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猛暑の2泊3日源流釣行(3日目)|天国と地獄

テンカラ釣り野外調理ソロキャンプ
この記事は約12分で読めます。

前日は存分に毛ばり釣りを楽しみ、釣ったイワナを塩焼きにして食べ、充実感に包まれて深い眠りにつくことができました。

夜中に一度目が覚めたのはまだ2時過ぎでした。灯りを付けてちょっと外へ出てみようとキャンプシューズを履こうとしたらムネアカオオアリが集まって来ていました。周囲に特に異変はないので再び寝袋にもぐりこみました。

「足を知る」の大切さを思い知る|天竜川水系 イタチ谷

4時半頃には空が明るくなってきましたが、どうやら曇っている様子。うーん。
昨晩の焚き火の燃え残りがあるけど、朝から大きな焚き火をしている時間はないのでソロストーブ用に小さな枝を集めます。

鹿が鳴く谷で静かな朝食を

細い枯れ枝がこのくらいあれば十分。キッチンペーパーを一枚使って着火。燃え始めれば多少湿った枝でも燃えます。調理中でも薪の追加も簡単。ソロストーブほんとにいいね。

お湯が沸く頃には空はさらに明るくなり、雲も晴れて来ました。良かった。
朝食は保存食シリーズ。カレー味のおこげとサバの味噌煮、そして乾燥味噌汁の具。

山フライパンに少量の水を入れ乾燥味噌汁の具も入れて煮立たせます。サバの味噌煮を入れて軽くほぐして少し煮たら片栗粉でとろみを付けます。

さっきから鹿がキョーンキョーンと鳴いていたけど気付いたら対岸で水を飲んでる。写真を撮ろうと思ってカメラに手を掛けたら、脱兎のごとく森に逃げ込んじゃった。

おこげは開封してカレーパウダーを振りかけシャカシャカ振るだけ。フリーズドライの粕汁を追加。

本日の源流朝食:
・カレー風味おこげのサバ味噌あんかけ
・粕汁
・食後のコーヒー

このおこげタイプの保存食、気に入りました。これだけをそのまま食べても美味しいけど、サバ味噌あんかけとの相性も良いです。アレンジ無限大なので、これからも活用させてもらおう。
真夏でも源流は朝冷え込むこも多いので、粕汁も最高。

さて、ねぐらを撤収します。
エアマットはまだ大丈夫ですが、エアピローはすでに使用限界で寝ている間に自然に空気が抜けてしまうので、先日買い替えました。

ピコグリルに残っていた燃え残りと灰は穴を掘って埋めます。

このタープ、源流泊にはちょうど良いです(アマゾンで見る)。

今回もキャンプの痕跡は完全に抹消して帰ります。最近このキャンプの痕跡を抹消する作業に快感を覚えるようになってきました。

渇水状態の川と上を目指す二人組

荷物をバックパックに詰め込み、とりあえず林道に復帰しよう。
3日目の今日は、少し下って馴染みのあるイタチ淵のある区間を釣るか、それともいっそのこともっと下まで下って未知の区間を探ってみるか、迷いどころです。

川を見下ろしつつ林道を歩いていましたが、好ポイントが連続してるのに我慢できず少しだけ竿を出してみることにしました。
しばらく毛ばりを打ってみますが、期待に反して魚影が薄いようで反応ありません。

ここもダメか、とちょっと脇見してピックアップしたらその拍子に喰ってきてブルッと竿を震わせますが、浅掛かりでバレてしまいました。

その後、浅瀬の流心脇からなんとか小さいイワナを釣り上げ、

淵尻を先に狙ったけど反応ないので少しずつ前進して淵の真横に来たら、なんと黄色矢印の辺りにゆらゆらしているイワナを発見。
毛ばりをポトンと落とすと近づいて口をパクパク。喰った?
空振り。
もう一度落とすと猛ダッシュするも喰わず。手前にゆらゆら泳いできて、私に気付くと下流に猛スピードで逃亡。良型だったのに残念。
なんか今日は調子悪いかも。とりあえずもっと下ろう。

途中の区間は超渇水状態で岸際は干上がってひび割れができているほど。

ここは初日に降りて来た崖。こんな足がかりのない急斜面をよく降りてきたな(苦笑)

