今年は残暑が厳しく、10月上旬になっても日中は暑い日が続いて、
「いったいいつになったら秋になるの?」なんて思っていましたが、そこから急激に寒くなって、なんだか夏から急に冬になってしまった感じ。
車のタイヤも早々にスタッドレスに履き替えました。
こんなに寒くなってから、あの暑い夏を懐かしく思いながら源流釣行記書きます。
私は冬が苦手なので、夏を思い出すと少し元気が出るのです(笑)
今年はいろいろと忙しくて渓流釣りにもあまり行けませんでしたが、7月中旬に源流二泊三日釣行を計画していました。しかし、その直前に夏風邪(コロナでもインフルエンザでもない)を引いてしまい、それが二週間以上もぐずぐずと完治せず、7月は全滅。
それでも8月下旬にもう一度なんとか予定を立てました。8月下旬に源流に泊まると朝は寒いんじゃないの、すでに。
源流にイワナは生きているのか|天竜川水系イタチ谷(1日目)
崩れて埋もれた林道はどうなっているのか。
イタチ谷は昨年は行けなかったので、まず問題は崩落したままになっていた林道がどうなっているのか。少なくとも一昨年までは奥の方は崩れたままで途中でMTBを放棄して、崖を下ったり上ったりしながら先へ進まなければならかったんだよね。
今回は今までより奥まで行こうと思っているので、林道が一昨年のままならかなりきつい展開が待っているのです。
とにかく今回は荷物を極力減らして身軽な状態で行きます。
二泊三日の時はいつも欲張って、フライ、ルアー、テンカラと三種類もの道具を持って行ってましたが、今回はテンカラのみで挑むことに。
Naturehike 40L+5LバックパックをMTBのリアキャリアに括り付け、たぶん今回で引退のサワークライマーRAを履いて6時前に出発!
もう秋の気配が近づいて来ているので林道走りも快適です。
この時は9月以降10月上旬まで厳しい残暑が続くなんて思ってもみませんでしたが。
途中、眼下の流れを見やると、あれ、なんだか濁ってない? このところ雨はほとんど降っていないのになんだろうこの濁り。
ようやく山の上の方に日が射してきました。
林道がぬかるんでいますね、昨晩この辺りは雨が降ったのか。
荷物を減らしたとはいえ、久々のMTB走りは疲れるね。時々休みながら2時間弱で思い出の第一キャンプ村に到着。
ここまでは順調だったけど、この先の林道がどうなっているか、それが問題だ。
ここは確か右側の崖が崩れて林道が埋まっていた箇所。
綺麗に整備されてるじゃん!
これはありがたい。どこまで整備してくれたのかな。この先はもっと大規模に崩れた所がいくつもあったんだけど。
清水ポイントで水補給。
ミズ(ウワバミソウ)がたくさん生えています。
今日は最低限の食料しか持ってきてないから、これを採っていこう。
ミズコブ(むかご)がもうでき始めています。
林道は右側の崖の上にあったのに、それを敢えて直さずに崖下の川の脇にバイパスを作ったんだ。
この発想は無かった。そうか、こういう方法もあったのか。大水が出て増水したらこの道も流されちゃいそうな気もするけど、とりあえず今日はありがたい。これなら、スイスイ先へ進める。
バイパスは再び崖上の林道に繋がり、その先でまたバイパスを通って。
早々にMTBを乗り捨てなきゃいけないと思っていたのに、これは嬉しい誤算。
ここまで来るとだいぶ汗もかいたことだし、さすがに疲れた。
塩飴で塩分補給しながらさらに先へ。
今日はとりあえず野営地まで辿り着くだけでも良いという覚悟で来てるけど、これは予定よりかなり早く到着できるかも。
ちょっと休憩。持って来たジャムパンでも食べよう。
現在8時45分。予定よりもだいぶ早いから、ここからはのんびり行こう。
この先に見える崩落箇所もちゃんと直してくれてるじゃん。
これはもう、崩れたところ全部直してくれたね、きっと。ありがたや、ありがたや。
MTBに別れを告げて、バックパックスタイルでさらに上へ
この辺りまで来ると水の濁りはとれましたが、かなりの渇水ですね。
魚がいるのかどうか、ちょっと毛鉤を打ってみる?
