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ざざ虫が医療分野で脚光!?|ざざ虫がiPS細胞の土台に

ざざ虫
この記事は約5分で読めます。

ざざ虫が最先端医療を担う日も近い?

年が明けてからも、天気が良い日に時間があれば、ざざ虫漁をやっています。
今シーズンはあまり良くないので、ある程度の量を獲るにはかなり労力を要します。

ざざ虫漁は、水深10〜30cmくらいの浅瀬で、川底に拳大〜頭大くらいの石が敷き詰められているよう場所に限定されます。
このような場所でも、流れてきた新しい石だったり、全く砂がなく石だけの固い川底の場合は虫が少ないので、漁に適した場所はさらに限られます。


そんな中で、私の秘蔵ポイントと言えるのがこの辺り。
事前調査でかなり虫がいることはわかっていましたが、12月中はまだ水温も高めで虫の質が良くないので年が明けるまで温存しておいたのです。
温存と言っても、誰の目にもつくような場所なので他の人に先を越される可能性も多々ありましたが、そこは例のごとく神様に祈るのみ(笑)

満を持してやってきてみると、幸運なことに全く手付かずの状態でした。


少し下流の側流が敵水量で、本日の漁場。
毎年ざざ虫漁開始当初は足が筋肉痛になるんですが、何日かやっていると慣れてきて体力的には楽になります。
ただ、今の時期になると朝の最低気温は−5℃以下の日が多くなってきているので、川に出かけるのには気合が必要ですよ。川に入って動いていれば体は温かくなってきますが、日中になっても気温が上がらない日は足の爪先がずっと冷たかったりするし(>_<)


そんな困難を乗り越えて、獲ったざざ虫。うーん、いつ見てもなかなかのインパクト。
私にとっては見慣れた光景ですけども(笑)

この場所は、ざざ虫の主役ヒゲナガカワトビケラがたくさんいますが、ヘビトンボもかなりいるし、さらには以前ナマズの稚魚かと勘違いした例のアカザもたくさんいるんですよね。


これは、体色が普通のナマズっぽいからニホンナマズかと思って、手に乗せて写真を撮ったりしていたら、


痛っ!
指先を刺された!!

流血・・・(>_<)

あれ、こいつナマズじゃないのかよー。こんなにナマズっぽい黒い色してるのにアカザなの?
だ・か・ら、ナマズはこっちだって言ってるでしょー。


(写真:石川県立大学 ビオトープ研究会さん

もぉー、何回も間違えるなよー。
ナマズの稚魚には腹の下にナマズ特有のエンガワみたいな尻ビレ?腹ビレがあるのが特徴ですね。

アカザは背ビレと胸ビレのトゲに毒があって、刺されると赤く腫れるということだけど、今回は少し血が出ただけですぐに痛みは治って腫れることもありませんでした。良かった、良かった。

あ、そうだ。今日はアカザじゃなくてざざ虫の話だった(笑)
1月3日付けの信濃毎日新聞1面に、ざざ虫に関する記事が大きく掲載されました。

ざざ虫が吐く糸の成分が、iPS細胞を作る時の土台になる

要約しますと、
信州大学繊維学部の研究で、再生医療の分野で注目されているiPS細胞を培養する時の土台部分に、ざざ虫の糸から抽出したタンパク質が有効利用できるとことがわかったらしい。
今まではコラーゲンを使っていて、蚕の糸(シルク)のタンパク質を使う研究も進んでいます。シルクに比べてざざ虫の糸を使うと細胞の接着率と増殖率が2〜3割高く、細胞分化を促進する力も大幅に高い結果が出ることもありました。
このざざ虫の糸のことを『トビケラシルク(ざざ虫シルク)』と名付けて実用化に向けて研究を続けています。
ざざ虫が吐く糸は蚕に比べるとごくわずかで、採取が難しいことが課題とのこと。

