8月のお盆休み前、ここしばらくうちの辺りでは雨が全く降らず、細い沢は水が涸れてしまうんじゃないかと思うくらい。
暑さもすでに限界値。川へでも行ってクールダウンしなければ死んでしまう。
この日は日曜日だから早朝からの先行者は当然いるだろうけど、午後になれば朝からかなり時間が経っているから、後追いでも釣りになるんじゃないかな。
日曜日は午後からの釣りが吉|天竜川水系 幽霊谷
※幽霊谷というは私が勝手に付けた名前で、実在する地名ではありません。
涼を求めて、汗だくで林道を歩く。
車止めに到着したのはすでに13時50分。
県外ナンバーと松本ナンバーが一台ずつ停まっています。想定内です。
きっとどちらの釣り人も(二人とは限らないけど)、早朝から上へと向かったことでしょう。
剥がれてきたところをモンベル様が無料で修理してくれたサワークライマーRAを履いて歩きます。
すでに後継の新型サワークライマーを購入済みですが、まだこちらも履けるのでもうしばらく活躍してもらいます。とは言え、寿命も近いでしょう。
それから、ここも熊の生息地帯なのでお守り代わりのガーディアンを装着しまして、林道を歩きます。
おなじみの標識を横目に。
広い河原を流れる水はどうだろ、さすがに日照り続きで超渇水状態か。
8月になった今でもここではヤマアジサイはまだ蕾を付けて咲き始めたばかりだったり。
写真2枚目の特徴的な花は何だろう? と帰ってきてからグーグルレンズで検索したらドクダミだと教えてくれました。白い花びらのように見えるものは総苞(そうほう)と言って、実際は花ではないそうで、真ん中の棒状に見えるものに小さな花がたくさん付いています。ハナミズキなんかも花に見える部分は同様に総苞ですね。
テンカラで夏休みの渓を探る
しばらく歩いて入渓予定点に到着。
恐らく先行者二組はここよりずっと上の方から入っているだろうし、仮に朝ここから入ったとしても、すでに少なくとも6時間以上経過しているので影響はないでしょう。
超渇水かと思いきや、さすがは普段は激流の川。平水に見えます。
とりあえず川の水に足を浸けて、汗だくになった体をクールダウン。あぁ〜、ひんやりして気持ちいい。少し休んでタックルを準備。今日もテンカラで釣ります。
NISSIN AIR STAGE 冨士流テンカラ3308 6:4、SUNLINEぶっとびテンカラ レベルライン3号(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)+FUJINO フロロテンカラハリス0.8号(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)。
毛鉤は、スギッパ巻きです。
釣り開始、14時半、気温24℃、水温16℃。
この川、午後は逆光になるので、毛鉤の落下点が見にくいですが、まぁ、テンカラの場合慣れてくると見えなくても大体どこに毛鉤が落ちたかわかるので問題ないです。ドライフライだと黒のCDC限定になるかな。
20分ほど釣り上がるけど、アタリは全くありません。あれれ、大丈夫かな。
待望のイワナ、きれいな弧を描くテンカラ竿。
落ち込みの肩(次の落ち込みに流れ出す寸前のところ)にチビイワナが見えるけど、それは無視して岩陰からその奥の駆け上がりに毛鉤を打ち込みます。
魚影は見えていませんでしたが、ガツンっと食ってきました!
お、結構いい引きしてます。開けた淵なので、ダイナミックなやりとりができます。綺麗な弧を描いて魚を寄せ、ランディング。
大きく綺麗な尾ビレを持つイワナ。さすが、野性魚は逞しく生きてますね。
このイワナはこのあと釣り人からの攻撃を掻い潜り、禁漁まで生き延びることができるだろうか。
フライタックルを取り出して距離をとってドライフライを浮かべてみます。
リバーピーク JP6 7636+オービス バテンキル クリックII。ラインはDT-3F、6X9ftリーダーに7Xティペット3ft継ぎ足し。
こういうポイントはテンカラよりフライタックルの方が圧倒的に有利なんですよね。
ところが飛び出して来るのはチビちゃん。
ここからしばらくフライロッドで釣り上りますが、ちびっ子ばかりなので再びテンカラ竿に握り替えます。
テンカラ竿に持ち替えても結局チビちゃんが釣れちゃうんですけど(笑)
この辺りも夏休みになってから結構人が入っていて大きいのは抜き上げられちゃったかな。
今日もテンカラはこの毛鉤(強化型スギッパ巻き)のみで釣っています。
ここもフライタックル向きの大場所。こういういかにもってポイントには得てして良型は残っていないんですよね。
とりええず、落ち込みの肩には魚が出ていないので、大岩に身を隠しつつ徐々に上流側に向かって毛鉤を打っていきます。
黄色丸印、沈み石の手前で出ました。これはちびっ子じゃないね!
野性のイワナってどうしてお腹が鮮やかなオレンジ色になるんだろう?
良型イワナと引き替えに失ったもの
今日はスタートが遅かったからもう少し釣り上ろう。
最悪、久しぶりに林道のヘッドライト歩きをしてもいいか、なんて思いつつテンカラ竿を後ろに振り上げると後方にあった上方の枝に毛鉤を引っかけてしまいました。ちゃんと後方を確認しておかないとこういうことになる…
やれやれと、竿を少し縮めてラインを左手で掴んで一度二度と軽く引っ張ってみるけど、なかなか外れない。三度目にエイッと強めに引っ張ったら毛鉤は外れたけれど、バキッと嫌な音が。
竿先に干渉しない状態でラインを引っ張ったつもりだったけど、なぜか竿が折れてしまった!