サワークライマーは足首周りが薄いネオプレンでピッタリしているので、クラベルガード(砂除け)無しでもほぼ問題ありません。
タックルは、NISSIN ZEROSUM テンカラ 7:3 3207、SUNLINEぶっとびテンカラ レベルライン3号(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)+FUJINO フロロテンカラハリス0.8号(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)。
毛鉤は、スギッパ巻きです。
新調したテンカラ竿を初めて使ってみます。
今回釣行の1尾目はこのイワナ。
渇水でイワナの居場所が限られるけど、反応は良さそう。
この後少し釣り上ってみると食ってはくるものの、小型が多いのかバラシ連発。
MTBはここまでだな。バックパックを背負って、ここからは歩くことにします。
ここまで来れば、あとはそんなに頑張らなくても大丈夫。ゆっくり行こう。
とりあえず、取水口を越えれば、水量はもっとあるはず。
取水口上、やはり水量は増えていい感じ。ここから釣り上りたい気持ちを抑えて、できるだけ上まで行って泊まりたい。
水量も増えたことだし、ここから先はクラベルガード(砂除け)を装着して本格的に遡行します。
その前に、お昼を食べよう。お昼と言っても、おにぎりとジュースだけ。
今回はいつもと違って、軽量化最重視で来ていることもあって、食料も可能な限り控えめにしています。源流で食べるとコンビニご飯でも十分美味しいので文句ありません。
サワークライマーRAはモンベルさんが無料で再接着してくれたものの、予想通りすぐまた剥がれてきてしまいました。ゴム素材自体が伸びてしまっているので無理もないです。十分履いたのでもう寿命でしょう。
新しいの買ったんだから、それを履けば良いのに貧乏性なのでまだなんとか履ける古いのを使ってるんです(苦笑)
野営地まで釣りはしないつもりだけど、念のためテンカラ竿を片手に歩こう。あまりにも垂涎のポイントが現れたら、毛鉤打たずに素通りできないじゃん!
チャラ瀬続きの区間をショートカットし、良い感じの渓相になってきたけど、ここは心を鬼にしてスルー。さらに先へ。
あの崖崩れヤバいな、と横目に見つつさらに先へ。
この辺りも竿を出したくなるのを堪えて進みます。
広いプールをそぉーっと覗き込んでみるけど、魚の姿は見えないですねぇ。瀬を歩いても走る魚もいないし。
源流と言っても、この辺りは夏休みに結構人が入ってはいる気がする。
にわかに黒っぽい雲が空を覆い始めました。まさか雨降ってくる?
ジオグラフィカで確認する限り、あの大きな倒木の向こう側に少し広い河原がありそう。位置的にも時間的にもその辺りで野営地を見つけなければ。とにかくそれが先決。
モミの木が見守ってくれるキャンプ村
この辺りは水辺から一段高くなってしかも平らでいい感じ。
いつもは私はホントに水辺ギリギリにブルーシートを張ってますが、本来は安全面からも水辺から少し離れて高くなっている場所が適地でしょう。
さらに一段高いところも広く平らになっていて、そこでも良いんだけど、川から離れすぎるのはあんまり好きじゃない。
中央に見えるのはモミの木かな。ここは「モミの木キャンプ村」と名付けました。
今日もブルーシートです。このブルーシートに代わる軽いタープを探してはいるんだけど、なかなか同じくらいのサイズの良いものが見つからず、結局はブルーシートのまま。まぁ、この198円で買ったブルーシートで十分と言えばそれまでなんだけど。
いつも通りのセッティングを開始。折り畳みノコギリ、そろそろ刃を交換しなくちゃ。
流木を使ってブルーシートを張ります。張り方の詳細はこちらの記事で。
グラウンドシートとエアマットも設置。シュラフも出しとこう。
それから、今回は軽量化最優先なのでモンベルミニランタンをセット。レッドレンザーMH3も用意しておこう。
ピコグリル398も設置して、薪集めもやっておこう。今日は野営地に辿り着いて眠ることさえできればOKというつもりだったけど、時間的にはまだ余裕があります。
流木は浅瀬を渡った対岸にたくさんありそう。渡って集めよう。
対岸から瀬戸際ハウスを望む。
ね、川辺から一段高くなってるでしょ。
細い枝から太いものまで、ピコグリルで燃やしやすい長さに切ります。
とりあえずはこのくらいあれば今晩は大丈夫でしょう。
幹が薄く避けて乾いた流木。これはモーラナイフを使ってバトニングすれば、良い焚き付けができるね。
源流の流木は雨の後だと湿っていることが多くて燃えにくいけど、こうやって割ってみると中はしっかり乾燥されていて、良い焚き付けになります。
ここまで準備できれば安心。少しくらい雨が降ってきても平気です。
晩ご飯用のイワナを一尾釣りたい。
時間は15時、空の雲は動きが速くちょっと不安定だけど、近場を少しだけ釣ってみよう。良いサイズが釣れれば晩ご飯のメニューに追加したいし。
少し下へ下って、ここまで釣り上れば何尾か釣れるでしょう。
この辺りから釣り上ってみることにしましたが、予想に反して全く魚の反応がありません。あれれ、イワナがうじゃうじゃいるんじゃなかったの?(笑)
結局なんのアタリも無いまま、キャンプ村に帰って来ちゃった。
まいったな、全然魚がいない区間に泊まろうとしてる?
