今回は虫を食べちゃう話です。虫が苦手な方は読まない方が良いかも(笑)
地元、長野県の上伊那地方は全国でも指折りの昆虫食文化のある地域です。
蜂の子やイナゴなんかは食べる地域も他にあると思いますが、ざざ虫を食べるのはおそらくここだけでしょう。
長野県内の方はご存じだと思うし、最近はテレビで紹介されることも多いですが『ザザムシ』ってどんな虫なの?と思われた方もいるでしょう。
ざざ虫ってどんな虫のことなの?
ざざ虫(ザザムシ)とは、釣り人なら良く知っているカゲロウ(ピンチョロ)、カワゲラ(オニチョロ、キンパク)、トビケラ(クロカワムシ)の幼虫の総称です。それを佃煮にして食べるんです!
虫を食べるなんて話を他県の人にすると、どこかの国の原住民かよ!というような目で見られます。ただ、今は普段家庭で食べるなんてことないですよ。若い人はまず食べられないし、食べるのはほぼ年配者のみ。さらに、今はざざ虫の佃煮は50gで2,000円もする高級珍味ですから。
私は好んで食べはしませんが、小さい頃から、蜂の子やらイナゴやら食べさせられてたんで、食べるのは平気です。かなりなゲテモノも食べられます(笑)
天竜川上流域では、昔から冬場にはこれらの虫を捕って、貴重なタンパク源として食べていたそうです。昔は、オニチョロが多かったそうですが、今はほとんどがクロカワムシです。だから、今、ざざ虫と言えば、クロカワムシのことで、そこにピンチョロやオニチョロが少し混じってるって感じです。さらにヘビトンボもOKです。個人的にはヘビトンボ、苦手です。手で掴むと噛んでくるし(笑)
ざざ虫漁をするのには漁協の許可が必要。
このザザ虫捕り(虫踏み)をするには漁協の許可が必要なんです。えーっ、虫を捕るのに許可!? そうなんです、釣りの鑑札と同じように。なぜかというと虫を捕れば買い取ってくれる業者があるので、お金になるんです。こんなのは全国でもここだけです。お金になるからと言って、漁協の許可が必要で漁協にお金を払わなければいけないのは、何だか納得いかないけど。虫を放流しているわけでもあるまいし。
細かく言うと、漁協の組合員になってさらに1年分の許可料を払わなければいけません。ざざ虫捕りができるのは12月〜2月の3カ月(虫がうまいのは冬場だから)。
ただ、これは四つ手網なんかの大がかりな道具を使って捕る場合であって、個人が家庭で食べるくらいを捕る分にはなんの許可もなく自由に捕って大丈夫です。
前置きが長くなっちゃったけど、ともかく父親がザザ虫の佃煮が好きなので、この際自分で捕って作っちゃおうってわけです。ここから、虫の写真入りです(笑)
↑釣り人おなじみのクロカワムシ。石を裏返せば、ほらいました。目の細かい虫捕り網を石の下において足でガサガサやれば何匹もまとめて捕れます。
ざざ虫の佃煮
↑このくらいの量になりました。クロカワムシは小さい石を集めた巣の中にいて、砂を抱いていることが多いので、良く洗って砂を落とし、ゴミも取り除きます。この洗う作業が結構大変。
↑下ゆでします。沸騰してから1分くらい。一旦冷水にとり、ここでもう一度きれいに洗います。茹でると紫っぽい色に変わります。うまそう!・・・には見えないですね(笑)
↑ざざ虫125gに対し、水100cc、醤油20cc、酒10cc、みりん10cc、砂糖15gを入れて煮ます。
(後日、水の代わりに全量酒にして、すり下ろししょうがを加えて作ってみたら、さらに美味しくなりました)
フタをせずに煮詰めていきます。水が少なくなってきたら弱火にして、焦げ付かないように水分がなくなるまで煮詰めます。右写真くらいになったら火を止め、冷まします。
↑完成! 右下のヘビトンボはインパクトあるな、やっぱり。
ふにゃふにゃした感じに見えるかもしれませんが、カリッとした感じの仕上がりです。
肝心の味の方は、香ばしさがあって川エビの佃煮に野性味を加えた味ってとこですかね(わかりにくい)。正に珍味・・・酒のつまみには最高(人によるけど笑)。
こちらでは瓶詰めなどでも売られていますので、当地へお越しの際はぜひお土産にどうぞ。もらって喜んでくれるかどうかは保証できませんが(爆)。でも、栄養価は抜群ですよ!
少し前に、食品に虫が入っていたと大騒ぎになりましたが、こちらは最初から虫を食材にしちゃってるというなんともワイルドな話でした(笑)
こんばんは。
私も色々な物を食べてきましたが、川虫(ザザムシですか)を食べた事はありません。
記事を読み進むと、何故かしら笑いも込み上げてきて面白かったです。
最後の虫混入事件のクダリは爆笑もののオチですね。
食べ過ぎて、パーマークが出ないように気を付けて下さいな[絵文字:v-411]