年が明けて、ここまで雪かきを全くせず、降水量は限りなくゼロに近い状態ですが、寒さはピークを迎えていて、コタツでこの記事を書いています。
昨年のお盆明けはまだ茹だるような猛暑が続いていました。避暑を兼ねて源流へと向かいます。
チチタケと白いヤマトイワナ|天竜川水系幽霊谷
※幽霊谷というのは私が勝手に付けた名前で、実在する河川名ではありません。
珍しく早朝5時半前に車止めに到着。運良く他の車は停まっていません。
サワークラーマーを履いてウェットウェーディングスタイルで林道を歩きます。
足下には栗のイガ。秋が近づいていますが、道すがら野イチゴがあったり、まだ暑い夏です。
野イチゴにもいろんな種類があるので、正式な名称わかりませんが(モミジイチゴだけはすぐわかります)甘酸っぱくてちょっとしたおやつになります。
林道をてくてく歩くと、途中の支沢の合流点にオフロードバイクが停まっていました。車が停まっていないから一番乗りだと思ったんですが、先客有りのようです。だけど沢へ入ったのかも。
1時間弱歩いて入渓予定地点に到着。川への降り口にチチタケが生えていました。帰りに採って帰ろうかな。
抜群の渓相なんだけど、見える魚は釣れない
こんなところから釣り始めます。さすがは幽霊谷、抜群の渓相です。
午前6時半、気温20℃、水温15℃。
降り立ったポイントをそぉーっと覗き込むと、黄色丸印辺りに大きくはないけど3、4尾泳いでいるイワナが見えます。ソワソワしながら釣りの準備。
竿はNISSIN ZEROSUM テンカラ 7 : 3 3207、SUNLINEぶっとびテンカラ レベルライン3号(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)を3.3m+FUJINO フロロテンカラハリス0.8号(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)を1mほど。仕掛け全長は4.3m。
スギッパ巻きを結んでキャスト。
一発で食ってくると思いきや、一瞬毛ばりに近づくも食わずにプイッとUターン。q
何度か打ち込むと、毛ばりを食った! と思ったけど空振り。これはかなりスレてて毛ばりをちゃんと咥えていないな。
その後、見えているイワナを何とか釣りたいと、ピーコックパラシュート#14を結び水面に浮かせてみると、二度バシャッと出たけど、いずれもフッキングせず。ダメだな、これは。
諦めて先に進みます。
見上げるとさっきまで晴れていたと思ったら、急に雲が垂れ込めてきました。
大丈夫かな、にわか雨来ないよね?
清冽な流れに磨かれた白いイワナと二人組
毛ばりはスギッパ巻きに戻し、激しい流れの向こう側、岩に挟まれた細い廊下から。
このイワナの写真撮影を終え、ふと下流に目をやると、二人組の釣り人が遡行して来るではないですか。あらら、後追いになってしまい申し訳ない。
そのままちょっと待ってご挨拶。
フライとテンカラの二人組のあんちゃん。
私より後から自転車でやってきて、私の入渓点より下から入って上ってきたそう。
最初のポイントで見えるイワナに時間をかけている間に追いつかれてしまった模様。
あんちゃんズは、
「入渓点まで自転車は停まってなかったけど、もしかして歩きで来ている人が入っていたりして」と話ながら来たのだとか。
いや、ここはいつも普通に歩いて来てますよ。今日は下の方だけど、もっとずっと上まで行く時もあるし。
「そんな猛者がいるとは」とビックリしていることに、逆にビックリする私。
「この前は重い荷物を背負って6時間半くらい歩いたから、このくらいの距離は全然平気ですよ」と、自慢する気はさらさら無いけど、ちょっと嫌味に聞こえちゃったかも。ゴメンナサイ。
でも、ほんとに1時間くらいの林道歩きなんて別にどうってことないじゃんね。猛者でもなんでもない(笑)
「後追いでも全然大丈夫なんで」と笑顔で言ってくれましたが、
私は小さいポイントまでくまなく探るスローペースの釣りなので、その後からではおそらく釣れないでしょう。私は今日はそんなに上まで行かないから、その上に入ってみたらどうですか。
と、少し上の橋から先を譲ることにしました。
二人が林道に上るのを見送って釣り再開です。
落ち込みの肩にゆらゆら餌を求めて定位しているイワナが見えます。こういうポイントは、段差のおかげでイワナに気取られることなく毛ばりを落とすことができるので素直に食ってきます。
フライの場合だと、至近距離からのリーダーキャストで狙えますね。
尾ビレのしっかりしたイワナです。この谷のイワナは花崗岩質の石の色に同化するように総じて白っぽい体色をしています。
毛ばりを雉銅に替えて、チビイワナ追加。
この毛ばり、釣れないことはないんだけど、釣果にスギッパ巻きや銀鼠鉤ほどの安定感がないので改良を加えたいことろ。これは小さいけど、ヤマトイワナですね。
スギッパ巻きに戻して、沈み石の向こう側の深みから。
大きいのが出そうなポイントなのに、肩透かし。
暑い日にはそうめんを食べよう!
