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車のエンジンが突然かからなくなった時の対処法

車関連ジムニー
この記事は約11分で読めます。

今年(2021年)のお盆は未だかつて無いほどの大雨が降り、全国各地で甚大なる被害が出てしまいました。うちからほど近い岡谷市では死者が3名も出てしまい、他にも長野県内各地大荒れでした。
お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするととともに、被災された方々が一日も早く元の生活に戻れることをお祈りします。

改めて自然災害の恐ろしさを目の当たりにした出来事でした。

大雨の後の災厄|突然ジムニーのエンジンがかからなくなる

2021年の8月14日は本当にどしゃ降りで、翌15日は雨自体は小雨になりましたが、前日の大雨で河川は大増水土砂崩れもそこここで起きていて、多くの地区で避難指示も出ていました。

私はその日、どうしても出掛けなければ行けない用事があったので(と言っても物理的に不可能であれば行かなくても許されたと思うけど)、ジムニーで出動。
小雨になったから道路は何とか大丈夫だろう、と思って出掛けたのですが・・・


国道が冠水して、とても危険な状態。反対車線からやってくるプリウス(たまたま私が乗っているのと同じ赤色)も大変なことになっている。
ジムニーでもちょっと怖い。こんな時に出掛けちゃいけないな・・・

こんな場所を何ヶ所かヒヤヒヤしながら通過し、目的地へ向かう途中、電話が掛かってきたのでとりあえず近くの墓地の駐車場に入れて、こちらから電話をかけ直すことに。


よし、ここなら落ち着いて電話できる。
一旦エンジンを切って電話で話すこと5分ほど。

要件が済んだので、エンジン再始動!

ん?

あれ? キーを回してもうんともすんとも言わなくなっちゃった。
どうしたの?これ?
5分前までは普通にエンジン動いてたし、バッテリー上がりって言うような状況じゃない。
ジェネレーターが壊れてればそういうこともあるかもしれないけど、アクセサリー位置でパワーウインドウが動くくらいだから、やっぱりバッテリー上がりじゃないね。

人生初めてJAFに救援要請をする。


ボンネットを開けてみるけど、まぁ、どうしようもないよね。
たぶん、セルモーター(スターティングモーター)に何らかの問題が発生しているんだと思う。
冠水道路をジャブジャブと走ってきたのが何らかの問題を引き越したのかもしれない。
それとも、場所が墓地だけに何らかの心霊現象か(笑)

これは、いよいよJAF様の登場かな。
私はもうずーっとJAF会員になっていますが、先日軽トラバッテリー上がりで呼ぶことになるかと思ったばかりですが、その時はセーフでした。
ということで、正真正銘JAFを呼ぶのは今回が初めて。


スマホのJAFアプリを起動して、「ロードサービス」っていうところ(画像の黄色矢印)をタップしてトラブルの内容やらなにやら入力して送信するだけ。
スマホからなら位置情報も送信してくれるので、目印になるようなものが無い場所でも簡単に救援要請できます。
送信するとほどなく、アプリ経由でおよその待ち時間の連絡が入ります。

しばらく待つと、救援に来てくれるスタッフから直接電話が入って、再度トラブルの内容確認と位置確認などをします。今回は到着まで45分ほどかかるようです。
「もしどうしてもエンジンが掛からず、牽引して行かなければいけなくなった場合の牽引先を考えておいて下さい」とのことでした。
15kmまでは無料で牽引してくれるんだけど、運が悪いことに今日は車屋さんはどこもお盆休みで営業してないんだよね。となると、年中無休のガソリンスタンドか。私がいつも伊那で行っているガソリンスタンドは年中無休24時間営業で、しかも整備士が何人もいるので車の修理ならなんでもできます。そういうスタンドって探してみると少ないんですよね。
そこまでってことになると、15kmは超えるけど多少お金がかかるのはこの際仕方ないか・・・

外は相変わらず小雨が降り続いているので、ジムニーの中で待機。
待っている間に、スマホで検索してみると、エンジンがかからない原因がバッテリーでは無い場合は、やはりセルモーターの不具合の可能性が高いとのこと。
「セルモーターを叩きながらイグニッションキーを回すとエンジンが掛かる場合もある」
という情報もあったけどほんとかな、そんなのテレビが壊れたら叩けば直るっていうのと同レベルじゃないの?(笑)

