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天竜峡温泉から遠山郷へ|旧木沢小学校と下栗の里

春夏秋冬
この記事は約6分で読めます。

温泉旅行で、戦前の小学校と太古の里にタイムスリップ

母親を連れて紅葉シーズンの天竜峡へ

11月上旬に母親を連れて一泊温泉旅行へ行って来ました。
温泉旅行と行ったってウチからほんの1時間ほどの天竜峡(長野県飯田市)なんですけどね。ちなみに泊まった旅館はここです↓

天竜水神温泉 花薫る宿 よし乃亭
料理は美味しいし、部屋から天竜川を眺められるし、なかなか良い旅館でしたがそれは上記リンクでも見てもらうとして、飯田近辺で見応えのある場所ないかな、と探してみたらまずはシーズン的に天竜峡の紅葉。


この日は天気予報では雨。でも、なんとか曇り空で持ち堪えてくれました。


時折日も射して来たりして。
紅葉シーズンということで宿泊代も少し割高でしたが、なんとか紅葉が見られて良かった。

そして、なんか文化財にもなっている古い木造の学校があるとか。


杵原小学校(写真は南信州ナビから)
※当日も写真は撮ったんだけど母親が映り込んでるので使用NG(笑)
そして、辿り着いたのは良いけどどうやらいつでも中が見られる訳ではないみたい。
仕方ないので外観だけ見て撤退。

そして旅館に泊まって、他に見どころを検索していたら、同じような古い学校があるとのこと。翌日そちらへ向かってみました。

懐かしさと温かさを感じる木造校舎|旧木沢小学校


旧木沢小学校(写真は遠山郷観光協会から)
※ここでも当日写真は撮りましたがまたまた母親が写っているので使用NG(笑)
昭和7年建築、平成12年に廃校になった木造校舎。
昭和7年て言ったら西暦1932年、当然戦争(第二次世界大戦)前なんだよね。
今現在2023年だから、築91年ってことになるね。そんな木造校舎が今も残っているとは。
地元住民の手で保存され、資料館やイベントスペースとして活用されているとのこと。
入場無料ですが、協力金のお願いをしています。
なんでも、ここに住み着いている猫がいて「ねこ校長」と呼ばれて人気者なんだとか。

私はどうしてここへ来たのか。


当日の午前中到着すると、軽トラが何台か停まっていて5、6人で何かやっています。校庭の隅で何やら相談しているような。工事関係者?
学校の中見られるのかなぁ、とちょっと校舎の入り口付近でためらっていると、おばちゃんが近づいて来て「ありがとうございます」と。
訪れていただいてありがとうございます、という意味なんだろう。
「今日は何かあるんですか?」と尋ねてみると、住み着いていた猫が死んでしまったのだと。
えっ!?
かなり高齢ではあったようなんだけど、今朝姿が見えないと思ったら、近所の家の軒下で息を引き取っているのが見つかったそう。そして、地元の方々が集まって校庭の隅に、ねこ校長のお墓を作っていたんだと。
なんというタイミング…今回はこの猫に呼ばれてここへ来てしまったのか。
不思議なことに私は動物(もしくは動物の霊)に呼ばれることがよくあって、例えば小鳥の霊に呼ばれたり、罠に掛かって息絶えたキツネの霊に呼ばれたり、山奥で身動きできなくなっていた犬に呼ばれたり、他にもブログに書いていないことも多々あり。
今回は、ねこ校長が息絶える前に呼んだのか、それともその霊が私を呼んだのか。

なんか神妙な気持ちになっちゃったけど、学校の中を見させていただきます。
ここはなんと年中無休でいつでも見学可能です(問い合わせTel:0260-34-1071)。地元の方々がちゃんと管理してくださっているおかげです。ありがとうございます。

 
玄関から真っ直ぐ歩くと支援金のお願いが。控えめに「100円お願いします」と書かれていましたが、これだけの建物を維持していくのは大変だし、猫校長への弔意も込めて600円入れさせていただきました。小銭をそれだけしか持っていなくてすみません。