もう下から上ってくる人もいないだろうし、残された距離も長くはないから早めにゆっくりお昼(というかブランチ)を食べようかな。
いつものマイクロマックスUL(ガス缶には緑の脚を装着)とアルパインクッカー16で、お湯を沸かします。
冷凍の『海老のアヒージョ』てやつも持って来ましたよ。
アルパインクッカーではそうめんを茹でまして、山フライパンでアヒージョに火を通します。
アヒージョというより炒め物と言った方が的確(笑)…作り方を読まなかったけど、本来はオリーブオイルを追加するのかな。
本日の渓流メシ
・そうめん(ミョウガとミニトマト添え)
・海老とブロッコリーのアヒージョ風
・食後のココア
すでにジリジリと暑くなってきているので、そうめんは最高です!
ニンニクの利いたアヒージョもGOOD!
イワナは短期間で保護色になるのだろうか?
さて、今日もお腹が満たされたところで、ゆっくりと休んでから釣り上ろう。
この大淵では、手前の落ち込みの肩(白丸)には魚が定位しておらず、左大岩の脇(青丸印)に打ち込むとゆらっとイワナが浮上するのが見えました。何度か打ち返しましたが、毛ばりを食うに至らず。
その後、対岸沿いに毛ばりを流すと先ほどと同じようにゆらっとイワナが浮上。今度はゆっくりと毛ばりを咥えました。なかなか良い引きしてます。
これがこの川特有の白いヤマトイワナ。
先にも書いた通り、花崗岩質の白っぽい渓相なのでそれに同化する色白の体色です。
奇しくも私はこの谷を幽霊谷と名付けましたが、その白っぽい色合いは幽霊のイメージにぴったり。イタチ谷のヤマトイワナとは別種かと思うほど色合いが違いますね。
ただ、この川のイワナ全部が白いかというと、黒いタイプのものもいます。
これは私が自分のアイコンとして使っているイワナですが、だいぶ前にこの川で釣ったものです。
季節は今回と同じ夏、釣れたポイントは小滝の下の壺。瀬に出ずに深い場所で暮らしているイワナは黒くなるのかな。
早春に釣れるいわゆる錆びたイワナも深場でじっとしているから周囲に合わせて黒い色をしてるのかもね。
年に何回か大雨で大増水になることがあるけど、この川はがっちりとした大岩に守られているのでちょっとやそっとでは土石流のようなことにはならないでしょう。
ただ、土が流れ込んだりしない分、餌はそれほど豊富ではないかもしれません。痩せている個体が多いのもそのせいかも。
左右から落ち込む大岩裏をピンポイントで叩くと三度目に出ましたが、ハリ掛かりが浅くバラし。
続いて激流の向こう側のタルミ。ここでも何度目かの打ち込みでイワナが浮上しましたが、うまく食わせられませんでした。
小さな落ち込み尻。毛ばりが流れて手前の大岩に隠れてしまったけど、そいう時は心の目で見るんです。名付けて心眼釣法。
来ました!
この大淵は開けているのでイワナに気取られないように身を屈め摺り足で少しずつ前進。
手前にイワナの姿は見えないので、対岸の大岩際の巻き返しを狙うと…
深瀬尻、落ち込みの肩からも出ました。
上流側に張り出した木があったので、下の段に落としてランディング。
このイワナは朱点が薄くて大きいですね。目の上のアイシャドーはくっきり。
同じ川のイワナでも、かなり個体差があるんですよね。
もっと拡大してみると、強いヌメリに覆われた小さな鱗がきらきらして綺麗ですねー!
夏の渓流のお土産は
区間が短いのでできるだけゆっくり釣り上りましたが、終着点(今朝方二人組に入渓をお勧めした地点)に辿り着いたので、まだ正午をちょっと過ぎたばかりだけど帰りますかね。
渓流でよく見かけるこの花。見た目がシソの実みたいだな、と思っていましたが調べてみるとヤマハッカというものらしい。
林道に登って帰路に就きます。
釣り上った距離が短いので、あっという間に入渓点に到着。
最初に釣れなかったイワナをもう一度狙おうと川に降りてみました。
けれど、深場でじっとしているのか今朝泳いでいたイワナの姿はどこかに消えてしまったので、素直に帰ることにします。
林道の真ん中にヘビがじっとしています。
なんかゲッソリと痩せ細っていて、これ、もしかして干からびて死んでる?