水少ないなぁ。淵尻に魚影が見えやしないかと目を凝らしますが、うーん、魚が見えない。
全くいないことはないんだろうけど、あまりに水が少なくて釣りにくいな。

林道を歩きます。天気は思ったよりも良さそうです。
途中に昔の作業小屋みたいなのがあって、その手前まで来たら話し声が聞こえます。
あ、二人組の釣り人だ。挨拶すると、昨晩はここに泊まって今日は私が昨日釣り上った辺りよりさらに上に向かうとのこと。上の状態を伝えて「お気を付けて」と別れました。
この小屋、以前から釣り人が利用してるみたいだけど、私はここに泊まるのは怖い。普段河原にタープだけで泊まっているから、逆に暗闇の中の建物(小屋であっても)なんて怖すぎる。最近は河原のテント泊ですら怖いと思っちゃう。囲まれて外が見えないのが怖い。なんか感覚がおかしくなってるのかも(笑)
あ、そう言えば、あんなわかりやすい場所に赤いMTBを駐めたのに、2人は途中自転車を見かけなかったと言っていたのが気になるな。まぁ、ロック掛かってるし、誰か盗んでいったなんてことはないだろうけど。

さて、Aプランとしてはトンガリ岩キャンプ村から入渓してイタチ淵詣り。ただこれだけ水が少ないとイワナたちも夏バテしちゃってるんじゃないの? 川底もヌルヌルしていそうだし。
Bプランの「もっと下流の試し釣り」にしよう。

鹿のお墓まで帰還。ここはかなり上空が開けているのでスターリンクが繋がるんじゃないかと思ったけど結局繋がらず。私が何か設定を間違えてる?
もう少し下り、川が林道に隣接している辺りでちょっとだけ釣ってみて早めのお昼を食べて帰ろう。時間はまだ10時。明日は早朝から仕事だから無理はしないことにして。

こんなところにイワナがたくさんいるなんて。

この2日で少量はだいぶへって軽くなったとは言え重いバックパックは日陰に置いて、身軽な状態で少し釣ってみよう。
竿はNISSIN ZEROSUM テンカラ 7 : 3 3207、SUNLINEぶっとびテンカラ レベルライン3号(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)を3.3m+FUJINO フロロテンカラハリス0.8号(楽天で見る・アマゾンで見る・ヤフーで見る)を1.5mほど。仕掛け全長は竿より1.5m長い4.8m。
毛鉤は、スギッパ巻きです。

林道に沿った荒れ気味の広い河原区間。大岩が点在はするけど、大水が出たら魚が流されちゃいそうな気がする。今は渇水でポイントが狭められさらに期待薄。
手前の浅場にはいないようなので、姿勢を低くして少しずつ前へ。
白泡下の深みからの駆け上がりで喰ってきました!
どうせ小さいのしか残っていないだろうと思ったけど、なんか良い引きしているよ。

おぉ、ワイルドな良型イワナ。こんな林道脇の流れにこんなイワナがいるとは。
しばし見惚れちゃいますね。

ふと左側を見ると、バブルレーン付近(青丸印)に定位するイワナ。毛ばりを打ち込むとするするっと逃げちゃいました。さっき釣れた箇所の少し上、大石の際(黄色丸印)に打ち込むとガツンと喰ってきました。あれ、ここにそんなにたくさん魚がいるの?

さっきより小さくてスリム体型のこのイワナ、斑点がほとんど見えないほど薄らしてる珍しいタイプですね。以前には木曽川水系で完全な無斑イワナを釣ったことがあるけど。

あれれ、さっきまで日が当たっていたのに急に雲が立ち込め雨が落ちてきました。大した降りではないので釣り続行。

逆さ毛ばりで誘うと喰ってきたイワナ

昨日も少し使ってみたけど、スギッパ巻きや銀鼠鉤に比べると釣果が安定しない逆さ毛ばりの「雉銅」。この区間以外と魚影が濃そうだから試してみよう。

手前のヒラキでは反応がなく、左右の落ち込みに挟まれた大石裏の巻き返しに打ち込んで、少しラインを緩めたあと微かにアクションを加えるようにラインを張ると、ガツンと喰ってきました。

素直に寄ってきたので黄色丸印の浅場で取り込もうとネットを差し出してみたけど、竿を煽っても魚体が見えない。イワナは強い流れに乗って下り始めました。テンションが完全に抜けてしまいました。嫌な予感。

向きを変えて上流側に竿を倒すと、良かった、まだイワナは掛かっている。ただ、もたもたしている間にイワナは下の激流に入りさらに下って行きます。ヤバい、切られるかも!!

