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イワナのなめろうと天ぷら|天竜川水系 テンカラ&フライフィッシング

フライフィッシングテンカラ釣り野外調理
この記事は約10分で読めます。

すっかりキノコに集中していたので、久しぶりの釣行記です。

このところ朝晩は急に冷え込んで、冬が近づいて来ていることを実感しますが、時を8月の末まで遡ります。
今年は7月・8月は仕事絡みの講習を受けに毎週行っていたので、とても多忙でなかなか釣りには行けなかったのですが、8月末になってようやく丸一日渓流に出かけられることになりました。

5月下旬以来の、あの川へ向かうことにしました。

夏の終わりにやっと帰って来られた|天竜川水系 麦酒川

※麦酒川とは私が勝手に付けた名前で実在の河川名ではありません。

たくさんの釣り人を避けて下流へ向かう。

ゆっくり出かけて駐車場所に到着したのが午前8時。
県外ナンバーを1台含めた5台も停まっています。想定を上回る釣り人の多さ。まぁいいです。
気合いの入っている皆さんは例の危険な崖を通過して上に行ったと思うんですよね、きっと。
私は、安全だけど体力的にはキツいつづら折れコースで下へ向かってみることにします。

 
山に入ってすぐ、チチタケを発見。ちょうど良い、これを採ってお昼に食べよう。


もうチチタケの時期としては少し遅いんだけど、いくつか良い状態のものが採れました。
これは本来夏(お盆前後)に出てくるキノコです。

 
笹藪のなかのくねくね道を下って行くわけですが、写真2枚目、これは古くなっているけどこれは熊のフンですね。


昨今各地で熊被害が報道されていますね。
この前ちゃんと数えてみたら、私は今まで計11頭の熊に出会っています。
出会ったと言っても、一番近くて10mほどが2回。その他はそこそこ距離は離れていて、こっちが気付いた時にはもう熊の方が逃げて行ってました。
熊の方が逃げていってくれたのはこの最強の熊鈴のおかげかもしれません。

 
メマトイ(眼にまとわりつく小さい羽虫)がうるさいので、帽子や首回りにハッカ油楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る)をスプレーして、無事林道に下り立ちました。
ここからさらに下ります。

3年ぶりの邂逅

てくてくとしばらく下って行くと、おや? 鈴の音が微かに聞こえる。
ほどなく下から人が上ってくるのが見えます。
釣り人じゃなさそうなおじさんだ。挨拶してお話してみると、滝を見に行くんだとか。一応釣り竿も持って来てはいるらしいですが。
話しているうちに、あれ? この人前に行き会ったことあるんじゃない?この川で。
そうだ、間違いない。そのことを尋ねてみたけど、どうやらおじさんは覚えていないようだ。
家に帰って過去ログを検索してみると、やはり以前に行き会った人でした。

行き会ったのは3年前。もっと下の方で。ともかくお元気そうで良かった。
そのおじさんが、下には人はいなかったし堰堤下に泳いでいる魚がいたよ、と教えてくれました。


途中川を見下ろすと以前はイワナが見えた淵に今日は姿が見えませんでした。


この堰堤か、あのおじさんが言っていたのは。確かにイワナらしき魚影が1尾見える。
ここから少し下った辺りから釣り上ってみよう。

今日はお昼にイワナを食べるつもりだけど、釣れるかな?

 
ここから竿を出します。
タックルは、NISSIN AIR STAGE 冨士流テンカラ3308 6:4、SUNLINEぶっとびテンカラ レベルライン3号(楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る)を3.3m+FUJINO フロロテンカラハリス0.8号(楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る)を1mほど。仕掛け全長は竿より1m長い4.3m。
毛ばりはスギッパ巻きです。

9時20分、気温20℃、水温14℃。釣り開始です。

 
小落ち込みからの細い廊下。
小さいイワナが出ました。


渕尻。大岩と沈み石に囲まれた壺のようなポイントからも。


さっきよりはサイズアップ。ワイルドな色合いのイワナ。


大淵。手前の落ち込みの肩から狙いますがイワナはいない様子。
沈んだ倒木に根掛かりすると厄介だな。


少しずつ前に毛ばりを打ち込みながら、身を屈めて前進。
流れ込みの白泡の際から出ました。グイーンと良い引きします。


黄色丸印のところに一段上がり、例の倒木絡みに潜り込まれないように注意しながらやりとりして、無事ランディング。


ヒレのしっかりした良型のヤマトイワナでした。


そして、上から魚影を確認した堰堤下に到着。


広いのでフライタックルに持ち替えようかとも思いましたが、テンカラ竿で手前から徐々に打ち込んでいきます。左側からは出ず。そもそも上からは1尾しか見えなかったから、魚がたくさん残っている状況では無さそうです。それにしても、水の色が綺麗ですね!