ねこ校長の写真も飾られていました。さっきお墓に埋められてしまったので、遺影のようになってますが、これは以前から展示されていたものです。
ともかく、合掌。

実体験ではないのに、なぜか懐かしい。


この廊下を歩くだけで、なんか懐かしい気持ちに。私が通っていた小学校も田舎の山麓みたいなところにあって、1学年20名ほどしかいない小さな木造の小学校でした。木造とは言ってもこんなに古くはなかったですけども。
こんな古い学校に通ったことは無いにも関わらず、なぜか懐かしさを覚えてしまう。
母親は実際にこんな感じの学校に通っていたらしく、リアルに懐かしがっていました。母親を連れて来られて良かった。

 
職員室と教室。


廃校になる前の学校の状態を残してあるだけでなく、今は地域の資料館としても利用してるとのことで、昔の消防ポンプが展示されていたり、


2年生教室は山の資料館(南アルプスに関する資料を展示)

 
二階への階段を上って行くと、運動会に使われたと思われる紅白の大玉が残されていたり、


4年生教室は林鉄資料館(森林鉄道の資料を展示)


山の図書室 小学校の旧蔵書や寄贈本など4千冊以上が閲覧できます。

 
この図書館でこんな「世界の名作文学」を読みふけっていたいな。
来年はもっと暖かい季節にきて、のんびり読ませてもらうかも。


5年生教室は祭りの資料館(木沢地区の霜月祭りを紹介)


ここにいると当時の小学生になってしまったような錯覚を覚えます。
当時の小学生たちはここでどんな気持ちで勉強していたのかな。


二階の教室から見下ろす校庭。この校庭の向こう側の一段高くなったところにねこ校長のお墓が作られました。今日はそれを悼むようにぐずついた景色ですが、春になれば窓からは綺麗な桜が見られることでしょう。


サヨウナラ、ねこ校長。安らかにお眠りください。

天空に浮かぶ古の集落|下栗の里

次に、天空の里や日本のチロルとも呼ばれる下栗の里へと向かいます。
南アルプスを望む飯田市上村の東傾斜面にある標高800m~1,000mの地区で、最大傾斜38度の傾斜面に家屋や耕地が点在する集落です。平成21年には「にほんの里100選」にも選ばれました。
駐車場に車を停めて、しばらく歩きます。

 
ここから山の中の遊歩道を歩きます。800m先に下栗の里を見下ろせるビューポイントがあるんです。

 
ここにも協力金を入れる箱があるので、心ばかりですが協力させていただいて、歩き始めます。


遊歩道とは言え、木の根が張りだしているところがあったり、アップダウンもそこそこあり、しかも前日に大雨が降ったのでぬかるんでいて年配の人は危険。
母親は途中で断念して引き返すことにしました。ここからは私一人で進みます。
今日はジャングルモックを履いてきてますが、カメレオン8に履き替えたいくらいの山道。

 
15分ほどで無事到着。手作りの展望台みたいになってます。


「定員40名」て書いてあるけど、ここに40人も乗れるの? 今日は誰もいないから独り占めだけど。
そして、開けた明るい方向へ視線を向けると…


どーん!
これが下栗の里。


こんな急傾斜地にいつの時代から人が住んでいたのかと思いを巡らせますが、隣接する中根地区で縄文土器が出土していることから下栗でもこの時期、既に人が生活していたと推測され、最奥の大野地区には、三浦、久保(敷)などの姓があることから、一部には南アルプスを越えて鎌倉武士が分け入り定住したとも言われています。

ちなみに、遠山郷観光協会さんの写真をお借りして初夏と冬の下栗の里の様子もご覧下さい。


新緑に包まれる下栗の里。


雪に閉ざされた下栗の里。

今現在でも買い出しに行くだけでも大変だ(特に冬はどうするのか)と思うような場所ですが、私はこんなところで暮らすのにちょっと憧れちゃうんですよね。

温泉旅行のついでに気まぐれに立ち寄った、旧木沢小学校と下栗の里。
この二つを見るためだけに遠方からやってくる価値があると私は思いますが、全く心に刺さらない人もいるでしょうね。感じ方は人それぞれ、それは仕方ないです。