えぇーっ!!
しかも、穂先じゃなく二番が折れちゃったよー。
まぁ、折れちゃったもんは仕方ない。何度か石にぶつけたりしたのが蓄積されてこの部分が傷んでいたのかもしれない。さっき良型イワナとのやりとり中に折れなくて良かった。
この先もフライタックルで釣りは続けられるけど、なんか不吉な予感がするから今日はここで終了にしよう。
林道に出ててくてく下ります。
途中、朽ちた木からヌメリスギタケモドキの幼菌が生えていました。
竿が折れたのは残念だけど、それほどショックではありませんでした。
この竿は現行販売製品なので、二番をパーツ取りできるだろうし、それに実は近々もう一本テンカラ竿を買いたいと思っていたので、ちょうど良い口実ができたってこともあります(笑)
ジムニーに戻り帰る道すがら、東の雲が赤く染まり、その手前には虹が浮かんでいました。
これは何かの吉兆であることを祈ります。
ともかく今日は、午後からゆっくり出かけて短時間だったけど、満足できるイワナが釣れて良かった。幽霊が守る谷はいつも裏切らないですね。
夏場の土日の人気河川は、午後から出かけると良い釣りができると再確認しました。
テンカラ竿はネット購入したものなので、上州屋さんに持ち込んで修理依頼することにしました。
保証書はあるんですが、販売店印が無いのと仮に販売店印があっても保証期間1年をすでに経過しているので、保証対象外。保証対象であっても免責金額2,000円は支払わなきゃいけないんだけど。
修理といってもやはり二番のみのパーツ注文という形になり、1週間ほどで届きました。代金は2,200円でした。保証対象外なのに良心的。宇崎日新さん、ありがとうございます!
新しい竿も買っちゃいましたが、この竿はこれからもお気に入りです。
新しい竿の紹介はまた次回に。
コメント
お久しぶりのエントリー、相変わらずお忙しいのでしょうね。
>ちょうど良い口実ができたってこともあります(笑)
あまりショックを感じない文章だから「実は新しい竿を買ったとか言うんじゃない?」なんて思って読み進めていたら、やっぱりね。(笑)
ロッドが折れたら、自分が怪我をする代わりにロッドが身代わりになってくれたのだとボクは思うようにしていますので、リコプテラさんもお怪我がなくて何よりです。
全然本文には関係ありませんがボクは頑なに導入してこなかったウェットウェーディングスタイル。
先日真夏の海小物を狙いに行った際に透湿でないウェーダーで悶絶した横で友人が涼しげにウェットウェーディングしていたのを見て即一式揃えました。
水温の低い沢ではボクには敷居が高いけど、真夏の水温やや高めの沢とか、勿論河口域やサーフなら間違いなく気持ち良い装備ですね。
kuniさん、こんにちは。
そうなんですよ、何かと忙しくて…
私の場合、心のどこかでいつも新しい釣り道具を買う口実できないかな、と思っているのがバレてますね(笑)
真夏のウェットウェーディングは気持ち良いですよね。このところ日本列島は温暖化傾向にあるので、「真夏」の時期が長くなりつつあるし。
はじめまして、とても面白く読ませていただいています。
近くにこんなにいい川があるのに、今まで渓流に興味がなかったのですが。始めてみたいと思っています。
とりあえず釜口水門のわかわぎ釣りの記事から読み始めました。今年挑戦させていただくかもしれません。
多分、住んでいる地域も近いと思います。見かけたときは、声かけるかもしれません。お会いしたことはないですが。よろしくお願いします。
はるさん、初めまして。
ブログ、読んでいただいているようで、ありがとうございます。
渓流釣り、楽しいのでぜひ始めてみてください。
釜口水門のワカサギ釣りは、例年だともうシーズンインしています。ぜひ。
ただ、今年は例年になく雨が少なくて超減水状態なので、今の釜口水門の状態がわかりません。私も近々行ってみようと思っていますが。
どこかで会うことがあるかもしれないですね。よろしくお願いします。
おはようございます
実にイイ感じの流れですね。
流れ幅と言い、岩具合と言い、実にイイ感じです。
いつもは、もっと青くなっていそうな水です。
そんな流れに住むイワナ達も実にいいです。
体系と言い、色と言い、何より顔つきがイイです。
そんな渓魚と戯れる至福の時間が余り取れない今期だったようですが、そんな時期もありますよ。
加齢に伴って、責任も徐々に穏やかになった頃に、悠遊と楽しめば良いんです。
マンボウさん、こんにちは。
この川は普段は水量多く、傾斜も強いので水圧強いですが、今年はほんとに雨が少なく釣りやすい状態になっていました。ただ、普段はヌメリがないのに日照りで川底がヌルヌルしてゴム底靴ではちょっと怖かったです。
棲んでいるイワナは本当に素晴らしくて、いつも惚れ惚れします。
私もそこそこ年取ってきましたが、いつかマンボウさんのように悠遊と釣りに行けるようになりたいです。