9月12日に残してきた小さいマツタケを見に16日に再度出かけました。
この日は日曜日で雨続きの晴れ間ということもあり、きっと大挙して人が押し寄せてきていることでしょう。
でも、早朝からは出かけられないので、後追いで登ることになりますな。釣りと同じで、もちろん後追いだとかなり不利な状況になりますね。
まぁ、それでも何らかは採れるでしょう。
午前9時半に車止めに到着。
もうすでに車が停められないほどいっぱいで、ちょっとテンションダウン。
それよりも大問題が発覚!
幸せな気持ちになれたキノコ狩り
長袖シャツや熊鈴が入っているトートバッグを車に積み忘れて来ちゃった。
久しぶりに天気が良くて暑いくらいだけど、山はトゲトゲの藪があったり虫に刺されたりするので長袖が常識。半袖Tシャツで、しかも熊の目撃情報の多いこの山で熊鈴も持たずにキノコ狩りをしているなんてアホだと思われちゃうよ。まぁ、実際アホなので仕方ない(笑)
私が登るところは、藪が少なく見通しも良いのでもし熊がいても向こうが先に気づくし、変にちょっかい出さない限り襲ってくるなんてことはないです。だからまぁ大丈夫です。
今日はいつものMTBを実家に降ろしたまま来たので、林道をてくてく歩きます。
途中で、早くも下りてくる人が、一人、二人。
挨拶して様子を聞いてみましたが、半袖で鈴も鳴らさず歩いている私をきっとキノコ狩り初心者だと思ったんでしょう。二人とも、
「まぁまぁ・・・」と、あまり多くを語ってくれませんでした(苦笑)
人を見かけで判断してはいけませんよ。とは言え、みんな結構重装備で歩いているのに、この半袖スタイルは、山を舐めているとしか思えないよね、確かに。
人だらけの山、それでもキノコはたくさん
いつもの登り口付近までくると、斜面の上に赤いキノコが見えます。
あれ、タマゴタケだね、きっと。このキノコは壊れやすいから、帰りに採っていくことにしよう。
いつもの斜面を登り始めると、上から二人組が下りてきた。
ちょっと話を聞くと、ここから上で6、7人も見かけたとか。
えーっ! そんなに人が入っているの? それは厳しいなぁ。
と思いつつ登り始めると、あれれ、結構キノコがあるじゃない。みんな、マツタケ以外眼中にないのかな。私としてはありがたいことですが。
アミタケの隣のこのキノコ(黄色矢印)、オオギタケです。
このキノコは、アミタケに寄り添うように生えることが多いですが、そんなにたくさん採れるキノコじゃないです。
アミタケは群生している場所もあって、結構な量になりました。
サクラシメジもかなり生えています。
一瞬コウタケかと思いましたが、ケロウジ(食不適)でした。
2枚目の写真は雨に打たれたコウタケに似てますね。
写真1枚目は殻を破って出てきたばかりのタマゴタケ。なんとも愛らしい。
写真2枚目は出てきたばかりのベニテングタケ(毒)。こちらもかわいらしいけど、イボイボが付いているところがいかにも毒っぽい。
ちょっとだけクリフウセンタケも出てました。
シャキシャキた歯切れが良くて美味しいので好きなキノコです。すき焼きに入れると最高ですよ。
あ、本物のコウタケ発見!
雨に打たれると、特徴のトゲトゲがくたっとなって傘の表面が少し滑らかになります。
本来ならコウタケは乾燥状態で採りたいけど、9月に入ってから晴天が続くことがないので致し方ない。
ウスフジフウセンタケ(食不適)。
写真1枚目の写真は傘がかなり明るく写っちゃってるけど、名前の通り傘と柄は薄い藤色(紫色)をしています。傘の裏側は茶色いヒダ。根元はぷっくり膨らんでいます。フウセンタケの仲間の特徴ですね。
これをムラサキシメジと勘違いしている人が結構多い。
カワムラフウセンタケ。
上記のウスフジフウセンタケにちょっと似てますが、こちらは傘が茶色っぽく裏側のヒダは紫色。傘の色合いがウスフジフウセンタケの逆ですね。濡れるとヌメリが出ます。
柄は紫がかっていて傷つくと濃い紫色になります。
こちらは食べられますが、マイナーな存在です。天ぷらにすると美味いです。
謎のお爺さんに出会う。
そこそこ腰ビクが重くなってきて山頂が近づいてきた頃、コンッコンッと人の咳?みたいな音が聞こえて来た。
ちょっと動きを止めて耳を澄まします。何?あの音。
コンッコンッとまた咳みたいな音が。人なのか?でも、鈴の音がしないよ。キノコ狩りに山に入る人で鈴を付けていない人はまずいない(と言いつつ今日の私は鈴をつけていない笑)。マツタケの見つけた時に他の人に在処を知られないように一時的に音を消す人はいるけど。
鳥じゃないし、あんな声の動物って何?