凄いね、ざざ虫が医療に活用されるとは。
でも、川から糸成分を大量に採取するのは、ざざ虫を獲るのよりもさらに大変だと思う。
ざざ虫を養殖すればいいじゃん。て思うかもしれませんが、ざざ虫の生息環境を人工的に再現するのは大変だと思う。そのくらいなら、自然河川を区切って養殖すれば良いかもしれないけど、それは自然河川でざざ虫を獲るのとなんら変わりなくなっちゃうじゃん(笑)
結局、マツタケの人工栽培が難しいのと同じような感じだと思う。

課題はあるにせよ、ざざ虫が医療分野で生かされるなんておもしろい。
今回は信州大学の話だけど、ざざ虫に注目している大学教授は多いみたいで、毎年どこかしらの大学の教授から「ざざ虫漁を見たい」と問い合わせがあったりします。

ざざ虫には、他にも隠されたパワーがある!


実は私、以前からざざ虫にはきっと特殊な成分が含まれているに違いないと思っていたんですよ。それはざざ虫の選別をしている時に気づいたのです。

ざざ虫漁を始めた当初は、量もそれほど獲れなかったせいもありますが、茹でた後の選別はざざ虫をボウルに入れて水を張りその中に手を入れて地道にやってたんです。
この方法だとほぼ100%完璧に選別ができますが、ものすごーく時間がかかります。
だから私は川でざざ虫を獲るよりも、選別の方が遥かに大変な仕事だと思っていました。

虫の品質を保つためには、ボウルに入れる水も冷水である必要があり、ほんとに辛い作業でした。冬場に水に手を入れて何時間も作業してたら、そりゃ手も荒れますわ。
ところが、ざざ虫の選別が終わった手肌は荒れるどころか、つるつるすべすべになっちゃうんですよ!
他のお爺さん(猟師さん)たちは、そんな地道な選別はしたことがないと思うし(私も今はもっと効率的な方法でやっています)、そんな話は聞いたことがないので、ざざ虫の“つるつるすべすべ効果”に気づいているのは私だけじゃないかな。

これはきっと化粧品なんかに使えるに違いない。いつか化粧品会社に売り込もう!なんて思っていたわけです(笑)

今回医療分野に使えるという研究が発表されたので、官民問わずざざ虫に注目する人が増えるんじゃないかと思うので、この際私も書いちゃいました。
化粧品会社の開発チームの皆さん、ざざ虫からきっと素晴らしい化粧品ができると思いますよ。ぜひ、研究してみて下さい。
その時は、私が材料提供しますから、高値で買ってくださいね(笑)

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コメント

  1. と、言うことは、ザザムシの群れに顔を突っ込んだら、美顔効果があるってことかも?
    まぁ、仮に月面みたいな顔が殻を剥いたゆで卵みたいになるとしても、そんなことをしたい女性はいないね、きっと。(笑)
    その成分を如何にして抽出するかですね。^^

    • kuniさん、こんばんは。
      えぇえぇそうなんですよ。どっさり捕れたざざ虫の中に顔を突っ込めばツルツルすべすべの肌に生まれ変わります。なんだか怪しい化粧品のセールスみたい(笑)
      女性の美に対する探究心は凄いですが、さすがにざざ虫の群れに顔を突っ込むのは・・・私でも無理です。
      ざざ虫から化粧品を作るのは、ざざ虫の糸からiPS細胞の土台を作るよりは簡単かもしれません ^_^

  2. キロ単価上がると嬉しいですね(笑)
    アカザは冬に鮎漁してると掛かるときあります。刺されないように外すの慎重になります。

    • Nori1022さん、こんばんは。
      そうですねー、今回の新聞記事のことはざざ虫買取業者のおばちゃんにも教えたので、来年当たりキロ単価が上がったりすると嬉しいんですが(笑)
      アカザはNoriさんに教えてもらって覚えた魚です。覚えたつもりが今回もナマズの稚魚だと思って、いじっていて刺されてしまったアホですが。
      鮎漁でも掛かることあるんですね。次からは絶対に触りません(T . T)

  3. おはようございます。
    私もこの記事読みましたが、いろいろなところに着目する人も居るものですね、なんと言ってもこの気味悪い虫を食べようと思った先人たちには驚きますね、魚が食べるくらいだから毒では無いと感じたのでしょうか。