この大岩乗り越えるしかないね。
片手で竿を矯めつつ、なんとか大岩を乗り越えます。

よし、ここなら大丈夫。少しやりとりして黄色丸印の浅場に引きずり上げるようにしてランディング!

やったー!! 尺はあるね!

野性のイワナがこんな風にぎろりと睨む目が好きです。
しばらく浅瀬で体力を回復させて安全な住み家に帰ってもらおう。

バケツをひっくり返したような雨

さて、尺イワナも釣れたことだし、これで納竿して帰ればめでたしめでたし、のはずだったんだけど、立て続けに良型が釣れるので欲が出てしまいました。

極小落ち込みの壺。イワナが翻ったのが見えたので合わせるとブルッと竿を震わせてバレてしまいました。空を見上げると、一旦止んだ雨がまたポツポツ落ちてきています。

ここも左右の落ち込みからの流れが合わさるあたり。少し痩せていますが、これも良型です。

しばらく浅瀬が続きでスルーしつつも、試しに毛鉤を打ってみると反応はありましたが、バラしちゃいました。

パラパラ雨が落ちてきたり止んだり、本格的な降りにはならないようですが、大粒の雨が落ちてきたのでちょっと岸際の大木の陰で雨宿り。

フライロッドに持ち替えた方が良さそうな大淵はテンカラ竿では思うように攻められず、さらに上を目指します。

何の変哲もない平瀬。こんなところにもイワナがいます。

しかも良型がいるんですよね。このイワナはでっぷり太ってる。
全くノーマークの区間だったけど、ここには大きなイワナがたくさんいる。まだまだ釣り上りたくなっちゃうな。

さっきのイワナを釣り上げた直後、にわかに大粒の雨が落ちてきた。岸際の一段高くなった場所に大木があるからその下に逃げ込む。さっき釣れた場所を見ながらしばらく雨宿り。
イワナは写真2枚目の黄色丸印辺りで喰ってきた。

にわか雨だからしばらく雨宿りしていれば止むはず、と思ったんだけど雨足は強くなるばかりで止む気配が無い。ちなみに雨具は置いてきたバックパックの中。

なんだ、この雨!?
バケツをひっくり返したような雨、とは正にこのこと。すぐ止むだろうと思ったけど雨の勢いは一向に治まらず、ますます強くなってきた。
大木の下にいて最初のうちは雨宿りできていたけど、20分ほど降り続く頃にはびしょ濡れになってしまいました。

上にいる2人は大丈夫かな。今頃びしょ濡れになっているだろうけど、小屋まで戻ってくれば問題ないか。今日帰るわけではなさそうだし。

目の前の流れは水量はそれほど増えていないと思うけど、少し濁ってきているな。茶色ではなく笹濁り程度。だけど、これ以上増水したら例の渡渉ポイントを通過できなくなる恐れがある。つまりは帰れなくなるってこと。これはヤバい!

止まない雨。果たして今日帰れるのでしょうか。

とにかく今いる場所から抜け出してもっと雨が防げそうな場所に移動。河原から一段上の林道との中間地点。何本か大木がありちょっとした林のようになっていて、さっきの場所より頭上を葉っぱが覆っています。でも、この降り方ではどっちみち雨はそれほど防げない。
ここでも10分ほど待ってみましたが、雨が止む気配はありません。
少しだけ雨の勢いが弱まった気がするので、意を決して林道に出て下って行くことに。

もうすでにびしょ濡れなので、雨は気になりません。
この崩落箇所は問題無く通過。

途中、細い沢に泥が流れ込んでいるようです。
とりあえず、バックパックの場所まで到着。バックパックも雨にぐっしょり濡れて重くなっています。これを背負って早速下り始めます。

例の林道崩落渡渉通過ポイントに到着。
どうだろ、渡れるか。

とりあえずここはなんとか対岸に渡れるな。その後が問題だ。

ここから折り返して再び対岸に戻る。行けるか?
1から2までは行けるだろう。2から3も強い流れを跨ぐようにすれば行けるか?
水が濁っていて水深がわからないけど、2の右側の水中から頭を出している岩を見る限り、来た時よりは増えているものの、何とか渡れるんじゃないか。とにかく行ってみよう。