やってきました、頼もしいJAFの救援車

スマホでいろいろ検索しているうちに、JAFの救援車が到着


待ってました、JAF様!
なんかこの車を見ると安心するね。

私から事前に状況説明してあったので、
「バッテリーが問題ではないと思うけど、念のためバッテリーからチェックします」
というお兄さん。
チェッカーでテストするとバッテリーの電圧は大丈夫なので、やはりセルモーターの故障の可能性が高いという結論に。

これは、レッカー移動ということでしょうか?
と思っていると、
「ちょっとこれで叩いてみますので、キーを回してもらえますか」
と、小型のバールとハンマーを持ち出してきました。
あれれ、ネットにあった怪しげな情報と同じ手段を試すってことですか?

「ちょっと叩いてみますので、叩いている間にキーをオンにしてみて下さい」
コンコンとカナヅチの音が鳴る中、何とか動いてくれ!と念じながら、お兄さんに言われるままに、イグニッションオン!

すると、キュルキュルっとセルモーターが回り、一発でエンジンが掛かってしまいました!
まさか、これで本当にエンジンが掛かるとは思いませんでした。

話を聞いてみると、セルモーターの不具合の場合、この方法で掛かる確率は結構高いそうです。
コンコンと叩くことで、セルモーター内部の接触不良や錆による引っかかりなどが改善されて動くことがあるらしい。もちろん、全てが全て動くという訳にはいかないけど。

というわけで、JAFのお兄さんに丁重にお礼を言って、その日は無事用事を済ませて帰ってくることができました。

当日はエンジンを止めるのが怖かったので、帰宅までエンジンはノンストップにしておきましたが、その後はエンジンを切っても、全く何ごとも無かったかのように普通にエンジンが掛かるようになりました。エンジンが掛かりにくいというようなこともなく、むしろ快調なくらいです。
ただ、JAF兄さんが言うには、一度エンジンが掛かればしばらくは普通にエンジンがかかるかもしれないけど、セルモーターに何らかの不具合があることは間違いないので、できるだけ早く自動車屋さんで診てもらった方が良いとのこと。
また、バッテリーも2014年製なので点検をしてもらって下さいとのこと。
私は、バッテリー交換してからまだ3、4年のつもりでしたが、調べてみると実際に交換したのは2015年ですでに6年目になっていました。
セルモーターと合わせて点検しなくては。

イグニッションキー(今はプッシュスイッチの車も多いけど)をオンにしてもうんともすんとも言わず、エンジンが掛からない場合にチェックおよび試してみる方法を書いておきます。

車のエンジンが突然掛からなくなった場合の対処法

(1)冷静になってうっかりミスを確認

まずは深呼吸をして以下の4つに該当しないかチェックします。

  1. AT車の場合シフトがPポジションに入っていない。
  2. AT車の場合ブレーキペダルを踏んでから始動していない。
  3. MT車の場合クラッチペダルを踏んでから始動していない。
  4. ハンドルロックされている。
ハンドルロックとは?
盗難を防ぐための機能で、始動キーが無い状態でハンドルを動かそうとすると、ハンドルが固定されて操作できなくなる機能です。
解除するには、イグニッションキー車、プッシュスタート車ともに、ハンドルを左右に軽くカチカチ動かしながらエンジン始動します。
普段から車に乗っているのに、そんなうっかりミスするわけないでしょう?って思いますよね。
確かにそう思いますが、人間焦っていたり他のことに気を取られていると普段の行動と違うことをしてしまうことはよくあります。そして、原因が分からずパニック状態に陥ることも。
トラブルが発生したら、慌てず騒がずまずは深呼吸して冷静になることが大事です。

(2)燃料切れでないか確認

ガス欠になる前に、インジケーターが点滅したり警告音が鳴ったりするので、普通ならそんなことはないと思いますが、JAF出動要請の理由として常に7番目か8番目くらいに「燃料切れ」があって、全体の1〜2%を占めているので、あり得ないことではないです。

