんが、普段はほとんどないライントラブル(ティペットが撚れて絡まる)に何回か見舞われました。
私の巻いたフライのバランスが悪い可能性があります。ストレートフックに巻けばおそらくトラブル減るとは思いますが。
このフライを使った釣行記は近々アップしますが、ライントラブルの原因も検証しなくは、と思っているところです。
いろいろと御託を並べましたが、ただ一つ確かに言えるのはこのフライは釣れるということです。
視認性をアップさせてみましたが…
実釣で使ってみたら、状況によってはもう少し視認性が欲しい場面もあり、後日ホワイトのCDCをプラスしたタイプも巻いてみました。上記ハックルガードを使ってみました。
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