2に渡るところもかなりの水圧でちょっとビビる。
その次、2の先の白泡を跨ぐように右足を出してみたら思ったより深く、しかも水圧で右足を掬われ転倒!うわ〜っ!
ヤバい! 背中のバックパックが水圧を受け、体ごと流されそうになる。ちょっと待て!
なんとか2の右側の岩にしがみつくようにして手前側に脱出。
これは無理、ここを通過するのは絶対に無理!
写真を見ると、矢印コースの少し上とかもっと下の石伝いに渡れるんじゃないの? と思うかもしれませんが、絶対に無理です。とにかく水圧が半端ない。

さっきの転倒では幸いにも怪我は無いので、とりあえず、もう一度引き返して冷静に考えよう。

行けるのか、別ルート。

川を渡るのが無理なら、左側の護岸の上の道を通過するしかないのか。ただ、現在も大雨が降り続いていていつ左の急傾斜崖から落石があるかわからない状況。実際に崖が崩落して道を封鎖してしまっている状態なんだから危険度MAX。

護岸に上がってみると、そもそもこの上に林道を新設したわけじゃないのか?道幅が狭すぎる。
ってことは、護岸の下の臨時バイパス道路のままで、それが流されちゃったってこと?
まぁ今はどちらでもいい。

大岩のところまで行ってみると、確かに落石で埋まってはいるけど、踏み跡らしきものはあり、ここを釣り人が通過しているのか。ただ、今は大雨のせいでいつ頭上に尖った石が落ちてきても不思議じゃない状態。この足場では、落石の音がしてもかわせる自信が無い。神頼みで通過。

なんとかそろーりと通過し、その先も落ちて来た大岩やら倒木やらあるけど通ることはできそう。

やっとのことで安全な側に到着。ふー。
振り返ってみると新たに作った護岸の裏側がすでにヤバいことになっている。ここから見るとさっき渡ろうとした場所も、渡渉は絶対無理。ヤバかったー、下手すると流されてただでは済まなかったかも。

お昼抜きで車を目指す

MTBはちゃんと待っていてくれた。スプロケットガードは割れているけど、帰るのには全然問題なし。これで無事に帰れる。
あの2人、ここを通過して上へ行っているはず(川を渡渉したのか崖際を歩いたのかは不明)なのにこのMTBが目に入らなかったってどういうこと(笑)

途中こんなことになっていたりするけど、問題ないです。画面上全く伝わっていないと思うけど、雨はずっと降り続いています。
もう少し下ったところに、上にいる2人の電動アシスト自転車が駐められていました。

いくぶん勢いは弱まったけど降り止みません。にわか雨どころの話じゃないな。
例の謎池到着。お腹が空いてるけど、雨の中でお昼を作る苦労を考えると、車へと急いだ方が良さそう。

途中、林道の真ん中にヒキガエルがじっとしていてぎょっとしたりしながらも、びしょ濡れのままなので一刻も早く車のもとへ辿り着くべく少しスピードを上げつつ、かつ慎重に下って行きます。

軽トラの元に無事到着する頃にようやく小雨になりました。フレームに飛び散った泥が道中の過酷さを物語っています。
とりあえず簡単に着替え、温泉に入ってから美味しいものでも食べよう。すでに夕方のような気分だけど、時間はまだ15時前です。

ほんの2時間前の出来事は現実なのか。

温泉に浸かっていると、つい2時間ちょっと前に川に流されそうになったのが現実の出来事とは思えない。あの尺イワナを釣り上げたあとすぐ帰って来ればあんな目に遭わなかったのに、欲に溺れてバチが当たったな。やはり、人間「足るを知る」ことが大事ですね。
今回は今までの釣り人生の中で一番身の危険を感じました。いや、滝を高巻こうとして滑落しそうになった時の方がヤバかったか?
ともかく、今回は危うく帰って来られなくなるところだった。

後日、3日目のお昼に食べるはずだった材料で調理。写真1枚目の一番右に写っているのは、目玉商品(笑)のバウムクーヘンタイプの保存食。
渓流メシだったはずの昼食:
・ガーリックトマトスパゲティー
・4種のネバネバスープ(フリーズドライ)
・スティックバウムクーヘン(保存食)
・食後のコーヒー

無事に帰って来て、これを食べられて本当に良かった〜。
ありがとうございます!

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