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2024キノコ狩り(4)|モリノフジイロタケとウラベニホテイシメジ

きのこ狩り
この記事は約7分で読めます。

2025年になって久しいですが、周回遅れになる前に昨秋のキノコ狩り記事をアップしておかないと。
今年の記事の合間にちょこちょこ挟んでいくので、興味ある方のみご覧下さい。
キノコは秋がメインではあるんですが、実は一年中いろんなキノコが発生しているんですよね。梅雨間近になって渓流沿いでもちらほらキノコを見かけるようにもなってきてますし。

前回は、いつもと違う近場の山へ行き、山を下りる途中にサクラシメジの大行列に出会ったから良いようなものの、山全体乾燥気味でキノコも小休止状態でした。

今回はメインの山へ、9月16日に出向きました。

雨のキノコ狩り|2024年秋 第4回キノコパトロール

 
いつもの山に向かう林道。突然護岸上からドサドサと音がします。
最初、動物かな? と思いましたが、護岸上から角張った石が落ちてきました。
ふー、危ない。こんなの頭に直撃したら即死だな。

雨予報の中、山へと出かけるキノコバカ

 
いまのところなんとか保っているけど、予報ではこの後雨が降りそう。
目の前を何頭かの猿が横切り、素早く樹上に逃げていきました。幹と枝の隙間からこちらの様子を伺っています(写真2枚目黄色矢印)。

 
林道ショートカットの斜面にはハナホウキタケ(毒)チチタケの姿もあります。

 
慣れた林道ではあるけど、よく見ると落石はいっぱいあるし、熊が潜んでいそうなジャングルを通過しなくちゃいけないし、危険がいっぱい。

 
おなじみのツノシメジ(食不適)の成長具合を確認しつつ、山の登り口へ到着。
今にも雨が落ちてきそうです。

 
雨に打たれたアミタケや傘が反り返ったクサウラベニタケ(毒)がちらほら。

 
キチチタケ(毒)も少しあったり。
このキノコ、先日図書館で見た比較的新しいキノコ図鑑では『食用』になってました。
昔から食べられていたキノコが近年『毒』扱いになることはたまにあるけど、その逆は珍しい。
私としてはこれは今後も毒扱いにしておきます。

 
ショウゲンジも良い状態のものが採れました。でも、数は少ないですね。
今年はショウゲンジが本当に少ない。

 
ますます辺りは暗くなり、いよいよ頭上に雨音が聞こえてきました。
雨が降り始めても、頭上に高い木が葉を茂らせているのでしばらくは雨に濡れません。
本格的な降りになる前に雨具を着よう。
下を履くとバサバサして歩きにくいから、上だけ来てさらに上へ。

 
遠くに大きめのキノコ発見!
近づいてみると大きくなったアカヤマドリでした。大きい割には傷んでいないけど、傘の裏を見ると虫に食われていました。まぁ、この大きさまで虫に一切食われない個体はまずないんだけど、仮に虫に食われていなくても、これをビクに入れちゃうと他のキノコが入れられなくなるからスルーですけど。

優美な名前をもつ巨大キノコの行列


降りしきる雨の向こうに何やらキノコの群生が見えます。
この辺りで、群生するキノコ心当たりがあります。


何年も『謎フウセンタケ』と呼び続けていた、モリノフジイロタケ。この場所では群生して巨大化しますが、他ではあまり見かけないキノコ。

 
美味しそうな幼菌がたくさんあるからちょっと採っていって食べてみようか。写真1枚目なんて見ようによっては、マツタケ、いやオオツガタケに見えないこともない。
傘裏のヒダが紫色(藤色)をしているのが特徴。このキノコ実は以前にも食べたことがあって、それほど美味しくはないんだけど、名前が好きなキノコ。


それにしても、凄い群生。
いわゆるフェアリーリング(菌輪)ですね。同心円状にキノコが列をなして生える状態。
黄色矢印のようにキノコが弧を描いています。
これ、どこまで行ってんの?


ぐるーっと目で追っていくと、あんな遠くまで。
これ、同心円の直径は30mくらいあるんじゃないの!?

こんな風に巨大な円を描いているということは、後ろ側にも弧を描いて出てきてるんじゃないの?
振り返ると後ろ側にも列をなすキノコが見えますが、目を凝らすと別種のような…

他にも大きく重いキノコばかりでほどほどを持ち帰る

 
近寄ってみると、ウラベニホテイシメジでした。こちらも列をなしてぞくぞくと。
美味しそうな幼菌もたくさんあります。
雨に濡れると特徴の白い繊維質や指で押したような跡が見えにくくなるので、判別に自信が無い人は採らない方が良いですね。


そんな中、キンチャヤマイグチが一本だけ。
これも好きなキノコです。ただ、茹でると柄が黒っぽくなってあんまり美味しそうに見えないんですよね。ヌメリが強くて美味しいんだけど。

 
遠くに茶色っぽいキノコがいくつかまとまって生えているのが見えます。
近づいたら、アカヤマドリでした。
まだ幼菌状態のものもいくつか。雨のせいで傘がべちゃっとしてますが、採っていきますか。

 
アミタケが少しあったり、なんと小さなマツタケも一本。


雨にもめげず、山頂の長老松のところまで行ってご挨拶。

 
ん? これ、ヤマドリタケモドキじゃない?
いや、違うか。


柄の網目模様…あるような無いような、雨に濡れていて判然としません。
それに、柄がちょっと柔らか過ぎる気がするし、傘裏の管孔も柔らかい感じでヤマドリタケモドキとはちょっと違うかなぁ、やっぱり。