ともかく、キャンプ村から上を探ってみるしかないね。まだ時間はある。
15時、日が傾いて谷は部分的に日陰になってきました。ここから先は釣れることを信じて。
岸際の巻き返しで食ってきました。が、小型でバラシ。この竿、6:4調子の竿に比べて小型のバラシが多い気がする。小型だからいいんだけど。
淵頭の左右白泡に囲まれたところからも出ました。
今度はちゃんとしたサイズで、しっかりフッキング。
左右に割れた流れが合流する付近。出るには出ましたが、ちょっと小さい。
小さくても野性味のある色合い。野性のイワナはどうしてお腹がオレンジ色になるんだろう。
その後は反応は良いんだけど、小さいのが多く、中にはこんなチビちゃんも。
この辺りはやはり夏休みに結構人が入ったのかもね。
写真で見るよりも水深のある淵。白泡の脇に打ち込んで、毛鉤を沈めて狙います。
ヒレのしっかりしたイワナ。このくらいのが調子良く釣れるようになってきました。
大岩下の大きな巻き返し。こういう大場所はみんなに攻められてイワナが残ってないよね、きっと。
手前側から毛鉤を打ち込んで、少しずつ前へ。
こういう大きいポイントは手前の魚に走られてしまうと、全体に警戒サインが広がって釣れなくなるので気をつけなくちゃ。
真ん中辺りの駆け上がりで、食いました!
尺にはちょっと足りないけど、大きな尾ビレでぐいぐい泳ぐ精悍なヤマト系のイワナでした!
同じポイントの大岩の際でもう一尾。
途中で1尾はキープさせてもらったので、今日はもう戻って晩ご飯の準備をしよう。
イワナのおかげで豪華になった晩ご飯
イワナを刺身にして、残ったアラや内蔵もできるだけ全部食べちゃおう。
イワナの胃袋の中はほとんど甲虫でした。右上の緑色をしたのは何かの幼虫ですね。
今の時期は水生昆虫より効率の良い陸生昆虫を食べている模様。
日が沈んで急速に暗闇が迫ってきたので、ランタンを点けて、ヘッドライトも装着。
まずはピコグリルで焚き火です。
到着してすぐに薪を集めてしっかり準備しておいて良かった。想像通り、バトニングして細くした薪は抜群に燃えます。
毎回恒例の対岸からのキャンプ村撮影。
つまりこの写真を撮るまでは、ウェーディングスタイルのままで、足が冷えちゃってるんだけどね。
サイトに戻って、着替えてやっと落ち着きました。
今晩は質素にラーメンだけにするつもりだったけど、我慢できずにイワナを一尾いただいてしまった。
途中で採ってきたミズを茹でて、あとはこのちょっと高級なラーメンを煮ます。
イワナの頭は塩を振ってカリカリに焼いて食べちゃうつもり。
その他アラと皮、胃袋、肝臓はラーメンに入れて食べよう。
本日の渓流晩メシ
・源流ラーメン(イワナのアラ、ミズ入り)
・イワナの刺身
今回の三日間は質素な食事にするつもりでしたが、イワナの刺身という贅沢な一品が加わって最高!
今回は軽量化目的でラーメンも直接クッカーから食べてますが、チタンパーソナルクッカーなので例の金属味の心配はありません。
今この時を生きていられるだけでありがたい、と思える
あ、そうそう、今回は軽量化のためにアルコール類も持って来ていません。元々私はそれほどの酒飲みではないので、それほどの痛手ではありません。
今まで源流になぜお酒を持ってきていたかというと、アルコールの力で怖さを吹き飛ばそうと思っていたからです。私は元来がビビリなので(心霊みたいなものに対して)、お酒飲まなきゃやってられないってところがありまして(笑)
だけど、最近はもう慣れてきて「出るなら出てこい!」って感じなので酒無しでもOK。いざとなれば、暗唱している般若心経を唱えてやり過ごすつもり。
熊は元々怖いと思っていないし、仮に怖いと思っていたとしても酒を飲んだからどうこうってもんでもないし。
ともかく普段は下界で欲にまみれた生活をしてますが、源流では自力でここまでやってきて、幾何かの食料でお腹を満たし、ぐっすり眠れるだけでとてもありがたく、幸せなことだと思えます。
晩ご飯の後はしばらく焚き火を眺めながら今日一日を振り返りました。
なんと言っても、林道が復旧されていたのは本当にありがたかった。
そのおかげで今日中に、ここまで早い時間に上って来られて、イワナの刺身まで食べることができたわけだから。
それにしても、今までで一番奥まで来たから疲れたぁ。
太めの薪を焼べて、寝袋に潜り込みました。ブルーシート越しに見える空には星が散らばり、あれは何座だろう? と思っているうちに深い眠りに落ちていました。