下記は、参考までに2020年のゴールデンウィーク中のJAF出動案件の内訳です。

順位 出動理由 件数 構成比
1 過放電バッテリー

17,145件

43.17%

2 タイヤのパンク、バースト、
エアー圧不足

6,249件

15.74%

3 破損/劣化バッテリー

2,659件

6.70%

4 キー閉じ込み

2,205件

5.55%

5 落輪・落込

1,984件

5.00%

6 事故

1,122件

2.83%

7 燃料切れ

517件

1.30%

8 スパークプラグ

477件

1.20%

9 発電機/充電回路

466件

1.17%

10 スタータモータ

415件

1.05%

(3)バッテリー上がりかどうか確認

まず、イグニッションキー(またはプッシュスイッチ)をONにしてセルモーターが回るかどうかを確認します。その時の症状によって原因がいくつかに切り分けできます。

  1. セルモーターが弱々しく回る(またはカチカチという音だけがする)場合は、バッテリーに問題があります。
  2. セルモーターがしっかり回るのにエンジンが掛からない場合は、バッテリーには問題がなくスパークプラグなどの問題。
  3. セルモーターが全く回らない場合→イグニッションキー(またはプッシュスイッチ)をアクセサリー位置にして、ライトの点灯やパワーウインドウを作動させてみる。
    それらが動かなければバッテリーの問題、動けばバッテリー以外の問題→次に疑うべきはセルモーター。

(4)セルモーターの不具合が疑わしい場合の対処法

セルモーター本体をコンコンと叩きながら、イグニッションキー(またはプッシュスイッチ)をオンにすると、エンジンが掛かることがあります。一度エンジンがかかれば少なくともエンジン停止するまでは問題なく走れます。
これでも掛からない場合は、諦めてJAFや保険会社に救援を依頼して下さい。

この方法でエンジンが掛かればしばらくは問題なく乗れる場合が多いですが、セルモーター内の接触不良または錆などの問題があるので、早めにセルモーターの修理(交換)を依頼した方が良いです。

突然エンジンがかからなくなった時に試してみる方法


ジムニー(JB23)の場合、セルモーターはスロットルボディーの下、やや奥まったところ(黄色矢印)にあります。
自分の車のセルモーターがどこにあるのか、確認しておくことをお勧めします。


もっと写真をアップにしてみます。
黄色矢印のところに、シルバーと黒のツートンカラーのセルモーターが見えます。
コンコン叩く場合は、このシルバーの部分を叩きます。

 
JAF兄さんは短めのバールとハンマーを使っていましたが、緊急時に対応する場合は車載工具のホイールレンチ(タイヤ交換の時にホイールナットを緩めたり締めたりするやつね)が使えそうです。
写真2枚目の黄色矢印のところに、ホイールレンチの先端を当ててこのままコンコンやっても良いですが、力の入れ具合が難しいしうっかりケーブルなどを引っかけたりしてもいけないので、先端をセルモーター本体に押し当てたまま反対側をハンマーで叩くのがベストです。

 
左手でホイールレンチを持ってセルモーターに先端を押し当てておいて、ホイールレンチの頭をハンマーでコンコンと軽く叩きます。
叩きながらイグニッションキー(またはプッシュスイッチ)をオンにしなければいけないんですが、これを同時に一人でやるのは無理なので、誰かに頼みます。

同乗者がいれば大丈夫だけど、一人だった場合は?

通りすがりの人にお願いするしかないですね。人がいる場所(例えばスーパーの駐車場とか)なら、事情を説明すれば意外とOKしてくれるはずです。
お願いできる人もいないような場所の場合は、コンコン叩いた直後に自分でイグニッションオンにしてみます。それで掛からなければ、最後の手段。
右手でホイールレンチを持ってつつくようにコンコンやりながら、左手はウインドウから手を突っ込んでイグニッションをONにします。ジムニー(JB23  1型 MT車)は、ブレーキペダルもクラッチペダルも踏まずにエンジン始動が可能なので、ギリギリできないことはないです。