少しビビりながらそろーりそろーりと周囲を伺うように登っていくと・・・
少し離れた斜面を、おそらく70代後半と思われる小柄なお爺さんが咳をしながら下りてきた。
なんだ人かよ。脅かさないでよー。
しばらく見ていると向こうも私に気づいた様子。かなり距離があったので、会釈だけして登っていこうとしたら、何か言いたそうにこちらをちらちら見ている。私が山を舐めているような格好していて、しかも熊鈴も鳴らしていないから気になったのかな。
こっちから近づいて言って大きな声で挨拶。
「採れましたか」と聞いてみると、
「雑ばっかりだけどねぇ」と。
「雑」というのは雑キノコのことで、マツタケ以外のキノコをそう呼ぶのです。
確かに腰ビクと背中のリュックはいっぱいのようで、さらに予備で持参したであろう手提げバッグにもいっぱいにキノコが入っている。これを持って下るのは大変だろうと思うくらい。
そもそもこの年齢のお爺さんがここまで登ってきていること自体ちょっとビックリなんだけど。
小さいマツタケも3本ほど採れたそう。
その3本って、もしや私が先日残してきたヤツじゃないの? まぁそれならそれでいいんだけどね。しばし今年のキノコの生え具合など情報交換して別れました。
今日行き会った他の人たちとは違って、この人はプロだな、と思った。
プロと言ってもキノコ狩りを職業にしているという意味じゃなくて、凄腕のキノコハンターだということ。なんかそういうオーラがある。
隠しておいたマツタケは見事に採られていたけど・・・
とりあえず、この前マツタケを隠してきた山頂に向かいます。
隠してきたって言ったって枯れ葉をかけて見えないようにしただけで、見ようによってはここにマツタケがありますよと言っているようなもの。採られてないほうが奇跡だ(笑)
このアカマツの根の先の方に生えていたマツタケ。
見事に採られていました(笑)
採られた穴だけ残ってました(写真2枚目)。ほんとは穴を埋めておいて欲しいんだけどな。
これを採ったのはあのお爺さんじゃない気がする。
今日はもうコウタケ含めいろんなキノコがたくさん採れてるから十分。山を下ろう。
さっき、お爺さんが下ってきたルートで下りていくと・・・
えーっ、マツタケじゃないの!
しかも結構太いのがまとまって生えてる。
これは良型だよー。
ただ、誰かに踏んづけられたかのように2本は頭が折れていたのが残念(写真2枚目)。
折れていてもついさっき折れたかのように全然傷んでいないので、食べる分には問題ないけど。
これ、一体誰の仕業。人間じゃなくて、動物が踏みつけたの?カモシカとかイノシシとか?まさか熊じゃないよね。人間だったら気づかないはずないよね、これだけのマツタケを踏んづけたら。
どーん、立派なマツタケがこんなに採れた!
左の2本が踏んづけられて折れてたやつ。
不思議なのはさっきのお爺さんがこのマツタケを見逃しているということ。ここを下ってきて、これだけのマツタケに気づかないはずがない。
あれは人間の姿をした山神様だったんじゃないだろうか。そんな気さえしてくる。
だって、先に6人も7人も同じ場所に入っていて、そのお爺さんもそこを歩いているのに誰もこれだけ固まって生えているマツタケに気付かないっておかしくない? セコく隠しておいた山頂のあんな小さなマツタケは見つけちゃうのに(笑) 奇跡だね、これは。
そしてこんな奇跡を起こせるのは神様しかいないでしょ。
どうしてこんな奇跡を私に与えてくれたのか知らんけども。
日頃の行いが良いからだということにしておこう(笑)
とにかく、ありがとうございまーす!
