釣り人ってどうして、釣り道具を必要以上手に入れてしまうんでしょうね。
例えば、私がメインにやっている渓流のフライフィッシングで言えば、ロッド(釣り竿)は一本あれば十分なんですよね、普通に魚を釣るだけなら。
持っていてもあまりに使う機会がないから手放した物もありますが、今現在持っているロッドを数えてみると、8本もあるんですよね(苦笑)
まぁ、藪沢でも使えるような6フィートのロッドとか、チェコニンフ用の10フィートのロッドなど、特別な用途のものもあるし、同じような長さのロッドでもそれぞれ個性が違うことは違うんだけど。
でもね、普通に渓流でアマゴ(ヤマメ)やイワナを釣るなら7フィート半くらいのロッドが一本あれば十分なんですよ。それでも、釣り人の性と言いますか、時々新しい道具を手に入れたくなってしまうんですよね。
皆さんもきっと心当たりがあることでしょう。
と、長々と言い訳を書いたところで、また新しいロッドを買ってしまいました(バカですね笑)。
私は釣り竿に限らず、他の道具、例えばキャンプ道具なんかもコレクションする気はさらさらありません。
その割には、ストーブ(調理用バーナー)とかライト類とか、刃物とか必要以上に持ってるじゃん。
と突っ込まれそうですが、それらは実用のために持っているだけで、不要なものは手放してるんですよ、メルカリで売ったりして(笑)
さぁ、今回のロッド、それが私にとって本当に必要なものなのかどうか。
Sグラスの藪沢用フライロッド|ユーフレックス・グラスマスター GM5113-4 レビュー
Sグラスってどんな素材なの?
ユーフレックス・グラスマスター GM5113-4(アマゾンで見る・楽天で見る・ヤフーで見る)
全長:5フィート11インチ(約1.8m)
仕舞寸法:480mm(実測値)
重量:44g(実測値)
メーカー価格:57,200円(税込)
私は最近全く釣り雑誌を読んだりしないし、ネットでもあまり釣り関連の情報を検索したりしないので、最新の釣り道具や釣り方については疎いんですよね。
どうやら、数年前から(と言ってかなり前からなのかも?)Sグラスという素材が流行り出したらしいんですよね。
以前グラスロッド(Eグラス)を持っていましたが、持ち重りがして源流向きではないので手放してしまったんですが、軽くて張りのあるSグラスという素材に惹かれて、使ってみたくなったのです。
とはいえ、私はおよそバックパック釣行なので、仕舞い寸法が短いロッドというのが条件になります。でも、6ピースロッドってなかなかなくて、VARIVASのGlass Trailというロッドが正にピッタリだったんだけど、受注生産ですでに入手不可能。他には、FAGUSというメーカーのActive Hikerというロッド。こちらは購入可能なんだけど、予算オーバー(泣)
そこで、4ピースの短竿って面白いんじゃない? ということになったのです。
短くて軽い、正に藪沢用ロッド?