ここまでやってもセルモーターが回らなければ、素直にJAFか保険会社に救援要請して下さい。

MT車なら、もう一つの方法があるにはある。

MT車限定ですが、セルモーターが回らなくてもエンジンを掛ける方法はもう一つあります。たぶん、AT限定免許でなければ教習所でも教えてくれたんじゃないかな。
それは、「押し掛け」という方法で、ギアを2速に入れてクラッチを切った状態で車を押してある程度のスピードが出たところでクラッチをガンっとつなぐんです。すると、上手くいけばブルルンとエンジンが掛かります。
この方法は、誰かもう一人に車を押してもらう必要があります。平らな舗装路面なら意外と一人でも車は押せます。もちろん二人いればそれに越したことはないけど。
下り坂FFなら誰もいなくても一人だけでもエンジン始動が可能ですが、そんなに上手い具合に下り坂でエンストするわけないし、そもそも車の往来の激しい場所で押し掛けは危険なのであくまでも最終手段ですね。

普段からトラブルに備えておきましょう。

車が問題なく動いている時は気にもしないですが、トラブルは突然襲いかかってきます。それに備えて解決方法を頭に入れておくと、いざという時に役立つかもしれません。
バッテリー上がりに備えてジャンプスターターを用意しておくのもお勧めです。

その後2、3日、普通にエンジン始動はできていましたが、セルモーターに何らかの不具合が発生していることは間違いないので、セルモーターをリビルト品に交換すべく、例によって自分でできるかどうか途中まで作業を開始してみました。
・・・つづく。

2011.11.17追記:
セルモーターをリビルト品に交換するつもりで作業を開始しましたが、セルモーター自体を分解してブラシのみの交換をしてみました。リビルト品に交換するだけなら思ったより簡単です。

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コメント

  1. 素晴らしい経験談ありがとうございます。
    妻がポンコツルノーカングー乗っていたときエンジンルームの電子機器を振ると直ってました。
    でもしょっちゅう止まるので嫌になって乗るのやめました。

    エンジン止まると凄く不安になるのでそこだけはちゃんとしてほしいものです。

    • サカガミさん、こんばんは。
      読んでいただき、ありがとうございます。
      カングー、個性的な外観で私は結構好きな車です (^_^)
      でも、エンジンルームの電子機器を振ってエンジン始動はやってられませんね(笑)

      そうなんですよね、肝心要の部分はしっかりして欲しいですよね。
      常に不安を感じながら乗らなければいけない車では困りますねー。

  2. おはようございます
    表題を見て読み進むと、最初の大雨出水の写真があったので、高圧電気の漏電かなと思いました。
    昔、オルタネータ方式で高圧線があった時代は、ボンネット内が水跳ねで濡れると、エンジントラブルが起きていました。
    高圧ケーブルを拭いて、ボンネットを閉め、エンジン余熱でケーブルを乾かすと、OKでした。
    今回の様なセルモータトラブルは実経験も耳経験もありませんでしたので、面白かった??です。
    モーターの接点不良を叩いて解消するのかもですね。
    それにしても、セルモーターの交換とは、もはや、プロのアプローチですよ。

    • マンボウさん、こんばんは。
      冠水道路をじゃぶじゃぶ走ってきた後なので、水が掛かったことが引き金になった可能性は否定できないんですよね。
      なるほど、コネクター部分を抜いて乾かすと直ったんですね。エンジンの熱で乾かすというのがいいですね (^_^)

      セルモーターは消耗品ではあるけれど(ブラシですかね)、交換時期は15万キロくらいらしいので、私のジムニーのように高走行距離車でないとあまりトラブルはないのかもしれません。逆に言えば高走行距離車だと結構トラブルあるみたいです。
      セルモーター交換はジムニーだからこそやる気になりますが、他の車なら私では無理だと思います (^_^)

  3. なるほど、こんな状況だったのですか。
    ボクは20年近く前にバッテリー上がり、15年ほど前に林道でスタック、10年ほど前にマフラー外れ、7~8年前に林道でパンク(車内工具無し)と、計4回JAF様を呼んでます。
    やっぱりプロのお助けマンの姿ほど、頼りに思えることはないですね。
    簡単にセルが回って良かったですね。

    • kuniさん、こんばんは。
      そうなんですよー、この前JAF救援要請を免れたと思ったばかりなのに、とうとうお世話になってしまいました(笑)

      そうですか、4回もJAF様を呼んでいて、その内2回は林道なんですね。林道の場合、携帯電波圏外だったりすると大変なことになりますよね。そうじゃなくて良かった。
      JAFのあの青い車が颯爽とやってきた時は、頭の中でスーパーマンのBGMが流れました(笑)
      おかげさまで、事なきを得ました (^_^)