・・・2日目につづく。
コメント
おはようございます
夏の思い出、エエですね、春を想ってワクワクします。
しかし、春では無くて、やはり釣り盛期の夏を想うと一層ワクワク。
美味しく食い応えある飛騨サンショウウオやヘビトンボなんぞは稀な御馳走程度で、かと言って小さな水棲昆虫だけでは満足出来ず、やはり陸棲昆虫狙いなんでせうねイワナ達。
そうしてみると、食べ物を落としてくれる、食べ物を流し集めてくれる雨がワクワクのイワナ達。
そんなイワナを想い浮かべながら過ごす暖房の効いた部屋。
楽し夢想のキッカケ記事、エエです。
マンボウさん、こんばんは。
今年は多忙であまり渓流釣りに行けなかったし、夏の釣行記も冬になってから書くことになってしまいました。
寒くなってから夏を思い出して書くのも悪くないな、と思いました。おっしゃる通りで書きながらワクワクしちゃうんですよね。
胃袋の中身を見ると、陸生昆虫はかなりたくさん川に流れてくるようですね。雨の後はご馳走がいっぱいなんでしょうね。
ともかく、私も春が待ち遠しいです。
今シーズンは釣行記は打ち止めと思っていましたのでうれしいです
イタチ谷は今年11回も行った為、写真を見てもそこがどこか大体わかってしまいます笑
川の横のバイパスは春先に一旦整備されたあとGW明けに見事に流されました。
夏くらいからはそれを守るためにあの辺りの川幅の増幅工事をしていましたね。
ビッグブラック沢より下流は濁りで釣りにならない日が多かったです。
夏過ぎから小さいのが釣れるようになりましたが春先は本当にでかいのが釣れていましたよ
あと今年は本当に熊によくあいました
発電所付近で親子連れに自転車で通りすぎたあと振り返ってにらみ合いになったときは
背中を見せないセオリーを貫くかダッシュで逃げるかスプレーで戦うかを考えているうちに向こうが逃走しで難を逃れました
10mほどの距離だったので相当あせりました。
Ctcnさん、こんばんは。
夏の釣行記、すっかり遅くなってしまいました(苦笑)
この谷に11回も行かれたとはうらやましいです。
あの川岸のバイパス、やはり大雨で流されちゃうんですね。それと夏休みにはたくさん人が入ったんですね。
私もこの谷で熊に出会いました。同じくかなり近距離で。私は背中を見せないで目を逸らさない派です。
荷物を絞りたい時には、テンカラってホントに最強の道具立てかもしれません。
これだけしっかりと崩落個所を整備するということは、奥で林業などの作業が行われているということでしょうね。
久しぶり登場の瀬戸際ハウス。^^
リコプテラさんって、イワナ釣りもされていたんですね・・・なんて書いてしまいそうなほど、久しぶりの釣行記って感じ。(笑)
でも、イワナたくさん釣っていらっしゃるあたりは、やっぱり流石。
そして1尾のイワナをキープして、無駄なく我が力とする。
理想の釣行だと思います。
完全に陽が暮れてから撮影のためにウェーディングスタイルを解いていないあたり、ブロガーの鏡ですね!
最近、同行の友人に「さっき撮ってた写真、送っといて!」なんて、平気で他人の写真を使わせて貰っているどこぞのブロガー(ボクのことね)に爪の垢でも煎じて飲ませておかないと・・・
相変わらず、良い遠足を楽しんでいらっしゃる♪
つづき、楽しみにしてます。
kuniさん、こんばんは。
テンカラはあらゆる釣りの中で、もっともシンプルな道具立てかもしれないです。
短い振り出し竿1本に、糸と毛ばり数個。基本、これだけで釣りができるので。
瀬戸際ハウス、ほんとに久しぶりですね。イワナの釣り方忘れてましたもん(嘘です)
源流で釣ったイワナを食べる時は、できるだけ無駄なく全部いただこうという気持ちになります。本来は常日頃から全ての食材に対してそうあるべきなんでしょうけど。
瀬戸際ハウスの雰囲気を伝えるには、真っ暗な時間に対岸から撮るのが一番なので、それにはこだわっています。結果、それまで足がぐっしょり濡れていて気持ち悪いんですけどね(笑)
ソロキャン
ヒロシ超えてますね。
一人で焚火いいですね。
nanaさん、こんばんは。
ヒロシさんがやっているのは正統派のソロキャンプで、私がやっているのはソロではあるけど一般的なキャンプというカテゴリーではないのかもしれません。
仲間と焚き火で語り合うのも良いと思いますが、真っ暗闇で一人で焚き火ってのも良い時間ですよ。普段とは違う環境で、いつもとは違う思考回路が働いて心がリフレッシュできます。