グリップはコルク製でリールシート一体です。
形状はメーカーによっていろいろ呼び名が違ったりしますが、ラウンドシガーというようタイプですかね。グリップは手の大きい人には短めな感じがします。
リール固定方式はポケット&リングです。低番手の渓流ロッドには一番多く使われるタイプですが、私はスクリューロックが好きなんですよね。これはコルクなのでまぁ大丈夫ですが、リールシートが銘木製の場合、リング固定だと川にリールを落とした経験が過去に何度もあるので好きじゃないです。
リールシートの長さがかなり短くて、バテンキルクリックIIのリールフットがギリギリ固定できるサイズ。このリールのリールフットは62mmなので、それより大きいと固定できない可能性があります。
リールシート側を加工するという荒技も無いでは無いけど。
ブランクカラーは「グレー」ということになっていたので、あまり好きな色じゃないな、と思っていたんだけど、到着してみたらモスグリーンのようなかなり緑がかった色合いで私の好みです。
ブランクのジョイント方式はオーバーフェルールです。
高額なフライロッドの場合、スピゴッドフェルール(印籠継ぎ)が多いですが、人工素材のスピゴットフェルールは繋いだ時にブランク間に隙間できちゃうのが見た目上気に入らないんですよね。その点、オーバーフェルールは美しい。
いいお値段しているロッドなので、細部までもちろん綺麗に仕上がっています。
しっかりした生地の竿袋とグラスファイバー製のロッドケースが付属します。
このロッドケース、ほんのり緑がかった半透明素材で光が当たるととてもきれい。
キャップ周りはコパーカラーのアルミ製でカッコイイ。
ただ、このロッドケースバックパックサイドに装着しての源流釣行だと岩にぶつけて破損しそうな気もする。グラス素材は縦方向には強いけど、潰れ方向には弱いと思うんですよね。
ロッドケース長は、537mm(実測値)。
テンカラ竿のNISSIN ZEROSUM テンカラの仕舞い寸法570mmより短いからケースごとバックパックサイドに装着しても、まぁ問題ないでしょう。
リールを装着して握ってみます。リールを装着すると、短めに感じたグリップもしっかり手にフィットして良い感じ。
ちょっとラインを通して外に出て振ってみました。
44gしかないから、とにかく軽い! 普段よく使っているインファンテ773-6 NSFは42gでそれと同等の軽さなんだけど、短いということは重心が手元寄りにあるということなので、より軽く感じます。
短いけどロッドがよく曲がって、ラインを伸ばすとゆったりとしたタイミングでキャスティングができます。キャスティング開始直後、ラインを伸ばすまではラインの重みが伝わりにくいので、指定よりひとつ上の#4ラインを使った方が気持ち良くキャスティングできるかもしれません。
先日、実際に川へ行って使ってみました。
6月の初旬に、実際に渓流へ行ってこのロッドを振ってみました。が、この時期にしては上まで行き過ぎて水温は7.5℃。ドライフライへの反応が厳しく、多くの魚は銀鼠鉤を使ったテンカラで釣りましたが、ドライフライでなんとか1尾だけイワナを釣ることができました。
当日は上述したNISSIN ZEROSUM テンカラと一緒にバックパックサイドに装してきましたが、特に問題はなさそうです。倒木の下をくぐり抜ける時なんかは気を付けないといけないけど。
渓流で伸ばしてみると1.8mしかないロッドは本当に短く感じます。まるで渓流ルアーロッドのような長さ。これは遡行するのには楽ですね!
ロッドが短いから近距離キャストが得意だと思っちゃいますが、実はその逆で、庭で試し振りした時にも感じた通り、意外にも極近距離のキャストは苦手です。いくらカーボンに比べて曲がりやすいグラスロッドであっても、ラインをあまり引き出さない状態ではラインの重みを感じられず、ある程度ラインを伸ばさないときれいなループができません。
#3よりも#4ラインを使った方が小渓流の近距離キャストでは使いやすいと思います。
このロッドが最大限威力を発揮するシチュエーションは、障害物が多い川で木の枝が張り出しているようなポイントを狙う時。7フィート半のロッドが振れないような状況でも、枝下にフライを投げ入れることができるはずです。
低活性で苦戦しましたが、なんとか釣り上げたイワナ。
この時の釣行については、また近々アップしますね。
真夏の難攻不落ポイントで威力を発揮できるのか。
梅雨明けの夏本番、木の枝から甲虫がポトンと落ちるようなポイント、しかも普通の方法では釣り人が狙えないような難ポイント。このロッドはそんなポイントから渓魚を引き出してくれるんじゃないか、とワクワクしています。もう少し使い込んでから、またここに追記したいと思います。
一つ問題があるとすれば、今年7月、8月は多忙であまり釣りに行けないかもしれない、ということですかねー(笑)
冒頭で、「私はコレクターではない」と言いましたが、道具に対する愛着はかなり強いです。有能な道具は、長く使っていると自分と相性の良い相棒のように感じます。
以下、いつも私の力になってくれている道具の一部です。




いつもありがとうございます!
コメント