右側、魚影が見えた辺りから出ました!
こういう障害物もなく広いポイントでは取り込みは圧倒的にこちらが優位。


これも良いサイズ。

現地調達の食材を使った贅沢なランチ


堰堤の上の浅瀬でお昼を食べることにします。

 
バックパックを降ろしお昼の準備。このバックパックは日帰り釣行には本当に便利。
アルミパソナルクッカーでニンジンとゴボウのささがきを煮ます。

 
マイクロマックスULを使っていつもの二段調理システム。
下はご飯、上はつみれ汁。
いつもは小さいナイフだけで調理してますが、今日はちゃんとしたキャプテンスタッグのまな板包丁セット楽天で見るアマゾンで見るヤフーで見る)持ってきています。

 
オレンジ切ったり、ナスやピーマン切ったり。
まぁ、このくらいはいつものナイフで特に問題ないんですけども。

 
採ってきたチチタケも合わせて、天ぷら種の準備OK。
それから今日はイワナを2尾いただいちゃいます。キャプテンスタッグの包丁はそこまで切れ味が良くないので(自分で研いでないから)、イワナを捌くのはナイフで。

 
小さめのイワナははらわたを出して、開いて半分にカット。
もう一匹は三枚おろしにして刺身に。

そしてここからがまな板と包丁が必要になってきます。

 
刺身にしたイワナを細かく叩いて、もってきた味噌玉、それにみじん切りにした大葉と長ネギを加えてさらに叩きます。キャプテンスタッグのまな板、折り畳みだから仕方ないんだけど真ん中に割れ目があるのが絶妙に使いにくい(笑)

 
ご飯が炊き上がったので火から降ろして蒸らします。小鍋をちゃんと火にかけ、チチタケとつみれを投入。こちらも最後は味噌で味付け。

 
途中コンビニで小さいサラダ油を買えば良いと思っていたんだけど、セブンイレブンには小さい油が売ってなくて、仕方なくゴマ油を購入。まぁ、ゴマ油でも悪くはない。
山フライパンに油を入れて、イワナを天ぷらに。

 
ナスとチチタケも天ぷらに。
それから、イワナの頭と中骨は、弱火でじっくり揚げていきます。
骨を揚げつつ、お昼の完成。


本日の渓流メシ
・イワナのなめろう丼
・チチタケ入りイワシのつみれ汁
・チチタケ、ナス、イワナの天ぷら
・オレンジ
・イワナの骨せんべい
・紅茶

なめろう丼、完璧にできた!と思って卵を割って黄身を分けようとした時に油断して黄身を少し崩してしまった。それによって写真的には完成度が落ちてしまったけど…写真見ると黄身が崩れてるでしょ(苦笑)

イワナの刺身は何度も食べているけど、なめろうは初めてかも。
本当は、アジのなめろう丼にしようと計画して前日スーパーに買い出しに行ったら、売り切れていたので断念し、代わりにイワシでつみれを作り冷凍にして持って来ました。
イワナが釣れたら天丼にでもしようと思っていたんです。
そしたら、天ぷらにちょうど良い小さめのイワナと、刺身にできそうな大きいのも釣れたのでイワナのなめろう丼も加わった豪勢な昼食になりました。

一応書いておくと、渓魚の生食は真似しない方がいいと思います。
私は食べてますが、イワナの生食の話を書くと「川魚を刺身で食べちゃダメじゃない?」と言ってくる人がいてメンドクサイので、こちらをご覧下さい。
というわけで、私は生で食べることもありますが、他の人にお勧めすることはないです。

今まで最高の渓流メシは、天ぷらのタネを現地調達した天ざる蕎麦でした。

早起きして自分で蕎麦を打ち、渓流へ向かう途中にタラノメコシアブラ天然ワサビを採ってからの天ざる蕎麦、最高でした。
今回はそれを上回る最高の渓流メシになりました。それもこれも、現地調達できたチチタケとイワナのおかげです。

 
イワナのなめろう丼、映えるように卵の黄身を真ん中に乗せましたが、卵はなくても良かったかもしれません。イワナとチチタケも使った天ぷらは身に余る幸せ。

 
チチタケはつみれ汁にも入れて、そちらも良い出汁が出て美味しかったです。
そして、最後に弱火でじっくり揚げた骨せんべい、頭までカリカリに揚がって食後の紅茶のおともに最高です。

ありがとうございます!