    • ハックル70さん、こんばんは。
      信毎の記事、ご覧になりましたか。
      信州大学の准教授は石と石をくっつけるその糸の力に注目したみたいですね。確かに川底の石をひっくり返そうとすると、びっくりするくらい強力にくっついていることがあるんですよね。
      そうですね、この虫を食べようなんて普通は思いませんよね。昔はともかく、今でもそれが廃れずに残っているのも凄いですが ^_^

  4. こんにちは。
    昆虫にはまだまだ人間に役立つことがたくさんあって
    いろいろな研究が地味にされているみたいです。
    でも、環境問題で、昆虫が絶滅する危惧もあるとか。
    そういえば、地元のざざむしを研究をしている人によるざざむし講演会が
    近々あるらしいです。内容は不明ですが。

    • wakudokirunさん、こんばんは。
      ハチミツのようにわかりやすいものもありますが、目立たないところで人間の役に立っている虫はいろいろいるんでしょうね。地味な研究続けて欲しいですね。
      私が子供の頃は田んぼにイナゴがたくさんいましたが、今はほとんど見かけなくなりました。ざざ虫も昔より減ってきてるし・・・
      その講演会、2月1日高遠町図書館ですよね。私も耳にしました。おもしろいかもしれません。
      https://www.inacity.jp/smph/shisetsu/library_museum/ina_library/tosyokanibento/174bok220200201zaza.html

  5. おはようございます。
    ざざむし、すごいですね。まさかiPS細胞とつながるとは。しかし、一匹なら見られるのですが、大量の状態ですと年をとったせいなのか、ちょっと気持ち悪い。いや、だいぶ気持ち悪い。その中に手を入れる・・・できません。ただただ驚きです。
    昔は近くの川でよくバーちゃんととったり、食べたりしたけど。懐かしい思い出です。
    今年初コメント。今年も楽しみにしております。よろしくおねがいします。

    • nomitaさん、こんばんは。
      これでも少ない方なんですが、昨年よりは川に虫がいるようです。
      iPS細胞の記事を見て私もびっくりしました。
      ざざ虫、保育園児が見に来たことがあったんですが、不思議なことに一人も気持ち悪がる子はいませんでした。それが、小学生くらいになるとなぜか気持ち悪がるんですよ。
      nomitaさんもざざ虫獲って食べたことあるんですね。貴重な存在(笑)
      実は私も大人になってから虫はそれほど得意じゃないんですよ。ただ、釣り餌になる虫だけはいまだに平気です。
      こちらこそ、本年もよろしくお願いします ^_^

  6. おはようございます。
    やはり、そうでしたか。
    「腐海と蟲たちは、人間が汚してしまった大地を清浄にしている。蟲たちは人の役に立っている」ってのは、現実だったんですね(笑)。
    ざざ虫たちも、人の為るなるとは、ナウシカの世界です。

    • マンボウさん、こんばんは。
      そうです、そうです。ナウシカでも蟲は忌み嫌われる存在だったのに、実は人間の役に立っていましたよね。
      今回はクロカワムシでしたが、ヘビトンボは巨大化してナウシカにも出てきたのでそちらにもなにか隠された力があるに違いありません(笑)
      ただ、私はクロカワムシでもヘビトンボでもなく、カワゲラの幼虫のちょっとメカっぽい見た目が好きです ^_^

  7. 驚き‼️の最先端医療。
    大量の収穫ですね!
    皆さんもの知りですね!
    ナマズと区別できない自分は刺され組ですしね。
    自然はまだまだ未知の部分を残してますね。

    • 幻の渓流師さん、こんばんは。
      驚きますよね! 私もびっくりしました。
      人間が解明できていることは、自然界全体のほんの一部かもしれないですね。
      今年のざざ虫は全体的にはそれほどの量が捕れないと思いますが、昨年よりは良いので少し復活した様子です。
      私は以前にこれがアカザという魚だと教えてもらったのに、今回の個体は色合いがナマズそのものだったので、また間違えて刺されました(苦笑)
      毒があるとのことでしたが、少し流血して30分ほど痛かったですが、それで治ったので良かったです^_^