これで、今年も両親にマツタケご飯を食べてもらうことができます。
今年はもうこれ以上マツタケは要りません、十分です。
上機嫌のまま、ウラベニホテイシメジやホウキタケなんかを追加しつつ、軽やかに斜面を下ります。
登り口にあったタマゴタケを忘れずに採って、林道をてくてく歩きます。
やっぱり帰りはMTBがないのは辛いな。MTBのありがたみがよくわかります。
林道を車止め付近まで下りてくると、頭上から賑やかな鈴の音が徐々に近づいてきます。
斜面を下りてくる3人の人影。真ん中は女性らしい。
素敵な三世代親子に出会い、幸せな気持ちに。
私の近くまで下りてきて、
「ビクが重くなるほど採ってるねぇ」と先頭のお爺さんに声を掛けられました。
「大きいキノコが結構採れたから重いだけですよ。マツタケも良いのが採れたけど」と私。
下りてきたのは、お爺さんとその息子さんそして、高校生か大学生くらいの孫娘さんでした。
お爺さんはマツタケを採りには良く来るらしいけど、ウラベニホテイシメジがわからないから良く見せて欲しいとのこと。
腰ビクから出して特徴とクサウラベニタケとの見分け方を説明(ウラベニホテイシメジとクサウラベニタケの見分け方はこちら)。他のキノコもいろいろ見てもらいました。
娘さんはタマゴタケをみて、「めっちゃきれいー!」と感動していました。
お爺さんたちもマツタケを結構採ってましたよ。ただ、お爺さんたちが歩いたポイントはマツタケ銀座と呼ばれるほど一番人がたくさん入るポイントなので、大きいのは一本もなく、全部5cmほどの幼菌でした。
「雑キノコはよくわからないから、勉強になりました」とお爺さんに言われちょっと恐縮。
息子さんやお孫さんの手前、普通ならもっと格好つけたくなると思うけど、
「山はよく歩いているけど、キノコは下手でねぇ」などとおっしゃる。
おそらく70歳くらいだと思うけど、私みたいな若造に偉ぶることなく謙虚に接してくれる、こんなお爺さんカッコイイね!
歳を取ったらこんなお爺さんになりたい(^_^)
お爺さんとお父さんにくっついてキノコ狩りに行くなんていう娘さんもいいよね。今回初めて一緒に来たらしいけど、とても楽しそうでした。
この三世代家族の様子がなんだか微笑ましくて、ほっこりした気持ちで山を後にしたのでした。
コメント
今日も良いきのこ狩りでしたね。来月なんとか休みあえばきのこ狩りを教えてもらいに行けるかもの予定です。
Nori1022さん、こんばんは。
ありがとうございます。最近山の神様には愛されているようです。
川の神様は雨続きの増水をどうすることもできないようです(笑)
そちらは来月がキノコの最盛期でしょうかね。ぜひとも詳しい人と一緒に出かけてキノコ狩りを楽しんで下さい(^_^)
やっぱり人間として、謙虚さを忘れたら駄目ですね。^^
ボクなんて、まだまだ気を付けているつもりでも、全然だろうけど・・・
ボクも今日、少しだけ山を歩いたけど、その時にアミタケらしきヤツとイグチの仲間っぽいのと、リコプテラさんが書いていらっしゃるケロウジらしきヤツがたくさん出ていました。
それ以外のキノコもたくさんあったので、知っている方なら食べれるキノコをキープできたのではないかと思います。
kuniさん、こんばんは。
私もこのお爺さんに、幾つになろうが謙虚な姿勢が大切だということを教わりました。
アミタケらしきやつはたぶんアミタケです。採って茹でてみれば赤紫色になるのですぐにわかります。
イグチの仲間には毒のものもあるし、ケロウジは不味いので要注意です(笑)
そちらもキノコシーズンになってきたようですね。なんだか今年は急に寒くなりそうな気がしています(>_<)
管理人さんと同じように知人のキノコ・山菜好きのサイトも沢山のキノコがアップされていて楽しいです。
27日に釣りに御一緒するのですが、私はヤマメにしかピントがあわない気がします。
いつも岩魚オンリーなので最後にヤマメのイイ型が釣れますように!!