ミッシングリンクには魚を狂わせる何かがある?


ゆっくりと休憩。もう終わろうとしている夏を惜しむように、ミンミンゼミが鳴いています。
すでに今日はほぼ満たされた気分ですが、もう少し釣り上ってみます。


絶好のポイントが連続するここの渓相が好きです。ただ、夏休み中にだいぶ攻められたようで、魚影は薄いです。


黄色矢印のところ、滴り落ちる水滴がピチャピチャと当たって長い年月の間に大岩を侵食し、滑らかにえぐられたようになっています。水の力は本当に凄い。
魚の反応が無い時間が続きます。
テンカラからフライにチェンジしてみます。
フライはミッシングリンク#12です。


大淵奥の深さのある廊下から出ました。


ミッシングリンク、やはり魚が丸呑みにしてきます。
とにかくこのフライには魚を狂わせる何かがあるようです。


淵からの流れ出し、イワナがフライ目がけて突進しましたが食い損ね、さらに下流に追いかけて再度食おうとしましたが、間に合わず…

 
至近距離からリーダーキャストで狙うと、何度か出てきますが上手くフライを食えません。
何度目かにやっとフッキング。


減水状態なので遡行しやすいです。


小さなプールの流れ出し。
吸い込まれるようにフライが消えたので、合わせると良い引きしてます。


大きさの割にあどけない顔つきのイワナでした。


淵のヒラキ。
フッキングするも浅掛かりだったのか、寄せる途中でバラし。


気付くと、そろそろ退渓した方が良さそうな時間になっています。


沈み石に囲まれた壺から出ました。


このイワナを最後に川から上がることにします。
今日も楽しい釣りができました。ありがとうございます。

カサカサカサという音に気付かなかったら…

さて、ここからの帰り道を考えるとげんなりします(ため息)
あの、急勾配のつづら折れを上って行かなければいけないのですから。

 
まずは林道を上って、ここから急勾配つづら折れのスタート。
少し登り始めただけで息切れしてるじゃん(苦笑)

 
無心に登り続け、だいぶ登った(つもり)ところで、振り返って見下ろします。
うーん、半分以上は登ったよね?
脚を投げ出して一休み。ずいぶん鍛えられるな、これは。


息絶え絶えにあと少しで頂上というところまできて、斜面にチチタケが生えているのを見つけました。(よーくみると、この写真にもう一つ写っているものがあるんですけどね)
こんなに淡い色合いのチチタケは珍しい。これほんとにチチタケ? 採ってみようと手を伸ばした瞬間、
カサカサカサと枯れ葉を擦り合わせるような音が!?
ヤバい!!


マムシがとぐろを巻いて今にも飛びかかろうとしているではないですかっ!
カサカサカサという音はマムシがガラガラヘビのように尻尾の先を震わせて出している威嚇音で、それを無視してさらに接近すれば間違いなく噛み付かれていたでしょう。おー、コワ!
(尻尾を震わせる音はカサカサカサと聞こえたり、ジリジリジリと聞こえたり、個体差があります)
こんなところで、マムシに噛まれてしまったら大変なことになる。この場所ならまだ車が近いから良いけど、これがつづら折れ登りのスタート地点付近だったらと思うとゾッとする。
マムシに噛まれた状態で激しい運動なんかしたら大変なことになる。

今回は威嚇音に気付いたから助かったー。アウトドアでは、常に周囲の微妙な変化、気配を感じ取ることが大切だな、とあらためて思いました。
例えば、落石の気配とか、熊の気配とか。それを感じ取れるかどうかが分かれ目。


停車場所に辿り着くと、空には少し秋らしくなった雲が足早に流れていました。
着替えて車に乗り込み、林道を下っているうちにすっかり辺りは暗くなり、今日一日を振り返りながらの夜間ドライブで帰路に就きました。

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