私はまた来年この辺りに釣りに来ることになると思います。来年はここを流れる遠山川でアマゴやイワナを釣ろうと計画しているので。
昔に比べると魚が減ったと言われるこの秘境大渓流、今現在どんな状況なのか自分の目で確かめたいと思っています。

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コメント

  1. おはようございます
    自分は行った事はないが、孫が凄かったと話していた日本のマチュピチュ。
    下栗の里ちかくでの山賊キャンプ、3年連続で行っていましたがコロナ騒動で駄目になったとガッカリしていました。
    夕陽に輝く光岳を観に行ってみたいですね。

    • マンボウさん、こんにちは。
      下栗の里の近くで山賊キャンプ? そんなイベントがあるんですか。
      山賊ってのは何だろう?(笑)
      コロナの影響は大きかったですね。いろんな活動が制限を受けてしまいました。
      夕陽に輝く光岳、その名の通り壮観でしょうね。

  2. なんだか一向に釣り師リコプテラさんが登場されない気がするなんてことは、イスカンダルの彼方にでも置いておいて・・・と。(笑)

    ちょくちょくとお母さま孝行をされているのを拝見して、見習わなくちゃいけないなぁと考えさせられます。
    紅葉も綺麗だったようで、お母さまもお喜びになられたのでは。^^

    ネコ校長様は、きっとリコプテラさんに来て貰うよう念じていただろうから、実際に思いが通じたと安心して旅立たれたような気がします。

    なんとなく神々しいようなタイトルのサムネイル画像はどこだろうと思っていたら、こんな場所があるのですね。
    ボクも、こんな場所惹かれるヒトです。

    • kuniさん、こんにちは。
      イスカンダルまで行っちゃうと無事に戻って来られるかどうかわからなくなっちゃうので(笑)
      まぁ、母親もそこそこ高齢ですからね。できるときに親孝行しておこうと思って。

      ねこ校長は生きている間にお目にかかりたかったけど、間に合いませんでした。安らかに眠ってほしいです。

      下栗の里は単に珍しい景色というだけではなく、昔のそこでの暮らしに思いを巡らさずにはいられません。

  3. こんばんは。
    懐かしい校舎ですね、私も小学4年生まで分教場といわれる山の中の小学校で学びましたがこの様な建物でしたね、支援金の入れ物のビン、お蚕の消毒に使ったホルマリンの入れ物だったような気がします、消防ポンプも同じ様な物が学校近くの消防小屋にありました、お母さんも懐かしがったでしょう、親孝行されていますね、下栗の里、もっとPRすれば、国際的な景色だとおもいますね。

    • kita80さん、こんにちは。
      kita80さんは実際にこういう校舎での思い出があるんですね。
      これは何の瓶だろうと思いましたが、養蚕で使ったものでしたか。こういう学校や昔の暮らしがわかる資料はいつまでも保存してほしいですね。この時代を忘れてしまうと、今の普段の生活がいかにありがたいことかもわからなくなってしまう気がします。

  4. 下栗の里の展望台は結構歩きますよね。ちょっとした山歩き。
    あの急傾斜を上る自転車レースもあるんですよ。誘われましたけど、きついとの感想を聞き、断りましたが。
    しかし、あのロケーション・景色は圧巻です。あまりにも観光客が押し寄せると生活に支障がありそうですね。

    • はるさん、こんにちは。
      下栗の里、行かれたことがあるんですね。展望台までの山道、「遊歩道」ということだったのでもと気軽に歩けると思ったら、木の根が張り出していたりアップダウンもかなりあって、年配の方にはきついですね。
      そんなきつい自転車レースもあるんですね。

      そうですね。下栗の里は実際に普通の生活を送っている方々がいるので、観光バスで渋滞するようなことになったら生活に支障が出ますね。

  5. 親孝行ですね。

    • nanaさん、こんにちは。
      親孝行というほど大したことではないですが、母親もだいぶ高齢になってきたので、足腰がまだ大丈夫なうちに好きな温泉くらいは時々連れて行っています。
      「孝行のしたい時分に親はなし」なんてことわざもありますしね。できるうちに、と思っています。