先週は同行者が餌竿に毛鉤(エルクカディス)をつけてチョウチン仕掛けで尺岩魚釣りました。2度も合わせ損ねても粘り勝ち。
FFfreakさん、こんばんは。
キノコはそれぞれがとても個性的で、種類も数え切れないほどあるので、見ているだけでも楽しいですよね。
27日天気が良くなると良いですね。ヤマメ狙いですか。この時期のヤマメはワイルドな顔つきになってきてカッコイイですよね。
餌釣り竿でドライフライ、アワセを強く入れすぎると穂先が折れそうで怖いですね。尺イワナを釣り上げるとはお見事(^_^)
こんばんは。
山も少し賑やかになってきましたね、当初、豊作と見込んだ雑キノコ、種類は多く出ていますが、当地ではジコボーがイマイチですね、遅くになって出るのでしょうか、アミタケが良い様な気がします、松林に10円玉位のがありますが根気が要りますね。
ハックル70さん、こんばんは。
そうですねー、雨続きで釣りには行けませんが、キノコの発生条件としては悪くないようですね。こちらもアミタケとコムソウは好調ですがジコボウ(ハナイグチ)はほとんど採れません。
今年に限らず、年々ジコボウが採れる量が減ってきているような気がします。汁物や麺類に入れるととても美味いキノコなので、もっと採りたいと思っているんですが(>_<)
会社の先輩が週末に行ってきたみたいです。今週末、運動会、禁漁前、山はお預けかもしれません。
Kさん、こんばんは。
先輩の釣果はどうだったでしょうか。この雨続きの状態だと、餌釣りやルアーならなんとかなると思いますが、毛鉤は厳しいですね。
運動会シーズンですね。運動会にはやっぱり青空が似合いますよね。
こんなに9月が雨ばかりだったのはちょっと記憶にないです(T_T)
こんばんは。
凄いですね~、凄いですね~、立派なマツタケ。
以前書かれていたように、今年は豊年満作なんですかね。
マンボウさん、こんばんは。
私も凄いなー、これはと思いました(笑) いつも通りのマグレです。
立派なマツタケが採れて、感謝感謝です。
マツタケに限らず、信州では今年はキノコは豊作のようですよ(^_^)
コンバンワ!
記事を読んで、そのお爺さんこそ山神様の化身のような気がします。
キノコ採り、特にマツタケとなると、眼を吊り上げ殺伐とした場面(私自身がそうかも知れません?)を想像しますが、チビマツタケを残して置くというリコプテラさんの余裕がその後の6本という恩恵に預かったように思います。やはり、あのお爺さんは山神様ですね。自分は山に入る時、山の神様の祠があると、必ず二礼二拍一礼を心がけています。
いずれにしても、リコプテラさんのブログを拝見するとホッコリとした気持ちにさせてくれます。他人より沢山採りたい、他人に負けてなるものかとの雑念が多い私にとって良い教訓となりました。たかがキノコ採り、されどキノコ採りですが、自然の恵みを頂くキノコ採りとはかくありたいものです。
naotyanさん、こんばんは。
いつもブログを読んでいただきありがとうございます。
あのお爺さんは何か凄いオーラを放っていたので、山神様だと思います(^_^)
二礼二拍一礼、良いですねー。
マツタケ狩り、まだ暗いうちに車止めに到着すると皆さんかなり殺気を漂わせています(笑)
釣りもキノコ狩りもそうですが、他の人と競い合ってしまうと疲れるので私はのんびり楽しむことにしています。たまには良いこともあるみたいです(^_^)
こんにちは。
御無沙汰しておりました。
いや~凄い!凄い!
只今、画像見てイ~カンパ~!っと念力を吸い込んでいます。
私の方は11日に出かけたのですが、駐車場は一杯でした。
抜いたらそのまま、ほんとに困りますね。
無茶1さん、こんにちは。
すっかり返信遅くなってしまいすみません(^_^;)
今回は幸運に恵まれて、感謝感謝です。
今年はキノコは豊作で、山は人だらけでした。キノコ狩りに限った話ではないですが、自分さえ良ければ良いという考えの人が増えているような気がします。
マツタケのシロは壊さないようにしたいですよね(^_^)