ぐーっと近づいてみたら、アオダイショウ生きてました!
だけど、ここ最近雨が全く降らないせいか、本当に骨がゴツゴツ見えそうなくらいに体がげっそりしていて、元気もありません。
2025年は巳年なんだから元気出してもらわないと。
麓まで降りてくると、遠くの山の上にはまだ夏の雲がもくもくと湧き上がり、厳しい残暑を予感させる昼下がりでした。
この日採ったチチタケは春巻きになりましたよ↓
ブログ更新をサボっている間に、2025年の渓流解禁も間近になっているではないですか。
解禁前に昨年の渓流釣行記を全部書き終わらせないと、ぐるっと一周追いつかれてしまうぞ。
更新がんばります!
コメント
お兄ちゃんたち、気のいい人柄だったようで良かったですね。^^
もちろんリコプテラさんの対応も、良かったのでしょうけれど。
多くのイワナは白っぽいというのも特徴的だけど、模様の入り方も個性ありますよね。
綺麗です。
心眼で掛けたイワナの色も、アイコンで使われている色も、どれも格好良いけどね。
アジも釣って楽しいものの、やっぱり山の空気が恋しくなるなぁ。
kuniさん、こんばんは。
気に食わない二人組だったら、意地悪してたかも。私は相手の出方によって態度を変えるので(笑)
そうですね、この谷のイワナはかなり個性的な色柄をしているように思います。痩せた個体が多いので、もっと餌が豊富になれば嬉しいのですが。
海釣りも楽しそうですが、春になったらちゃんと山に戻ってきてくださいねー。
おはようございます
岩がゴロゴロで、両岸に崖が迫り、深みの混じったよさげな流れ。
ひとたび雨が降れば、一気に激流になるんでしょうね。
そんな生きていくには厳しそうな渓で鍛えられた締まった白い魚体、実にマニアックな流れでエエですな。
マンボウさん、こんばんは。
ここは渓相がとても良く、岸から木が張り出したりしていないのでフライフィッシングやテンカラで狙うには最高です。
傾斜が急なので、普段の水量でも水圧が強いですが、雨が降るとかなりの激流になりますね。それでも、簡単には濁りません。
流れに鍛えられたイワナは本当にたくましいです。
こんにちは。
寒い冬に真夏の景色ありがとうございます。
この川は、昨年散歩で橋まで行ったきりで駐車場のあたりしか行っていないので今年行ってみたい川の一つです。
きれいな魚ですよね。
私も入渓者にリコプテラさんのように対応できるよう精進します。
おはようございます。
きれいなヤマトイワナですね、花崗岩の川の為か保護色で白っぽい、木曽川も奈良井川もそうですが源流域のイワナは微妙に違いますね、時々私のブログに登場する、故人の新宅の伯父さんいわく、奈良井川の橋戸と言う沢のイワナが一番美味しいと言っていたとか義兄から聞いたことがあります、確かにこの沢の上流域のイワナは少し青と言うか紫がかっていました、若い頃が懐かしいです。
kitaさん、こんばんは。
川によって、特に源流部になるとその川の特色が濃いイワナになりますね。
奈良井川は下の方で少し釣ったことがあるだけですが、南信の他の川と違って日本海側に注ぐ川なので特色があるような気がします。
紫がかったイワナ、綺麗でしょうね。釣ってみたくなりました。今シーズンはおじゃまするかも。
はるさん、こんばんは。
今年の冬は寒いですねー。節分過ぎてから厳寒状態ですよね。そんな中、真夏の記事を書いていると、ほんとに春が待ち遠しいです。
この川、今年ぜひ本格的に釣ってみてください。ワイルドで綺麗なイワナがたくさんいるので、楽しい釣りができると思います。
人を押しのけて魚を釣っても気分良くないので、釣り場で会った人にはできるだけ譲ることにしています。
二人組、フライ側のあんちゃんです(笑)
同じ地元なのでいつかはお会いするかと思っていましたが・・今回のブログを見るまで全く気づきませんでした!
リコテプラさんが渓流になじんでいたのが印象的でした。
初めての区間だったので何も知らず・・色々と質問してしまい邪魔をしてしまいました、申し訳ありませんでした。その後は教えていただいた右の支流に行き楽しく釣りをすることができました(感謝)
地元の山や川が好きでブログを楽しく拝見しています、ありがとうございます。
makoさん、こんばんは。
あ、そうなんですね! ブログを読んでいただいているようで、ありがとうございます。
気付かれないくらいがちょうど良いです(笑)
渓流になじんでいた…私にとっては最高の褒め言葉です。ありがとうございます。
全然邪魔などではありませんよ。楽しい釣りができたのなら何よりで、私も嬉しいです。
またどこかの川でお会いするかもしれないですね。今後ともよろしくお願いします。