 
山を下る途中にアミタケの群生があったりしますが、スルーです。雨に濡れた山の下り、一番気をつけなければいけないのは木の枝を踏まないこと。
写真2枚目のように、川が剥けた木の枝をうっかり踏んでしまうと、つるーっと滑って転倒なんてことになりかねません。

 
途中、一旦林道に出る頃には雨が上がってきました。

 
もう一段山を下りなければ。万が一暗くなっても、今日はヘッドライトがあるから心配ないですが、予定ではヘッドライトを使わずに車まで戻れるはず…だったんだけど途中の森の中はかなり暗い。

 
Perun2を点灯すると、周囲がさっきより暗く感じます。
まぁ想定内だから、ゆっくり帰ろう。

 
途中で、綺麗なタマゴタケを採りまして、
もう一度林道に降り立つと、そこまでの暗さではないですが、足早に車へと向かいます。

夜に山へと分け入っていく怪しい集団


車までもう少しという地点まで来ると、前方からいくつかヘッドライトらしき灯りが近づいてきます。
誰だろう? こんな時間に。時計の針はすでに18時半になろうとしている。
ジャラジャラと鈴の音が聞こえる。
すれ違う時に
「これから山へ入るんですか!?」
と尋ねてみると、
「ええ、まぁ」と3人組が笑いながら。
こんな時間に山から下りてくる私も大概だけど、雨で滑りやすくなっている山に夜入って行くのはいくらなんでも止めた方がいいと思うけど…聞く耳持ちそうにもないので、
「ともかく気をつけて」とだけ言って別れました。

ここはマツタケが採れる国有林の入り口なので、マツタケに目が眩んだ人たちが競い合って早朝から大勢入るポイントなんです(私はいつも人混みを避けてもっと上の方に行ってますが)。
キノコシーズンになると、毎朝我先にと、まだ真っ暗な早朝4時くらいに車がいっぱい停まるようになり、それがどんどんエスカレートして3時、2時とどんどん時計の針が遡り、結果、午後7時から山にはいるなんてことになってしまってるんでしょう。
いくらヘッドライトを装着していたとしても、リスクは昼間の比ではないし、そもそもマツタケを見つけられる確率もぐっと下がってしまう。
時計の針が逆回りに一周して、結局のところ普通に明るくなってから山に入るのがベスト、ということなんですよね。

 
大きいサイズのキノコが多かったので、腰ビクが重い。
写真2枚目はアカヤマドリ。雨に濡れると傘がべたつくので、別にしてバックパックに入れてきました。


今日の主な収穫:
ウラベニホテイシメジモリノフジイロタケアミタケショウゲンジチチタケキンチャヤマイグチタマゴタケ

ウラベニホテイシメジ、モリノフジイロタケというかなり大きなキノコがたくさん採れたので腰ビクが重かったです。雨に濡れているせいもありますが。
モリノフジイロタケはとんでもない大きさのフェアリーリングだったので、食べ頃の比較的小さいのを少しだけ採ってきて食べてみました(詳細はこちら)。

フェアリーリングを作るキノコは大きな一つの生命体

モリノフジイロタケに限らず、フェアリーリングの下には当然菌糸体が広がっていて、その繋がった菌糸体全体が一個の生命体なんですよね。普段『きのこ』と呼んでいるのは子実体と言って胞子を散布するための器官に過ぎないんです。
偉そうに書いてますが、私もそれを知ったのはつい最近で、キノコの一つ一つが個々の生命体だと勘違いしていました(苦笑)
この辺りにことについては、また改めて詳しく書きます。キノコはとても面白い生命体だし、それがわかっているとキノコ狩りに対する観点が変わり、楽しさも倍増されます。

写真右下のチチタケとキンチャヤマイグチに挟まれているのが、ヤマドリタケモドキかもと思ったキノコですが、やはり別種だと思われます。

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コメント

  1. 落石、怖いですよね。
    例えこぶし大の石でも、直撃したらただでは済まないでしょうし。

    モリノフジイロタケって、確かに良い響き。
    紫ではなく、藤色と表現しているのがいいですよね。^^

    そんな「マツタケ目眩み隊」みたいな人たちがいるんだ?
    まぁ、夜明け前から日没後まで河原でライズ待ちするような、変な人もいると聞いたこともあるし、人それぞれだとは思いますけど。(笑)

    >普段『きのこ』と呼んでいるのは子実体と言って胞子を散布するための器官に過ぎないんです。

    へぇ~~~~~、そうなんだ!
    それは思いもよらない事実です。
    知らないことを知れる・・・リコプテラさんのブログは楽しみが多いです♪

    • kuniさん、こんばんは。
      以前、落石と熊と幽霊どれが怖い? なんてことをブログに書いたことがありますが、今では「落石が一番怖い」と断言できます。どう考えても確率的に一番危ないのは落石なんですよね。
      他の二者は例え出会ったとしても、こちらに危害を加えるとは限らないし。

      確かに早朝から晩までライズ待ちしている釣り人もかなりヤバいかも(笑)
      キノコはとても面白い生命体なので、今後も深掘りしていきたいと思っています。今年の秋も忙しくなりそうです。